2017年テレビ総まくり
FirstUPDATE2017.12.12
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てなわけで令和から横入りさせてもらいますが、このエントリも<例外>に相当します。

あくまで「Scribbleに連作はいれない」ってのが基本ラインなんだけど、これほど時代が表出したエントリもないわけで、さすがに外すわけにはいかない、ということで全5回のエントリを結合します。
何しろ全5回分です。長いです。Yabunira用のエントリよりも長くなる場合もあるわけで、正直、ほんとにいいのか、という気持ちもあるんだけど、良いってことにしてください。
それではどうぞ!

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何で今までやったことなかったんだ?と自分でも不思議なんだけど、そろそろ年の瀬も近いということで、今年放送されたテレビ番組の総まくりをやりたいと思います。

言うまでもありませんが、あくまで「アタシが見た」っていう縛り付きです。見てないものは書けないし、当然かなり偏ったラインナップになります。
ここまで偏って、よくもまあ「総まくり」なんて大きく出られたな、と思われるかもしれませんが、気にしない気にしない。
今回「プロローグ」なるものを書こうと思ったのは、この連作エントリにはかなり「前提」が必要で、前提がわかってもらえないと全部通して何だそれ、となってしまうんじゃないかと思ったから。

ここから書くことは昔書いたこととかなり重複しますがご了承ください。
アタシが一番テレビというものを熱心に見ていたのは、おそらく高校生の頃だと思います。
もちろん子供の頃も一所懸命見てたけど、見れる時間も時間帯も限られているわけで、長時間、昼夜問わずテレビにかじりついていたのは、やはり高校時代ということになってしまう。
仮に高校生のアタシのテレビ熱中度を100とします。

これが大学に入って一気に落ちた。たぶん10くらいになったんじゃないか。
それ以降の流浪期は、まァ50くらいですかね。そこまで熱心に見てるわけじゃないけど、とりあえずはテレビのスイッチをオンにしてるっていう。まだギリギリネットのない時代だったからさ。
これが2001年にサラリーマンになると、またしても急降下した。テレビなんか見ていられないような忙しい会社だったからなんだけど、良くて5くらい。つまり大学時代よりもさらにテレビを見る時間が減ったわけで。

サラリーマンを辞めた後、ちょうどサイトをはじめた2004年頃は暇だったので、それなりにテレビを見ていた。ブログのネタ探しっていう口実もあったし、たぶん70くらいに持ち直したと思う。
ところがこれも2007年くらいに終わる。というのもここからしばらく「テレビのない生活」に突入したからです。指数でいうと10くらいか。

テレビそのものはないけど、パソコンでテレビ放送は見ることは出来たのですが、たいして見ない。せいぜい野球くらい。あとごく限られたドラマやバラエティ番組を見るくらいになってしまいました。
その後、2011年にテレビを購入して、ほんの少しだけ見る時間は増えた。けどほんの少しだけ。10が15になった程度。
以降、現在に至るまで、せいぜい15~20の間をさまよっていると言えます。
中学生までが80だとするなら、80→100→10→50→5→70→10→15~20、という変遷になりますか。

ま、それを思えば今年(現注・2017年)はわりとテレビを見た方です。
といってもリアルタイムで見るなんて野球くらいで(それとて今年はスポナビライブに取って代わったから、もはや「テレビ」とは言いづらいんだけど)、録画したものを含めたらそれなりの時間を見ている。計7本も連ドラを見たってのも久しぶりだし。
ドキュメンタリー番組も、まァ主にBSでやってるヤツですが、今年はマメに見るようにした。後から「え?そんなドキュメンタリー番組があったんだ!?」と気づいて悔しい思いをしたから。

