いやぁ、それにしても、時代って恣意的だな、と思うわけです。生前退位やら、グチャグチャになった都知事選やら、あの津山事件に匹敵する大量殺人やら、そして何といってもSMAPの解散騒動・・・。
たぶんこれらの出来事とSMAP解散を「一緒くた」にすると、怒る人が絶対にいる。でも怒ろうがなんであろうが、それこそ2016年を語る上でSMAP解散を外す方が、よほど人的な恣意を感じるわけで。
アタシが言いたいのは人的な恣意じゃない。あくまで時代の恣意なのです。
どうも、今年は本当に、時代の区切りというか、正確には来年から新しい時代が始まる予感がプンプンするんですよ。
何つーか、未来が始まる、というか。
アテにはならないですよ。でも、どうも、変な終末感がある。もう神様が「いいから、ここらへんでひと区切りつけろや」と言ってるような気がする、というかね。
そこで、今から20年後30年後、世の中はどうなってるんだろうな、と。
といっても、科学の進歩とか、政治的な動きとかは、どうでもいいんです。もっとはっきりいえば、日本人はどうなっているのかね、と考えたりするわけで。
というのも、アタシは未見ですが「ゆとりですがなにか」というタイトルのドラマが放送されたり、年齢的に当たり前とはいえ、さきのリオオリンピックで、いわゆる「ゆとり世代」がいっぱいメダルを獲る活躍をしたりとかね。
この感じ、前も味わったことがあるぞ、と。ああ、これ、アタシらの頃の「新人類」とまったくおんなじじゃねーか、とね。
たぶんアタシがギリギリか、もしくはやや上の年齢層を一括りにして「新人類」なんて呼ばれたりしました。
最初はあきらかにネガティブな印象で語られる存在で、ま、平たくいえば「人間味のなさ」が特徴みたいに言われたんですね。
冷たく、そして効率優先というか、無駄なことをしたがらないというか。
それがいつしか「土壇場でもあまり緊張せずに能力を発揮できる」というニュアンスが加わった。理由は「ゆとり世代」とまったく同じ、オリンピックで活躍したり、プロ野球でも新人類世代がチームを引っ張ったことによって、一気にポジティブイメージに転化したのです。
たぶんこんなことは、有史以来ずっと同じなはずで、若者＝人間味がない、みたいなことはずっと言われてきた。でも結局は何も変わらない。前も書いたけど、別段どの世代が優秀なんてこともなく、どの世代にも優秀な人間もいれば、とんでもない事件を引き起こす莫迦もいる。
だから、実は、何の心配もしていないのです。逆にいえば、悪くもならないだろうけど、良くなるとも思えないわけで。
ただ、それでも時代が変わるというのは、何となく方向性みたいなものは変わっていくんだろうな、みたいな気持ちもあるからです。
今考えても凄いな、と思えるのが「世界で一つだけの花」での、サビの「ナンバーワンではなく、オンリーワンでいい」みたいな歌詞です。
まだ生前退位が決まったわけじゃないし、もし本決まりになったとしても年号が変わるのは何年後かわからないけど、ちょうど平成の中間くらいの時期にこの歌が流行ったってのは、かなり象徴的なことだと思うんです。
昭和という時代が「ナンバーワンを目指す」時代とするなら、平成は「オンリーワンで良い」という時代だった。
ただ、本当にオンリーワンで良い、となってから、というか、偶然かもしれないけど、この歌が流行して以降、日本の企業の世界的な影響力が著しく衰えた。ナンバーワンでなくなっただけではなく、オンリーワンにもなれない状況が続いています。
はっきりいえば、日本人にオンリーワンは向いてなかったと思うんです。オンリーワンで良い、と言われる中で力を結束して、強い何かを生み出せるような人種じゃなかったと。
結局は日本人は、どんな時でもナンバーワンを目指すのに向いている。何故ならナンバーワンが一番目標として明確だからです。
アタシが最初に書いたように、時代の境目といえるこの年の象徴からSMAP解散を抜くのはおかしい、と思うのは、この歌を歌ったのが他でもないSMAPだからです。
おかしなことを書くようですが、SMAPは自らの解散によって、やっぱオンリーワンでいいってのは間違いだったわ、と言ってるような気すらする。
どっちがいいって話じゃない。向いてる向いてないの話です。オンリーワンもたしかに素晴らしい。でも向いてないオンリーワンより、向いてるナンバーワンを目指した方が、絶対いい。
実際ナンバーワンになれるかどうかは、もうそれは結果です。でも「ナンバーワンにならなくてもいい」って発想で何かができる日本人じゃないってのは、もう平成って時代で嫌ってほどわかったと思う。
やっぱナンバーワンでいこうや。来年からさ。そっちのが絶対結果がついてくるんだから。
再び、オンリーワンからナンバーワンへ
FirstUPDATE2016.9.20
