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ルックバック2011March
FirstUPDATE2021.11.7
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 さてさて、本題に入る前に、2011年3月初旬の空気感を思い出してもらいたくて当時流行ってた音楽を調べてみたんだけど、うーん、これ、どうすりゃいいんだ。

 というのもね、ろくろく知ってる楽曲がないんですよ。
 少なくとも2011年に入ってから3月10日までの間にリリースされたシングル曲で知ってるのがひとつもない。当時のアタシはよほど<流行りの音楽>に興味がなかったのか、それとも売れた音楽自体がなかったのかわからないけど、知らないんじゃあ、しょうがない。
 で、一応前年、つまり2010年も見たんだけど「まったく興味がないのに当時良く聴いた(=聴こえてきた)楽曲」となると、西野カナの「会いたくて会いたくて」とAKB48の「ヘビーローテーション」が突出しているように思う。
 とくに時代の空気感が出ているのは「ヘビーローテーション」の方ですが、想像でしかないけど、2011年3月の時点では「会いたくて会いたくて」にしろ「ヘビーローテーション」にしろ、まだ街中で普通に流れていたはずです。なのでこのエントリのイメージBGMはこの2曲ってことにする。



 ついでにこの頃放送されていたドラマも調べたので載せておく。

・「大切なことはすべて君が教えてくれた」(フジテレビ・戸田恵梨香主演)

・「CONTROL~犯罪心理捜査~」(フジテレビ・松下奈緒主演)

・「美しい隣人」(フジテレビ・仲間由紀恵主演)

・「美咲ナンバーワン!!」(日本テレビ・香里奈主演)

・「告発~国選弁護人」(テレビ朝日・田村正和主演)

・「外交官 黒田康作」(フジテレビ・織田裕二主演)

・「示談交渉人 ゴタ消し」(日本テレビ・西野亮廣主演)

・「悪党~重犯罪捜査班」(テレビ朝日・高橋克典主演)

・「LADY~最後の犯罪プロファイル~」(TBS・北川景子主演)

・「バーテンダー」(テレビ朝日・相葉雅紀主演)

・「デカワンコ」(日本テレビ・多部未華子主演)

・「冬のサクラ」(TBS・草彅剛主演)

・「スクール!!」(フジテレビ・江口洋介主演)

・「Dr.伊良部一郎」(テレビ朝日・徳重聡主演)

・「相棒 Season9」(テレビ朝日・水谷豊主演)

・「江~姫たちの戦国~」(NHK総合・上野樹里主演)

・「てっぱん」(NHK総合・瀧本美織主演)

 何なんだこれは。
 もちろん、上記の一覧を見て「あったあった!懐かしいなぁ」と思われる方もおられるんだろうけど、アタシはただの一本も見ていない。どれだけ世間と断絶してたんだ。
 上記の一覧にはないけど、この頃唯一見てたドラマが「TAROの塔」(NHK総合・松尾スズキ主演)です。ま、連続ドラマったって全4回、しかも(後述の理由で)2週放送された時点で中断されたしね。


 さらに選挙しまくった年表をば。

1月 ・前年のクリスマスから、児童養護施設に匿名で寄付を行う「タイガーマスク運動」が全国に広がる


1月14日 ・菅直人第2次改造内閣が発足


1月22日 ・宮崎県が、同県宮崎市の養鶏農場で、高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜を確認


1月23日 ・東京都・秋葉原の歩行者天国が約2年7カ月ぶりに再開する


1月26日 ・宮崎、鹿児島県境の霧島山・新燃岳が、189年ぶりにマグマ噴火


1月27日 ・ソニー・コンピュータエンタテインメント (SCE) が携帯型ゲーム機「Next Generation Portable」(仮称・後のPlayStationVita)を発表


