えと、昔、少年サンデーでね、「究極超人あ~る」の連載が始まった時は心底ビックリしたんですよ。
これ、もう誰が何と言おうと「特撮オタク」「アニメオタク」に向けて描かれているのはあきらかで、いやこれがオタク向け雑誌での連載なら何とも思わない。でも「少年サンデー」という超が付くメジャー誌でってんだから、そりゃあ驚くのも当然です。
言っておきますが、アタシはオタク向けコンテンツはあまり好きじゃない。だから「究極超人あ~る」にたいしてまず抱いたのはネガティブな感情で、とにかく何とも言えない違和感と嫌悪感を感じたわけで。
しかし今になって思えば「少年サンデー」でオタク向け漫画が連載される、というのは時代の要請だった気がしないでもない。
オタク的知識をオタク相手ではなくマジョリティに向けて声高に発信してもいいんだ、というふうになったのは間違いなくこの漫画からでしょう。そういう意味では新しい試みであることは疑えず、というか「新しい試み」だったからこそ「漫画とは~というものである」みたいな旧態依然の考えに縛られていたアタシが違和感や嫌悪感を感じたんだろうし。
何度も言うように、オタクというのはジャンルを問いません。特撮やアニメ、あとゲームのような「わかりやすい」というか、オタクと聞いてイメージされやすいものだけに限らず、本当に多種多様のオタクがいる。
そして昨今、その中に「お笑いオタク」というものが勢力を伸ばしてきている。この件にかんしてはココにも書いたように、ちょっと片腹が痛くもあるんだけど、ま、きっかけは何であれ、一定の数のお笑いオタクが存在することは認めないといけないな、と。
で、です。
アタシは何度か、霜降り明星の粗品について、というか粗品の言動について書いたことがあります。
結局、毎回同じなんだけど、何が言いたいのかと言うと、とにかく「いったい何がしたいのかさっぱりわからない」のですよ。
やたら挑発的な言葉を吐いてるわりには、イマイチ、大きな<波>になっていない。つまり暴言に近いようなことを言ってるにしては世間は粗品の言動に関心を寄せていない。つか「また何か言ってるよ」くらいで済まされてばっかりだし、あまりにも暴言の頻度が高いので、ただ「こういうことを言いたがる人」で片付けられている感すらあります。
ま、これはアタシ個人の話なんですが、どれだけ粗品が挑発的な言葉を吐こうが、では粗品が出てるテレビを見てやろう、とか、YouTubeを見てやろう、とかまったく思わないんですよ。
普通、刺激的な言葉を吐くっては「衆知の目を引き付ける」ためにやることなんです。つまり「目立つための手段」だと言ってもいい。だから政治家はそんな言葉をいっぱい持ってるし、今売れっ子の芸人なんかも「売れる手段」として挑発的なキャラクターとして登場している。
あの植木等でさえ初期はハードなキャラクターをやってたわけで。
そこまで言うんだったら見てやろう、とまったく思わせてくれない、頻度が高すぎて、長期間やりすぎて「またか」としか思われがちになってるって本人は気付いてるんだろうか、と。
でもこれはアタシの根本的な思い違いだった。本当にただの憶測に過ぎないのですが、たぶんね、粗品は「売れるため」にやってるんじゃないんですよ。そこにやっと気付いた。
要するにです。粗品こそ、出るべくして出た最初の「お笑いオタク向けメジャー芸人」なのです。
粗品の評価はメチャクチャわかりやすい。たぶんほとんどテレビを見てない人間(アタシも含まれる)にはものすごく評判が悪い。一方、マジで片っ端から、テレビからラジオからYouTubeに至るまで芸人が出てる番組は全部見てるんじゃないか、みたいな人は粗品を評価しがちなんです。
つまりですよ。粗品が相手にしているのは「お笑いオタク」なんです。だから暴言が一般人というかマジョリティに刺さらないのも当然で、でもこれも憶測ですが、すんげぇマメに粗品を中心とした番組を見ていたら、いろいろと伏線が回収されてて、それでお笑いオタクからの評価が上がるんだろうな、と。
これが例えばノンスタイル石田とかなら、たしかにあれもお笑いオタク向けの要素はあるんだけど、見せ方がポップなのでお笑いオタクでない人もわりと素直に聴ける。
でも粗品のやり方にはまるでポップさがなく、わかる人がわかればいい、というやり方なので、特別お笑いオタクでない人間には取っ掛かりがない。んで「ただやたらに噛みつきたがる人」っていうふうに思われる。
ま、ねぇ、他人さんのやり方にケチをつけてもしょうがないし、まだまだ長いレースなんでね、答えが出るのはずっと先だろうし、粗品もそのうち方向転換するかもしれないし、そして「お笑いオタクに向けてやってきた」のが後々プラス方向に加算されるかもしれない。
でもさ、粗品のやり方って別に年齢で選り分けてるって感じでもないし、いくら若かろうがお笑いオタクから遠ければ遠いほど、ずっと、その後の人生、粗品に興味がないままだとは思う。
いやそれよりもさぁ、これはどんな職業にでも言えることだけど「自分、戦略的にやってますんで」ってのをあまりにも表に出すってどうなのよ。それってさぁ、まァいいけど。