フジテレビ系水曜19時台の流れがあればこそ
FirstUPDATE2024.9.14
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フジテレビの話の続きをしようってんじゃないのですが、テレビ番組にもっつーかテレビのタイムスケジュールも<流れ>ってメチャクチャ大事なんじゃないかと。

さて、2022年だからもう2年も前になるのか、とにかくこの年に「うる星やつら」のリブート版が放送されて、第一話を見た感想も「リメイク版うる星やつらを見て」に書いたりしています。
上記エントリでのアタシの主張は「非常に丁寧な<作り>だけど、とにかくギャグがダメすぎる」と。というかね、アタシにとって「うる星やつら」の原作はあくまでギャグ漫画なんですよ。もちろん途中からラブコメ寄りにシフトチェンジしたんだけど、ラブコメとしては進展もヘッタクレもない内容であり、完全にギャグ漫画として読んでいた。
当然のようにリアルタイムで作られたアニメ版もギャグアニメだと思って見てたわけで。


例えばこの回なんか個人的にはメチャクチャ好きな回で、ま、これはかなりストレートなスラップスティックギャグ回なんだけど、つまりね、あ、これは全員に当てはまるのか知らないよ。でもアタシの中で「うる星やつら」はギャグ物、ギャグの面白さが命だと思っているので「ギャグがダメすぎる」2022年制作のリブート版の評価は低かった。
だからね、リブート版は一応録画はしていたけど、ほとんど見てない。それでも何回かは「つまみ見」はしたけど、案の定ギャグがダメで、もういいやとなっていました。

何でギャグがダメかも上記エントリに書いたんだけど、つまり「ギャグのネタは昭和末期っぽくて、ノリだけが令和になってる」と感じたのですが、ま、ノリの話はいいや。キリがないし。
しかし「昭和末期っぽい」のは本当にギャグのネタだけなのか、というと、何だかそうじゃない気がしてきてね。
漫画連載がされていたリアルタイムの話をすれば「うる星やつら」の放送はフジテレビ系、毎週水曜の19時30分からでした。当時はゴールデンタイムにアニメが放送されるのは普通のことで、ましてや「うる星やつら」は漫画が大ヒットしており、ゴールデンタイムに放送されるのは当然といった感じだったので違和感はなかった。

放送が始まったのは1981年10月14日。んで遡ること半年、1981年4月8日から、同じくフジテレビ系、水曜の、「うる星やつら」の放送枠の直前、つまり19時から放送されていたのが「Dr.スランプ アラレちゃん」だったわけです。
アニメ化されて微妙にタイトルは変わりましたが、もちろんこれは週刊少年ジャンプに連載されていた鳥山明の「Dr.スランプ」が原作であり、これも大ヒットしていた。
ちなみに「うる星やつら」が連載されていたのは週刊少年サンデーで、つまりこの当時、サンデー(掲載漫画のアニメ化)→ジャンプ(掲載漫画のアニメ化)のリレーだったんですね。

ご存知の方も多いでしょうが、週刊少年ジャンプを発行している集英社は、週刊少年サンデーを発行している小学館と関係が深く、もっとズバッと言えば集英社は小学館グループの一員です。だから「対少年マガジン」のようなバチバチの関係ではない。
しかしそんなこと、子供にはわからない。当時アタシは中学生でしたが、よくよく考えたらサンデー→ジャンプってすごいんじゃね?と単純に思ってましたから。

ただね、今考えるともっとすごいのはフジテレビの編成で「Dr.スランプ アラレちゃん」の後の枠に「うる星やつら」を持ってきた、つまり「Dr.スランプ アラレちゃん→うる星やつら」という<流れ>を作ったのは恐るべきと言ってもいい。
よくよく読むとそうではないのですが、原作の「Dr.スランプ」は年少向けというイメージがあり、そう考えるなら幼児でも気軽に見られる19時から「Dr.スランプ アラレちゃん」を放送するというのは妥当です。しかしその後に「やや煽情的(と言ってもビキニスタイルの女の子が出てくるだけだけど)」な「うる星やつら」を持ってくるのはどうなのよ?と。

しかしね、おそらくですが、この編成を思い付いたフジテレビの人もアタシ同様「うる星やつら」をギャグ物として見ていたんではないか。
で、「Dr.スランプ アラレちゃん」というギャグアニメの後に持ってくるなら同じくギャグ物である「うる星やつら」しかない、と見立てたのであれば、これは慧眼という他ない。
「Dr.スランプ アラレちゃん」の、やや下品でわりと王道的なギャグの後で「うる星やつら」の、ちょっと考えオチ、とまではいかないけど、あまりストレートさのないツイストを効かせたギャグは「Dr.スランプ アラレちゃん」の後の枠で放送されるに相応しかった。

つまりね、1981年版アニメ「うる星やつら」がヒットした要因のひとつに「Dr.スランプ アラレちゃん」が大いに絡んでるんじゃないかと思うんです。もちろんその逆も言え「Dr.スランプ アラレちゃん」も「うる星やつら」があればこそ商売として膨れ上がったんじゃないかと。
実はこのふたつの作品は微妙に対象読者層、対象視聴者層が異なっており、でも時間帯的に「どちらか一方だけでも見ようと思ったら、結局どちらも見てしまう」ことになりやすく、お互い対象年齢を拡大するきっかけになったんじゃないかとね。

これはあくまでアタシ個人の面白い面白くないという話ではなく、商売として拡大出来るか否かの話なんですが、もしリブート版「うる星やつら」を「商売として」成功させたいなら、直前の枠に「Dr.スランプ」のリブートもやって放送するべきだったんじゃないかと。
いや、何なら1997年のリブート版「ドクタースランプ」の再放送でもいいよ。もし直前の枠で放送されてたらリブート版「うる星やつら」がもっと面白く感じたかもしれないし。

つかさ、このふたつはセットなんですよある意味。ともに1981年に放送が始まって、1986年のほぼ同時期に放送を終えてるんだから。少なくとも当時のフジテレビ的にはセットと考えていたと言ってもいいと思うんだけどな。