一方バラエティ番組はと言うと、あいも変わらず悲しいほど見ていない。アタシが録画までして見ているバラエティ(むしろ録画せずに毎週かかさず見ているバラエティは一本もないけど)は「タモリ倶楽部」と「笑う洋楽展」と「モヤモヤさまぁ~ず2」くらい。たま~に「水曜日のダウンタウン」とか「みなさんのおかげ」も見るけど、ホント、気が向いた時だけ。
2006年くらいまではあれだけ熱心に笑いのこと、バラエティ番組のことをサイトに書いていたのにね。人間は変わるということですよ。何だそれ。

つまりほとんどの番組は録画で見ているわけで、録画して見る=CMはすっ飛ばしているっつーことになる。
だからCMにもまったく明るくない。CMなんてテレビの象徴なのに、それもぜんぜん知らない。
早い話が、とてもじゃないけど「総まくり」なんて出来るような人間じゃないのですよアタシは。
それでも、番組から膨らませてエントリを書こうとは思わないまでも、ジャンル分けしてね、バラエティならバラエティ、ドラマならドラマ、みたいにジャンルごとに書いていくっていうスタイルなら、ま、何とかやれそうだな、と。

あ、カサ増しするために、毎週見ているバラエティ番組(「タモリ倶楽部」、「笑う洋楽展」、「モヤモヤさまぁ~ず2」)のこともこの際書いていきます。
ただし当ブログですでに書いたドラマ3本(「べっぴんさん」、「ひよっこ」、「植木等とのぼせもん」)とドキュメンタリー番組1本(「衝撃スクープSP 30年目の真実~東京・埼玉連続幼女誘拐殺人犯 宮崎勤の肉声~」)は基本割愛します。ま、軽く触れる予定ですが。

そんな感じです。まとまりのない内容になるのは目に見えているけど、歳末特別企画ということでご勘弁を。

□ バラエティ番組編
今回は最初ということで、一番手っ取り早そうなバラエティ番組編からスタートします。
しかし昨日のプロローグでも書いたように、アタシはほとんどバラエティ番組を見ていない。だからこそ数が少なくて書きやすいって寸法なんだけど。
まずは定期的にっつーか毎週見ている番組から。


◇ タモリ倶楽部(テレビ朝日系)
いったい何年見ているんだろ。飛び飛びで見てた頃まで含めると、軽く30年は見ているってことになるのか。
何しろ初期の「愛のさざなみ」っつー微エロミニドラマをやってたのを憶えているくらいだからね。「ヨシカズさん!(←だったよな、カズヨシさんじゃなかったような記憶が)」「ナミコさん!」とか、本当に懐い。懐かシネマくらい懐い。
ま、あくまで今年、つまり2017年のテレビを振り返る趣旨なので懐かし話は横に置いといて、今年も快調でした。さいきん予告が付き出したのは謎だけど。

そういやアタシが懇意にしている方の店がタモリ倶楽部のロケに使われたらしく、その時の裏話をいろいろ聞かせてもらったんだけど、ま、何も書きません。
完全に営業妨害(店の、じゃなくて番組のね)になるから。別に悪い話じゃないんだけど、逆の意味でイメージダウンになると思うし。
ただ裏話を聞いてから、ほんの少しだけ番組を見る目が変わった。ま、タモリっていう人の性格を考えたらそりゃそうだろうな、とは思うんだけど、その分余計「安斎肇って本当にすごいや」とも思ったわけでして。


◇ 笑う洋楽展(NHKBS1)
これは今年じゃなかったと思うけど前にちょろっと書いたので割愛。しかしこれも安斎肇か。


◇ モヤモヤさまぁ~ず2(テレビ東京系)
アタシは前にも書いたように、前任のアシスタントだった狩野アナが好きだったんで、交代はショックだった。ま、めでたい話だからいいんだけど。
今の福田アナはアナウンサー喋りではなくてタレント喋りなのが一番の問題でね。
大江アナの時やこないだスペシャルでやった大橋アナはもちろん、<雑>極まりが売りだった狩野アナでさえ、ちゃんとアナウンサー喋りだったのにね。
基本ダラダラしてる番組なんで、パシッと締めるとこは締めないと全体のトーンがユルくなりすぎるっつーか。
あと狩野アナの時のようにさまぁ~ずの力ではなく、アシスタントの力で面白くなる場面がほとんどないっていうのも今後の課題でしょうな。


