「子供の頃」の話はだいぶ苦手、だからこそ
FirstUPDATE2024.9.19
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今年の6月にこんなエントリを書いたことがあって。



今回も似たようなタイトルというか、あえて似せたっつーか「ほぼ同じタイトル」にしたのですが、アタシはね、実は「懐かしい」という感情にはかなりこだわっておりまして、さらに過去にはこんなエントリも書いたことがある。



もう、そのまんまですが、要するに懐かしいっていったいなんなんだ、と。つか「子供の頃に流行っていたモノを見せられただけで本当に懐かしがる人がいるのか。いるならどうかしてるんじゃないか」とすら思ったからこそこんなエントリを書いたのです。
そんな人間だから子供の頃を懐かしいと思うことなど、まったくない。いや実際はまったくではないんだろうけど、何と言うか、自分自身を懐かしがらせるのはメチャクチャハードルが高いんですよ。

流行りモノを見せられてもダメ、子供の頃の写真といった至極プライベートなモノを見せられてもダメ。そんなんじゃあ、ぜんぜん懐かしいって気分になれない。
だったらね、もうこの高い壁を乗り越えてやろうと。必死で調べて自分を「懐かしい!」って言わせてみせるぞ、というような気持ちで書いたのが昨日エントリした文章です。



一応、ギミックというか、子供の頃の自分へ手紙を書く、という趣旨になってるし、でも本当に書きたかったのはポストスクリプトでも書いたように「藤子不二雄作品にハマった頃のことをしっかり書きたい」というものです。
しかしもうひとつ裏テーマがあって、そう、どれだけ自分を懐かしがらせることが出来るのか。何をっつーかどんな資料を用意すれば「あ、懐かしいな」と思うのか、それを相当考えた。

その結果、ポイントを45年前の昨日、つまり1979年9月18日時点で販売されていた「月刊コロコロコミック」と当日付の新聞に掲載されていたテレビ欄に絞った。こういうのは網羅的にやったら余計に懐かしいという感情から遠のくので、ピンポイントでやった方がいいんです。
で、どうなったかと言うと、わりと上手く行った。というのもいろいろ偶然が重なって、というか本当に「たまたま」アタシが懐かしいと思える要素がこの号のコロコロコミックとこの日のテレビ欄に入っていたんです。

まずコロコロコミックの方ですが、奇跡的に藤子不二雄の、というか藤子スタジオの特集であり、当然のことながら藤本弘先生と安孫子素雄先生のツーショット写真がいっぱい掲載されている。
もう、これだけで泣ける。いやこれが本当に「懐かしい感情」に当たるのかは微妙なんたけど、やっぱね、これだけ散々「このふたりは昔はともかく今は何の関係もありません」というのを見せつけられてきたからね。ツーショットってだけでも泣けるのです。

むしろ一番「懐かしい」という感情を覚えたのは、本文でも書いたけど「オバケのQ太郎」の扱いで、ちゃんと「重鎮」として丁重に扱われている。それが嬉しいというか、ああ、たしかにこの頃まではそんな扱いだったなぁ、と。これは文句なしに「懐かしい」と言っていいと思います。
あとは「金メダルマン」と「がんばれ!ドンベ」も本当は懐かし範疇なんだけど、どちらも大人になってからちょっと調べたことがあったんで、そこまで懐かしメーターの針は振れなかった。

新聞というかテレビ欄の方はね、もうこっちの方こそ完全な偶然で、ピンポイントで「忘れてたことを思い出した」んですよ。
ぶっちゃけ、熱心に見てた番組をテレビ欄から発見出来ず、もうこれはサザエさんの再放送とサンテレビボックス席でお茶を濁すしかないかなぁ、とあきらめていた時、そういやこの頃って夕方の時間帯にどんなのが再放送されていたんだろ、と思ってると「キカイダー01」の文字を見つけた。

キカイダー01!!!

もうこの文字を見た瞬間に、子供の頃の出来事が一瞬で脳裏に浮かんだ。ま、何が浮かんだかは本文を読んでいただきたいので引用はしませんが、これも間違いなく「懐かしい」と言い切ってもいい。

結局ね、懐かしいって懐かしモノを見せられて、はいそれで終了ではないんです。
その懐かしモノがちゃんとトリガーになってくれるかが重要で、子供の頃の写真を見せられて、こんな写真を撮られてたことなどまったく記憶がない、というんじゃあ、懐かしくなるわけがない。
そうじゃなくて、その時、自分はどう思っていたか、それが重要なんです。
キカイダー01で言えば、「キカイダー01」の内容云々ではなく、小学5年生にもなってすんげぇ「キカイダー01」を見たかったのに、でも、というね、そうした感情の揺らぎを思い出すことこそ「懐かしい」ってことなんじゃないか。

それで行くとオバQの扱いはちょっと違うかもしれないけど、いやそんなことはないよ。
あの頃たしかに、自分の中で、今はドラえもんが人気だけど、オバQは殿堂入りくらいの人気があった、という感覚を思い出したから「懐かし」くなったんだと思うし。
そうは言っても、そうした「トリガーになり得る」懐かしモノを引っ張ってくるのは大変だわ。やっぱそこのハードルは他人さんよりも高いと思う。今回だってただの偶然だもん。

マジモンで、徹底的に自分を懐かしがらせるには当時の新聞を片っ端から紐解かなきゃダメか。面倒だなぁ。いや国会図書館に行けば東京版の新聞縮刷版は開架式だけど、アタシが子供の頃に読んでたとおぼしい神戸新聞は(国会図書館であろうが神戸の図書館であろうが)マイクロフィルムなんだよ。
マイクロフィルムって本当、マジで、いやもういい。







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