リメイク版うる星やつらを見て
FirstUPDATE2022.10.15
@Scribble #Scribble2022 #アニメ・漫画 単ページ うる星やつら リメイク ギャグ 高橋留美子 リスペクト

アタシは別に「うる星やつら」の特別のファンじゃないんだけど、令和版を見てね、ちょっと気になったことを書こうと思いまして。

とか書くとものすごく否定的な意見かあるみたいだけど、マジで何もない。
あくまで第一回を見た限りですが、Twitterでも書いたように、現今考えうる最高グレードの出来だと思ったし、そもそもアタシは「うる星やつら」にも高橋留美子にもアニメにもこだわりはないので「声優が」とか「作画が」とかね、そういうのはどうでもいいんですよ。

そもそもですが、妙に神聖化されている昭和版自体、そこまでクオリティが高いわけではない。
作画監督によってキャラデザはバラバラだし、上滑りしてたギャグも結構あったと記憶しています。
それでも時代設定と制作時期は完全にイコールだったわけで、少なくともガタピシしたところはなかった。ま、当然ですが。

令和版は時代設定を昭和末期、つまり原作のままで作っているわけです。
それはぜんぜんいい。というか本心を言えば「良い」というより「どっちでも良い」んだけど、まァそれは置いておく。
第一回を見ると相当強い原作リスペクトがあり、というか高橋留美子リスペクトを感じた。それもいい。
恋愛関係云々っつーかマジメな箇所はそれでいいと思うんですよ。しかし問題はギャグでね、ここがどうも、何かハマってないっつーか。

原作リスペクトなんだからネタ自体は完全に同じではないけど、それでも原作に近い形のギャグが入っている。
しかしギャグというのは時代によってウケる<間>や<ノリ>が常に変化しているんよ。んで令和版は<間>や<ノリ>は昭和風ではなく令和風になっている。
これもこれでいいんですけど、どうも、ネタは昭和風、間やノリは令和風ってのが、上手く噛み合ってないんじゃないか。

古い作品をリメイクする時、本当に難しいのがギャグでして、古いギャグを新しく処理するとネタの古さが逆に際立ってしまう、というのはよくあることなんですよ。
考えられる方法としては、ネタ、つまりギャグですね、は原作から使わずにすべて「令和風ギャグ」にする、もしくはどうしても原作重視でやるのであれば間やノリも昭和風にしてしまえばいいと思うわけで。
つまりギャグは「いいとこ取り」が一番難しい。上手く言えないけど「つまらないわけじゃないけど、笑うという感情か湧いてこない」みたいになっちゃうような。

話が逸れるので簡単に書くけど、どうも、ドラえもんもそこで躓いているというか、個人的には「変な違和感」があるんだと思う。
そりゃあ、うる星やつらにしろドラえもんにしろ、40年後とか50年後とかにリメイクされる想定で描かれてないもん。とくにギャグなんて「その時代の人が一番笑えるネタと間とノリ」で作られたものなんだから、時代が違えば笑い出すまで行かないのは当然なわけで。

最初の方に書いたように、ギャグ以外は「現状においてはベスト」なんだからさ、あとはギャグだけなんだよ。
別にアタシが笑えなくてもいいよ。今の若い人が笑えるギャグにして欲しいし、逆にリアルタイムで見てた人狙い撃ちで完全に昭和ノリのギャグにするのもいい。
とにかく中途半端が一番ダメ。とは言え、それも望みすぎなんかね。







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