一応完全に毎週見ているのはこの3番組のみ。以降は見たり見なかったり、みたいな番組です。


◇ スクール革命!(日本テレビ系)
これたしか全国ネットじゃないんだよね。関東ローカル。あとは地方局への販売用って感じなのか。
関東ローカルで日曜の昼に放送されているわりには出演陣がかなり豪華で、内村光良が司会で、オードリー、ザキヤマ、Hey!Say!JUMPがレギュラー。あと橋本環奈とか渡辺直美とかの女性陣が週替わりで、ゲストも毎週それなりのランクの芸人が出てくるっつー。
とにかくこの番組はザキヤマの能力が光る。おそらくザキヤマの良さが一番発揮されてる番組だと思う。ボケもなんだけど、真面目にやる時は博識ぶりが目を見張るんですよ。


◇ 水曜日のダウンタウン(TBS系)
意識的に悪辣にしてあるけど、これが意外とダウンタウンと相性がいい。今では「ワイドナショー」でもやってる松本の「ボケながらフォローする」というスタイルが確立されたのはこの番組からだろうし。
個人的には小峠ですかね。この番組が一番小峠の使い方が上手い。これは去年になるけど小峠死刑のヤツは死ぬほど笑いました。


◇ とんねるずのみなさんのおかげでした(フジテレビ系)
正直に言えば、さいきんほとんど見ていない。見たらそこそこ面白いのはわかってるんだけど、木曜日ってのがね。タイミングが悪い。
前にスペシャルのことを書いたけど、まだ凡百のバラエティよりはぜんぜんマシなんですよ。少なくともネットで罵倒されるほどつまらないわけじゃない。ただ今の若い人とは合わないだろうな、とも思うから、まァ終了も止む無しなんでしょうな。
終了告知のダーイシとミナトのコントも面白かったのに叩かれてたし。あれを内輪ウケで切り捨てられちゃ、もう終わる方がいいのかね、とすら思う。


◇ サラメシ(NHK総合)
これは中井貴一についての時に書いたか。っつってもこれもそこまでマメに見てるわけじゃないけどさ。
というかこれってバラエティなのか?間違ってもドキュメンタリーではないし、バラエティにカテゴライズするしかないんだけどね。
ま、徹底的に気楽に見る番組です。下手したらモヤさまよりも気楽な番組。


◇ ニノさん(日本テレビ系)
先の「スクール革命!」の後にやってるんで、そのまま見ることがたまにあるんだけど、ごく稀に面白い企画をやってる時がある。
当たり前かもしれないけど、小峠とかロバートが出てくる企画は当たりが多いような気がする。ついこないだやった小峠に新しいあだ名をつけるってのもかなり笑いましたし。
たまにバイきんぐとしてコンビで出てきて、西村がフツーに扱われるっていう珍しい番組でもあります。


◇ 月曜から夜ふかし(日本テレビ系)
いっとき毎週見てたんだけど、どうも生活のリズムが変わってたまにしか見なくなってしまった。だからアタシの印象はイルマニアで止まっています。


◇ マツコの知らない世界(TBS系)
もうひとつマツコの番組を。
いつも不思議なんだけど、食べ物系の時は面白くて、それ以外だとどうも弾けないんですよね。あれ、何でなんだろ。つか基本的にマツコは食わせなきゃダメなんですよ。


こんなもんかなぁ。こうして読んでもらえるとわかる通り、たとえば「イッテQ」とか「鉄腕DASH」とか、いわばメジャーどころをほとんど見てませんな。
つかずっとそうなんですけどね。別にメジャーを毛嫌いしてるんじゃなくて、自分の好みに準じたもの「だけ」を選んで見たらこうなるという。