2月6日 ・大相撲八百長問題の影響で、大相撲春場所が、本場所としては65年ぶり2度目の中止


2月26日 ・任天堂初の3D携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」発売


3月1日 ・ジャスコとサティが、一部店舗を除き、イオンの名称に統一される


 これもなぁ。鳥インフルエンザとかはたしかに「そんなのあったなぁ」と思うし(ま、それから何度か起こってるからかなり記憶がゴッチャになってるけど)、「タイガーマスク運動」と「大相撲の八百長問題」は、だいぶ時間が経ってからですが文章にしたことがあります。
 ま、何にしろ、こんな時代だったんです。だったんですと言われても困るだろうけど、アタシだって困ってしまう。
 ただね、仮に「あの日」があろうがなかろうが、「あの日」以前の時点ですでに時代の空気は相当重苦しかった。当然Page1に書いたようにアタシ個人が重篤な閉塞感を抱えていたってのもあるんだけど、2011年2月22日にイギリスから帰国した時、まず感じたのが「やっぱ、日本、重いな」でした。それははっきり憶えている。それもイギリスが軽すぎただけかもしれないけどね。

 正確な日付はまったく憶えてないのですが、日本に帰国して一週間もしないうちに、突然、降って湧いたような話が持ち上がった。それが

3月12日から一週間、アタシに選択権がないレベルで
絶対にロンドンに再び行かなくてはならない


 という。これ、事情は書けないし、いやアタシ個人のことならいいんだけど(つかマズいところはテキトーにボカして書きゃいいんだし)、他人さんが関わっていることなので「何故、帰国してすぐに、またロンドンに行く事態になったのか」、つまり理由は書けません。
 とにかくそういうことになった。こんなことなら帰国しなきゃ良かったって話だけど、それは帰国するまでわからなかったからねぇ。
 ロンドンに出発するのは、正確には3月12日の早朝の便。どう考えても始発では間に合わないので、前日の終電で羽田空港に行っておくしかない。つまり3月11日中に旅支度を終えてなきゃいけなかったわけです。
 ま、さすがに多少は心の余裕はあった。何しろ<ついこないだ>行ったばかりで、もう迷うようなことはないだろうし、アタシの中学英語ならぬ小学英語でさえ何とかなるってのもわかったし。

 それでも旅支度は面倒くさい。出発前日の昼過ぎからやろう、と思ってたんだけど、ダラダラしているうちに14時半になった。ああ、さすがにそろそろやらないとダメだな。ブツクサ独り言を言いながら、アタシは荷物をスーツケースに詰め込みはじめました。その時です。

ズゥーンッ!!!

 もう、この表現しか思いつかない。グラグラッではなく、一発目は間違いなくズゥーンッ!!!だった。まるで飛行機でエアポケットに入った時みたいな感じ、というか。
 そして、次に来たのはグワァァァァァアン!グワァァァァァアン!で、テレビは倒れ、トースターは床に落ちた。
 ちなみに当時、アタシが居住していたのは横浜です。だから被害はせいぜい<その程度>だったんだけど、その時はわからない。というか当たり前だけど、この時点では震源地も震度もわかっていなかった。
 倒れたテレビを起こして、電源を入れた。しばらくすると震源地は東北沖だというのがアナウンスされだした。
 さらに東北の太平洋側で、津波による被害がとんでもないレベルだ、というのも、だんだんあきらかになってきた。
 まさに、この世の終わりを見せられているんじゃないかって気分になってきたのです。

これ、どうすりゃいいんだよ

マジで日本が壊滅レベルなんだよ

つかアタシは今日から、正確には明日からだけど

ロンドンに行くんだよ

いやそもそも、旅行なんか行ってる場合か?

いくらのっぴきならない事情とは言え

こんな事態になったんだから

さすがに「行かない」って選択肢はアリだよな?



