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やぶにらのコマソン大全 vol2
FirstUPDATE2021.12.25
@Classic #やぶにら大全 #テレビ #1960年代 #1970年代 #1980年代 #1990年代 #2000年代 #大阪 #福岡 全2ページ CM コマソン キダタロー 小林亜星 高橋開発 松崎しげる 和田アキ子 農協牛乳

 まったく続編とかやる気はなかったのですが、やっぱ、どうも<抜け>があるな、といろいろ考えているうちに、下手したら<抜け>のが多いんじゃないかと思い始めましてね。

 てなわけでこのエントリは「やぶにらのコマソン大全」の続きになるんだけど、今思えば正編はちょっとかしこまっているところがあるというか、優等生的な選別になっています。
 そこで今回は、もっと雑多に、あ、そんなの入れるんだ、とか、何だそれは、みたいなのが多めになっています。
 泉麻人の著作で言えば、正編が「B級ニュース図鑑」なら、今回のVol2は「B級ニュースの旅」とお考えください。つまりまとまりでは正編には負けるけど、実はこういう方が面白いんじゃないかと。

 もうひとつ。今回は可能な限り動画を貼り付けました。ま、消されたら消された時のことで。
 そんな感じでスタートです。


◇ 仁丹の歌

 三木鶏郎による「♪ ジンジン仁丹ジンタカタッタタ~」だけど、これ、最近もラジオCMでやってるのね。
 ただしインストゥルメンタル。そりゃあ「♪ 気持ちがおかしくなった時~」って歌詞は今の時代ちょっとマズいわな。


◇ オリエンタルカレー

 えと2018年だったかな、ボヤーッとアキバ近辺を歩いてるとね、♪ 懐かしいィ懐かしィィい~、なんてメロディが聴こえてきてね。ああこれ、聴いたことあるな、けど何だったっけ、と考えたら10秒足らずで「そうそう、オリエンタルカレーの歌だった」と気づいた。
 「オリエンタルカレーの唄」が作られたのは1954年らしいけど、いきなり「懐かしい」というワードから歌詞が始まるってのがすごい。
 「懐かしい」「オリエンタルな調べ」ってことは、たぶんこのコマソンが出来た頃から遡ること30年ちょい前=昭和初期に流行った二村定一の「アラビアの唄」がモチーフになってるんだろうね。
 それにしても、10秒足らずで「オリエンタルカレー!」と気づくなんざ、さすがだねアタシ。立派な昭和博士だよ。そんなこと言われてもちっとも嬉しくないけど。


◇ マーブルチョコレート

 もう「懐かCMと言えばコレ」と言う時代もあったほどの名作ですが、今も販売されているマーブルチョコレートは「カラフルさ」が売りなわけですよ。
 それを、時代が時代だから当たり前だけど、モノクロでやっちゃったのがすごいし、モノクロなのに「何かカラフルそう」と思わせる映像が何よりすごい。
 ま、コマソンとは関係ない話ばかりですが、コマソンの方も、何というか「オシャレチープ」なんですよ。


◇ コカ・コーラ(コッカコーラを飲もうよ・フォー・コインズ)

♪ コッカコーラを飲もうよ
  コッカコーラを冷やしてね
  コッカコーラ コッカコーラ
  みんなで揃ォってコォカコオラ
  スカッとさァわやか コッカコ、オ、ラ~


 素晴らしい。もう、コカコーラを飲んで欲しいシチュエーションが短い歌詞の中に全部入ってる。
 というかひとっつも<味>には触れずにシチュエーションだけに絞るってのが尋常じゃない。


◇ キンチョール(桜井センリ)

 クレージーキャッツの桜井センリが出演したキンチョールのCMは「ルーチョンキ、あらアタシってダメね」のフレーズが有名だけど、これは数々のバージョンを経た後に作られたラテン調のCM。
 たぶんこの年「クレージーメキシコ大作戦」が封切られたのでメキシカンな感じでってことなんだろうけど、桜井センリのメキシカンな合いの手が抜群です。


◇ 気楽に行こうよ(鈴木ヒロミツ)