□ ドラマ編
今年見た連続ドラマは全部で7本。プロローグでも書いたように、これでも今年はかなり多い方です。しかも朝ドラが2本含まれているので、総視聴時間は近年でも抜きん出ているという。
ま、うち一本は2016年から続いてたヤツだけどね。
それではドドっと参ります。


◇ べっぴんさん(NHK総合他、2016年より継続)
メチャクチャ面白かったか、と言われると違うのは百も承知していますが、それでも最近の朝ドラの中ではかなりの秀作だったと思うんですよ。そこの意見は変えない。だからこそ続いて「ひよっこ」を見ようと思ったんだから。
ま、このドラマについては何度か書いてるのでこの辺で。


◇ ひよっこ(NHK総合他)
AK(東京放送局制作)の朝ドラは「あまちゃん」以来で、出演者も一部(有村架純、宮本信子)がカブっている。スタッフも一部共通する。
そのせいだけではないんだろうけど、どうも「あまちゃん」のニュアンスがあったというか、見てて何度も「あまちゃん」を思い出した。
しかし空前絶後の傑作「あまちゃん」と比べるとやっぱり、ね。理由は何度も書いたので割愛。


◇ 孤独のグルメ Season6(テレビ東京系)
あいも変わらず、ド安定の面白さ。つかシリーズを重ねる毎に「だんだんつまらなくなってきている」とのたまる輩がネット界隈にいるけど、良くも悪くも何も変わっていない。構成は微妙に変えているけど、面白さの勘所はまるで一緒です。その辺は本当にすごい。
しかし特番でやった製作風景はすごかったな。あのモノローグ、てっきり録音スタジオかなんかで収録してると思ってたら、何と旅館かなんかの一室で、浴衣かなんかを着てのんべんだらりと録ってたのね。
けど、あれくらいリラックスした感じで収録しないと、あの絶妙にクダけたモノローグにはならないわな。


◇ 悦ちゃん(NHK総合)
原作はご存知獅子文六の名作なんだけど、時代背景も昭和10年前後のまま、それを「ポップな戦前モダニズム」として描こうとしたスタッフにまず感服します。そうなんですよ、アタシはこの時代をこんなふうに描いて欲しかったんです。
アレンジ具合も見事で、原作で徹頭徹尾嫌なヤツだった敵役を「愛嬌のある、憎めない」キャラクターに変更していたのもお見事。いやむしろ、ああしないと主人公のダメっぷりとお人好しさが出ないと思うから。そういう意味では原作を越えています。

主役を演じたユースケサンタマリアも良かったね。ああいう、しみったれたダメ男なんだけど、実は知的で、女性がほっとけなくなる色気もある、という全盛期の森繁久彌がやればピッタリハマるような役を見事に演じきっていました。

しかしそう考えると、何故森繁久彌主演で「悦ちゃん」を映画化しなかったんだろ。もちろん昭和30年代にね。傑作になったかどうかはともかく、獅子文六という絶対安心ブランドなんだし。
となると悦ちゃん役は当時なら松島トモ子あたりか。つか当時本当に松島トモ子でやってんのね。主役はモリシゲじゃないし、テレビドラマだけど。
けど、松島トモ子じゃなぁ。NHK版を見てしまうとね。それくらい平尾菜々花が良かった。子役特有の悪辣さが絶妙なラインで抑えられてたからね。


◇ 植木等とのぼせもん(NHK総合)
何かNHKばっかりだな。まァいいや。
これもわりと長々書いたから短文で済ますけど、後から調べたら谷啓役で出ていた浜野謙太とアタシがうっすいうっすい繋がりがあるのがわかった。ああ、なるほどと。
しかしあれだけ、やれ植木等だ、やれクレージーだと言ってるんだから、何かの役で星野源も出してやれば良かったのに。ま、ギャラ的に無理か。