 アタシはすぐに旅行会社に電話した。
 すると「今回は事情が事情なので無料でキャンセル出来ます」ってことだった。
 そうか、キャンセル出来るのか・・・。
 ただ・・・時間が経つ毎に冷静になってきた。
 仮に、アタシが行かなかったとして、いったい何になるんだ。別段何かが出来るわけではない。たぶん明日くらいから食料の調達も困難になるだろう。ならば、むしろ行くべきなんじゃないか?たったひとり分かもしれないけど、アタシの分の食料が他の人に回るかもしれない・・・。

 よし、行こう!旅気分なんか完全にゼロだけど、日本がこんなことになってる時に海外に行くってのも、おそらく一生に一回の経験だ。んで、海外でこの震災がどのように報じられているか、この目に焼き付けよう。
 アタシは終電で羽田空港に向かった。もちろんその間、片時もiPhoneを手放さなかった。ずっとニュースを、そして2ちゃんねるを見ていたのです。

 実際、ロンドンで、どうこの震災が報じられていたかは後述しますが、その前に、ロンドンに着いて2日後の3月14日に、ホテルで書いたブログを転載しておきます。
 ただし、公開して1時間も経たないうちに非公開にした。あまりにも怒りがストレートに出てるからで、こういうのは表に出しちゃいけないな、と思い直したのです。
 エントリタイトルは「ホンネ」です。震災にまつわるホンネではなく、ま、震災という事態を迎えた時勢のSNSにたいするホンネ、というか。

いや、ホントにまったく、どうなってんのこりゃ。
デマについて書こうかと思うのですが、救いのないようが気がしてね。

デマというと面白半分みたいなイメージがあるのですが、どうも今回はそうじゃないぞとね。
面白半分じゃない、つまり本気なのですな。問題は何に対して本気かという部分でして。
「もうすぐ未曾有の大惨事が起こるから気をつけろ」
これなら全然いいんです。ホントはよかないけど、救いがある。
そうじゃなくて大半が「お前らそんなことも知らないのか」的なのばっかりなのが問題なんです。
お前ら何か、この事態にまだ自分の虚栄心のためにそんなことやってんのか、他人を貶めて上から目線になりたいのか。
幼稚すぎる。あまりにも幼稚すぎる。

それから娯楽禁止しろとかいってる奴、馬鹿じゃないの?
そりゃアタシもパチンコとかあんまり好きじゃないけど、あのな、人間てのはそんなに強くないんだよ。だから娯楽が必要なんだよ。
極端にいえば幸福に満たされている時、娯楽なんか必要ないんだよ。本当に辛い時こそ娯楽が必要なんだよ。
だからこの事態でパチンコに行きたくなる人の気持ちは痛いほどよくわかるんです。
戦争中だってそうで、太平洋戦争末期、禁止されてた娯楽性の高い映画や舞台が黙認という形で復活したんですよ。何故だかわかりますか?
自主的だろうが他動であろうが、縛るだけ縛っても荒む一方なんです。精神がボロボロになるだけ。だから解放してやらないといけない。
だから、そのために娯楽というものがあるんです。

今回のことでつくづく思ったこと。
自分だけ賢いと思って他人を馬鹿にしたり、正義感ぶってその実自分が嫌いなものを排除しようとしたり、そんなお利口さんにだけはなりたくない。
だってどうせ最後は死ぬんだもん。お利口さんにならずに死ねるなら、それはそれで十分な気がするのです。


 とにかく怒りにまかせて書いたので、ところどころメチャクチャな文章になってますが、あまりに生々しい感情が露呈しているので、あえて原文のまま転載しました。
 正直言って、今これを読むと非常に恥ずかしい。
 文章がメチャクチャだとかは別にいいんだけど、デマを撒き散らしてる人だって日本で、いわば大変な最中を彷徨ってる人なんですよ。
 一方、アタシはというと、日本から遠く離れた国にいる。ま、絶対安全圏にいて、絶対安全圏から文句を言ってるってことになる。
 情けないわ。当時の自分が。お前がこんなこと言う権利がどこにあるんだよ、と叱り飛ばしてやりたくなる。

 ま、それはさておき、ロンドンで「日本の扱い」がどんな感じだったか、Page3でたっぷり書いていきます。