 これもすごいなぁ。ガソリンのCMなのに表現しているのは<時代の気分>なんですよ。もちろんガソリンの必要性も訴えているんだけど、映像といいコマソンといい、これだけ1970年前後の空気を伝えるものもない。
 あとこのコマソン、歌い出しからタイトルを「のんびり行こうよ」と間違えてる人が多いけど、上記が正しいタイトルです。


◇ ドウトン

 これは関西ローカルのCMで、ま、「くいだおれ」や「千日堂」と同じく「食のデパート」、つまり「どんな料理もある」のが売りの食堂のCMです。
 いや、リアルタイムで聴いててもおかしくないんだけど、まったく記憶がない。「♪ ドォトンへェ行こおォよ 触れ合う何かがあるかァら~」ってユルいけどインパクトがあるからリアルタイムで見てたら記憶が残ってるはずなんだよね。つーことは見てなかったということか。


 一応ここまでが非リアルタイム編。以降がリアルタイム編になります。


◇ かっぱの唄<黄桜>

 もちろん清水崑のアレですが、いくらカッパとは言えヌードっつーか乳首まで描かれていたんですからね。子供からすればドキドキですよ。
 にもかかわらず「♪ カッパッパールンパッパー」と気の抜けたコマソンがバックに流れていたわけで、今思えば実にユーモアがありますな。


◇ 御幸毛織

 これは最初正編の方に入れようと思ってて、何故か抜けてたってパターン。だってこんなインパクトが強いのを外すわけがないもん。
 このCMを見たのは日本テレビ系でやってた「野球教室」っていう日曜日の朝の9時半かなんかからやってた番組だけで、つまり「♪ ミユキィミユキィミィユキミユキ~」と聴くと日曜日の朝の気分になるのです。
 あとすごく気になってたのは御幸毛織のサイトに、おそらく違法アップロードされたこのCMのリンクが貼ってあったのですが、ついに原版が見つかったようで公式(つまり御幸毛織のYouTubeチャンネル)にアップされました。
 そりゃあ令和の今でも御幸毛織と言えばあのCMなわけで、おそらく血眼になって探したんだろうなぁ。でも見つかって本当に良かった。


◇ 樋屋奇應丸(マヒナスターズ)

♪ 赤ちゃん夜泣きで困ったら
  疳虫乳吐き弱ったら


 怖い昔のCMと言えば必ず名前の挙がる樋屋奇應丸ですが、ものすごく冷静になれば映像もコマソンもそこまで恐怖心を煽る要素はないんですよ。
 コマソンに絞ればたしかに<ひんやり>はしたクールな歌唱とアレンジだけど、アーティストは違うのですが「銀色の道」(ダークダックス)の系統で、何も怖くないはずなんだけどね。


◇ 日本海みそ

 正編で「1960年代的ほのぼの」をいくつか紹介したのですが、これは「1970年代的ほのぼの」と言えるもので、でもやっぱりどこか怖さがある。
 作曲は「東の三木鶏郎、西のキダ・タロー」とも言うべき「浪速のモーツァルト」キダ・タローで、ま、実際にはキダ・タローは三木鶏郎と入れ替わるのような形で全国放送のCMもいっぱい手掛けているんだけどね。


◇ ヤング開発

 これは完璧に関西ローカル。こういう不動産というか住宅関係のCMは「ローカルCMの華」と思うわけで、おそらく各ローカルに名作がある気がします。


◇ タカスギ

 これまたローカル住宅系。とにかく「♪ たかすぎィ たかすぎィいいい たかすぎ~」と唸ってるだけのコマソンですがやはりインパクトが強い。
 これはコマソン自体はないのでオミットしましたが亀岡山田木材経営団地の「よいしょ!」ってCM(おそらくKBS京都ローカル)もインパクト絶大でしたね。


◇ イボコロリ

 ロングランCMはいろいろありますが、イボコロリにかんしてはアニメーションといいコマソンといいほとんど変わってないのに微妙にバージョンチェンジをしてるってパターン。
 しいて変わったところと言えばコマソンの最後に「飲むタイプも」というセリフがついたことくらいかな。


◇ グランシャトー

 関西在住の方ならアタシが言わんとすることがわかっていただけると思いますが、正編ではね、ここまでのベタすぎるベタな、つまり「この手のエントリで如何にも取り上げそうな」CMは全部オミットしたのです。
 そうね、関東ローカルで言うなら「愉快なロンドン楽しいロンドン」的というか。
 まァでも、忘れてると思われるのもアレなので、念の為に入れておきました。