◇ ユニバーサル広告社(テレビ東京系)
「ひよっこ」のキャストを何人か集結させて、しかも脚本も「ひよっこ」と同じ岡田惠和。だからスピンオフみたいにも言われたけど、こっちは原作付きで、全7回とコンパクトにまとまった良作でした。
しかしさ、「ひよっこ」はえらく終盤長く感じたけど、こっちは「え?ウソ、もう終わり?」ってくらいあっさりしすぎていて。全7回ってのはさすがに短かすぎるよ。
あとこの人も「ひよっこ」からの続投だけど、和久井映見はどんどん可愛くなるな。もう結構な年齢のはずだけど、歳を取る毎に可愛くなるのも珍しい。若い頃も可愛かったけど、完全に見た目だけ。でも今は立ち振る舞いすべてが可愛いもんな。すごいわ。


◇ 監獄のお姫さま(TBS系)
お、やっとNHKとテレ東以外から。ってこれまだ終わってないから現時点の感想になりますが。
アタシはね、今作はクドカンの良さが相当出てると思うのですよ。「あまちゃん」の時も書いたけど、クドカンの真骨頂は「綿密な取材をして、それをエンターテイメントの枠で描き切る」ことだと思っているのですが、これもちゃんとそうなっている。

綿密に取材することの意義を誤解されそうだけど、リアルに描くためじゃないんです。あくまで土台。しかしキチンと取材したからそこから発想を広げられたってことが絶対あるから。
「監獄のお姫さま」も綿密な取材から得られた発想をさらに広げてあるんだけど、やっぱりクドカンドラマは作品の質と視聴率が結びつかないね。もうこれは宿命だわ。アタシは面白いと思うんだけどさ。(現注・「監獄のお姫さま」を最後まで見た上での感想はココにあります)


<オマケ>
◇ Home Sweet Tokyo(NHK総合)
ドラマっつーかミニドラマっつーか、Eテレでやってる英語教育番組のドラマパートの長尺版みたいなもんなんで(しかも1話15分でたった全4話)、取り上げるかどうか迷ったんだけどね。しかもこれもまだ半分しか放送してないしさ。
元はNHKワールド向けに作られたもので、つまりは日本人ではなく外国人に見せる用だったようです。

しかし日本人キャストに木村佳乃や渡辺哲を起用し、演出は「あまちゃん」などを手がけた吉田照幸が担当、という相当力が入ったものになっています。
吉田照幸演出のおかげかギャグのキレもあり、とくに木村佳乃がすごい。ほぼ全編英語のセリフも難なくコナしています。
「ひよっこ」でも木村佳乃はキレキレだったし、アタシは見てないけど「イッテQ」でもすごいみたいだし、この人本当にたいしたものだわ。


□ ドキュメンタリー番組編
ドキュメンタリー番組といえば基本スペシャル、つまり一回こっきりなんだけど、一部はそうじゃないのもあるのでそっちから。


◇ ドキュメント72時間(NHK総合)
回によって出来がマチマチなんで見たり見なかったりなんだけど、印象深いのは葬儀屋の回。この回であきらかに惚けてしまった老人が出てきて、何度も何度も亡くなった奥さんを訪ねるんですよね。あれはすごかったなぁ。とても感情が揺さぶられました。


◇ ファミリーヒストリー(NHK総合)
これ、一度終わって残念に思ってたら、秋から再開してて。おかげで再開して最初の方は見逃してしまったわ。
全部見たわけじゃないのでアレですが、中畑清の回は面白かったね。しかし何だ大学時代の中畑清。つかあのメガネ。つかグラサン。
番組では紹介されてなかったけど、視力が悪くなったからメガネをかけろ→メガネにしたら弱々しい感じになってしまう→なら相手を威圧するためにグラサンにしてやれ!って流れだったみたいです。
けど大学野球であんなグラサン男が出てきたらビビるよなぁ。まだ1970年代の話ですからね。


これらのドキュメンタリー番組はテーマやトーンが統一されたレギュラー番組ですが、一応「枠」としてのタイトルはあるけど、レギュラー番組として見続けるって感じではない、しかも2時間番組、みたいな枠があったりします。とくにBSで。
まァ1時間番組も含みますが、「ドキュメント72時間」や「ファミリーヒストリー」ほどカッチリしたコンセプトのない番組はスペシャル番組と見做すことにします。
しかしそれにしても数が多すぎる。しょうがないのでタイトルだけ列挙しようかと。

・NHKスペシャル「戦後ゼロ年 東京ブラックホール 1945-1946」(NHK総合)
・NHKスペシャル「戦慄の記録 インパール」(NHK総合)
・NHKスペシャル「本土空襲 全記録」(NHK総合)
・あの日 あのとき あの番組 シリーズ ニッポンのパイオニア 第2回「黒澤明」(NHK総合)
・ドキュランドへようこそ!「喜劇王対決 チャップリンVSキートン」(NHK Eテレ)
・衝撃スクープSP 30年目の真実 ~東京・埼玉連続幼女誘拐殺人犯・宮崎勤の肉声~(フジテレビ系)

・なぜ日本は焼き尽くされたのか~米空軍幹部が語った“真相”~(NHK BS1)
・幻の原爆ドーム ナガサキ 戦後13年目の選択(NHK BS1)
・たけし誕生~オイラの師匠と浅草~(NHK BSプレミアム)
・たけしのこれがホントのニッポン芸能史「喜劇」(NHK BSプレミアム)
・アナザーストーリーズ 運命の分岐点「手塚治虫 ブラック・ジャックからの伝言」(NHK BSプレミアム)
・ドキュメンタリードラマ「華族 最後の戦い」(NHK BSプレミアム)
・ザ・ドキュメンタリー「赤塚不二夫を作った4人の女たち」(BS朝日)
・ザ・ドキュメンタリー「黒澤明と三船敏郎~発見!!未公開音声が語る2人の真実~」(BS朝日)
・ザ・ドキュメンタリー「昭和歌謡の父 服部良一~音楽家4代の系譜~」(BS朝日)
・昭和偉人伝「小林一三」(BS朝日)
・昭和偉人伝「かまやつひろし」(BS朝日)
・完全燃焼60曲!ザ・ピーナッツSP(BS-TBS)
・武田鉄矢の昭和は輝いていたSP「爆笑!ハナ肇とクレージーキャッツ特集」(BSジャパン)
・武田鉄矢の昭和は輝いていた「男装の麗人・水の江瀧子特集」(BSジャパン)
・武田鉄矢の昭和は輝いていたSP「大衆音楽を世に広めた偉人と詩人 古関裕而・西条八十)(BSジャパン)
・あのスターにもう一度逢いたい「ハナ肇とクレージーキャッツ・スーダラ節」(BSイレブン)
・あのスターにもう一度逢いたい「笠置シヅ子」(BSイレブン)

見たって判明しているのがこれだけって話で、たぶん実際はもうちょっとあるはずです。年末にかけてまだ増えそうだし。
ま、これらすべてについて書いていったら夜が明ける。んで信じられないくらい長文になって誰も読んでくれない。良いことが何もない。
しかもドキュメンタリーだけあって、やはり「重い」ものが多い。とくに戦争絡みのヤツとか下手なことは言えないしさ。

だからこそ、あえてどーでもいい話を書きたいのですが、この中で比較的最近見た「赤塚不二夫を作った4人の女たち」に武居記者が出てきたのは嬉しかったな。
武居記者?そう、「レッツラゴン」で赤塚不二夫と死闘を繰り広げた、あの武居記者。何だか今の方が「レッツラゴン」の武居記者に近いような感じがするっつーか、もし赤塚不二夫が生きてたら「お前、漫画に寄せてきたな」って言いそうな感じっつーか。