◇ 出前一丁(キダ・タロー+大瀧詠一)

 出前一丁のCMは昔からあり、作曲は再びキダ・タローですが、えと、いつくらいからか、たしか1980年代の前半に「大瀧詠一作曲のコマソン→エンディングのみキダ・タロー作曲の「あーらよっ出前一丁ォ~」ってのをサウンドロゴ的に使った」バージョンが登場した。
 つまり「♪ ゴォマァゴォマァゴォマァ~」から「♪ゴッマッのッ健康~」までが大瀧詠一の作、ということになる。
 ま、という珍しいコマソンだよね、というのもあるのですが、このCMに続いて始まるのが「サザエさん」でして、つまり
 「♪ゴッマッのッ健康~あーらよっ出前一丁ォ~」→「サザエでございます!(テケテッ)お魚くわえたドラ猫~」までが完全にワンセットという。
 つまり、大瀧詠一→キダ・タロー→筒美京平の「日曜日の方程式」というか。


◇ 日生のおばちゃん(モクセイの花)

 これ、こんなタイトルだったのね。普通に「日生のおばちゃんの歌」だとばっかり思ってたわ。


◇ 丸大ハンバーグ

 何だかわかったようなわからん映像で、ガリバーをモチーフにしてるのかね。それにしても「何でガリバー?」ってのがよくわからないし、そもそも丸大ハンバーグってデカさが売りじゃないし。
 そんなことを言えばコマソンはもっとわからない。「♪ ハイリハイリウエハイリホー ハイリハイリウエッホッホ~」って、何語?


◇ 丸大ウインナー

 丸大食品からもうひとつ。
 こっちも映像はちょっとイミフだけど歌はわかりやすい。
 ただ何でラッパの歌がウインナーと関係があるのかは不明。


◇ サントリー 夜が来る

 小林亜星の傑作。ま、歌詞ってほどのものはなくてほぼスキャットだから<コマソン>と言い切るのはちょっと無理があるけど、好きだから強引に入れた。
 にしてもアコースティックギターのみの演奏とは思えない深みのある<音>と大人のムードはウイスキーのCMに恐ろしくマッチしていて今聴いても震えがくる。


◇ 小林住宅
 これはちょっと特殊なケースです。
 しかもコマソンというよりは完全なサウンドロゴで、そこまで特徴的なサウンドロゴじゃないんだけど、このサウンドロゴが使われたCMが流れてた中学か高校の頃って藤子・F・不二雄のSF短編にハマってたんですよ。
 個人的に一番キたのが「やすらぎの館」だったんだけど、あの絶妙な嫌さ加減とこのサウンドロゴが奇妙に重なってね。何の共通点もないのに。


◇ 吉野石膏

 「♪ ぼくはタイガー」ってヤツだけど、そこまで古いCMじゃない気がする。記憶があやふやだけど1980年代以降じゃなかったかな。
 とにかくこのCMを見ると「日曜日の甲子園球場の阪神VS巨人戦」を思い出す。


◇ アート引越センター

 「♪ ア、ァトォ、引っ越しィ セン、タァ、へ」ですが、別にコマソンとしてはそこまで印象的じゃないんだけど、歌ってたのがビンちゃんこと楠トシエと並ぶコマソンの女王だった、フー子こと天地総子ってのを最近知ったから、入れた。それだけ。


◇ 日本文化センター

 もちろん「♪ にッほォん文化、せん、たァ~」ってアレですが、↑の動画があまりにも面白かったので突発的に差し込みました。
 たぶん録音は全地域一日でやったんだろうけど、歌ってるおねーさんはゲシュタルト崩壊しなかったんだろうか。
 いやそれよりも、チラッとだけ映る商品があまりにも日本文化センターらしくて面白すぎるんだけど、オバQっぽい「ペットふとん」はなんなんだ。って検索したらコレか。


 てな感じでPage1は終わり。ここまでは、まァ、しいて言えば「子供時代編」と言えるかもしれませんが、ならばPage2は「大人になってから編」になるのか。
 というかこのエントリはある意味Page2が本番とも言えるので、是非是非Page2へレッツラゴン!