って説明しなさすぎが酷いので軽く説明を加えると、武居記者ってのは少年サンデーの赤塚不二夫担当記者です。他にも少年マガジンの五十嵐記者が出てきたのも嬉しかったね。
あと「手塚治虫 ブラック・ジャックからの伝言」で「ブラック・ジャック」の初代担当者だった少年チャンピオンの岡本記者も出てきてて、何となく「こういう喋り方なんじゃないか」っていうアタシが想像した通りすぎて笑ってしまいました。文字で読んだインタビューまんま、というか。

アタシは実はドキュメンタリー番組のお値打ちはそこだと思っているんです。
歴史的事実を知りたいだけであれば、書籍で十分なのです。つか書籍の方が圧倒的に深く掘り下げることが出来る。だからドキュメンタリー番組を見ても「知ってる」話ばっかり、なんてことも珍しくない。
しかしそれを、普段テレビに登場しないような、さっき書いたような漫画雑誌の編集者が出てきて、自ら当時のエピソードを語る。たしかにどこかで読んだ話と同じだし、別に新事実が明らかになるわけじゃあ、ないんだけど、それでもご本人の口から語られると、実際の場面を浮かべやすくなるわけでね。

武居記者はこんな感じの喋り方なんだ、とわかると、赤塚不二夫の喋り方はもちろんわかっているので、実際どんなふうなやりとりだったのか、空想出来るっつー。
ただね、ゲストは該当ページに行けば書いてあるけど、証言をしてくれる関係者(いわゆるVTR出演)は誰が出るかとか書いてないんですよ。つまり「武居記者や五十嵐記者がVTR出演でコメントするよ!」なんてわからない。となると実際に見てチェックするしかない。

だから今年からなるべく、ちょっとでも琴線に触れるものは片っ端から録画してチェックするようにした。しかし琴線に触れる時点で結局最後まで見てしまうわけで、えらく本数が増えてしまった、みたいな話でして。


□ 72時間ホンネテレビ編
最後はちょっと変則なものを。

そういや再来年の5月1日付で新元号に変わる、らしいですな。つまり平成もあとちょっとで終わりっつーことですか。
いやこれは心底ホッとしてる。何ていうか、あまりにも平成は良いことがなさすぎたから。完全に理由はそれだけですが。

ちょうど平成の中間くらいの時期にこの歌(現注・「世界に一つだけの花」)が流行ったってのは、かなり象徴的なことだと思うんです。昭和という時代が「ナンバーワンを目指す」時代とするなら、平成は「オンリーワンで良い」という時代だった。(中略)時代の境目といえるこの年(現注・2016年)の象徴からSMAP解散を抜くのはおかしい、と思うのは、この歌を歌ったのが他でもないSMAPだからです。おかしなことを書くようですが、SMAPは自らの解散によって、やっぱオンリーワンでいいってのは間違いだったわ、と言ってるような気すらする(2016年9月20日更新「再び、オンリーワンからナンバーワンへ」


下手くそな文章なのでわかりづらいですが、この時アタシが言いたかったのは「SMAPは解散することによって、それが結果的に自己否定になったんじゃないか」みたいなことだったんです。ま、自己否定というよりは自己批判の方が正確か。
非常に残念なことに、良いことが極めて少なく、悪いことは盛りだくさんだった平成という時代で象徴となった芸能人はSMAPなんです。もちろんSMAPが悪いわけじゃない。たまたま悪い時代に活躍しただけの話です。それを言うならアタシが敬愛する植木等はたまたま良い時代に活躍できたってことにもなるんだけど。

これは言うまでもないけど、コジツケです。しかし平成になる寸前にデビューしたSMAP、平成の中盤に「世界に一つだけの花」を大ヒットさせたSMAP、平成が終わる間際に解散したSMAP。まさにSMAPは平成という時代とともに生き、平成とともに終わりを告げた。
これらは偶然であろうが事実には違いない。だけれども逆に考えるなら、SMAPが解散した=平成が終わる=新しい時代が始まる可能性は大いにある、くらいは言えるとは思うんですね。

アタシは何度もしつこく「今の時代は本当に良くない」と書いてきた。ジジイの繰り言みたいで嫌なんだけど、活気のない世の中が良いとは思えなくて。
何とか変わらないものか、東京オリンピックが決まって変わるんじゃないかという期待はあっさり裏切られたし、もうこれはちょっとやそっとでは変わらないぞ、と諦めに似た心境しか持てなかったんです。もっと言うなら絶望、か。
ところが意外というか、よくよく考えたら妥当、いやもう当然とも言える人たちが、新しい時代を予感させてくれた。
それは平成の象徴であったSMAPから枝分かれした3人です。

11月3日から5日にかけて「稲垣・草なぎ・香取3人でインターネットはじめます「72時間ホンネテレビ」」がAbemaTVで放送されました。あ、言うまでもないかもしれないけど、AbemaTVってのはネットのストリーミング放送ね。
もちろん全部見たわけじゃないけど(そりゃ72時間も見続けられるわけない)、正直な感想を言えば、もう心の底から圧倒された。つか、何かが動き始めたと感じたんです。それは単に「元SMAPとしてこれからもやっていけるのか」みたいなスケールの小さい話じゃなくて、芸能界ってもんを根本から変える、いや日本の空気が「あの日を境に変わったよね」と言われる番組になっていたような気がしたわけで。

とにかく、もうはっきり言えるのは、この3人の力量です。けして笑えるとかじゃないんですよ。笑わそうとしてない時も多いし、普通のっつーかマジメな話もいっぱいあった。
だけれども、この3人がいるだけで「場」が保つんです。必死になって見る番組じゃないけど、ずっと見てても飽きない。
一番すごかったのは、ラストのライブです。
ま、いっちゃナンですが、歌唱はあんなもんです。口が裂けても上手いなんて言えない。ところが上手くもない歌なのに「場」が保つ。それは彼らがミュージシャンではなく「タレント」としての力量っつーかパワーがズバ抜けている証拠なんですよ。

アタシは何度も「上手い」なんて褒め言葉にすらならない、と書いてきました。歌唱力であれ演技力であれ、何でもそうです。上手いか下手かなんて人を惹きつけるための手段でしかない。
逆にいえば下手でも人を惹きつけるられるのであれば何の問題もない。上手くても人を惹きつけられない人は何の価値もないも同然です。つかそんな人は土俵にすら上がっていないわけで。
手段を過大評価しちゃいけない。とくにこういう芸事において大事なのは結果です。いや結果がすべてです。そして彼ら3人は完璧とも言える結果を出した。そのことに何の文句があるんだって話で。

狭義に芸事としましたが、実は「テレビ」も「日本の空気」も同じです。
AbemaTVなんかもそうで、上記の番組も結局出資元でもあるテレ朝のスタッフはほとんど参加せず、AbemaTVのスタッフだけで作ったそうだけど、いろいろ未熟だったことは否めない。
だけれども、あの3人の、いわば力技のおかげで粗くて未熟な番組が、粗くて未熟「だからこそ」よりパワフルなものになった。

技術とか巧拙とか、ぶっちゃけ言えば「くだらないこと」を言ってる場合じゃないですよ。一番必要なのは「パワー」です。不出来なものでもパワーさえあれば圧倒することが出来る。結果もついてきやすい。
昨今の日本はあまりにもパワーを蔑ろにしすぎていたと思う。小ネタとか完成度とかどうでもいいことに走りすぎた末路、とさえ感じる。
典型的なパワー型だったとんねるずの人気が凋落したのもそこだろうし。(もっともとんねるず自体のパワーも落ちてるけど)

今現在、何かが変わったとは思わない。けど確実に「72時間ホンネテレビ」のおかげで光明は見えた。
オンリーワンであることでも、テクニックに頼ることでも、もちろんどこからも抗議がこないように無難にやることでもない。とにかくパワーがあれば、あとはどうとでもなるんだ、と。

来年はもっともっと、荒削りかもしれないけど、異様な熱気のあるパワフルな番組が作られることを望んで、このエントリを締めたいと思います。