ドリームカスタム(しなさい)
FirstUPDATE2024.7.25
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何気にね、「水曜どうでしょう」の香港の回(「香港大観光旅行」)って好きなんですよ。ま、完全なパブリシティ企画なんだけど、意外にもどうでしょうのエッセンスが入ってるというか。

言ってもこの回は「どうバカ」からあまり人気がない。たしかにまったく「やられ」がないから当然なんだけど、アタシは人が酷い目に合ってるのを見て面白がる趣味はないんでね。
やっぱ、個人的には面白い企画と面白くない企画の<差>って、アタシ的には「編集」と「運」がすべてだと思うんですよ。
編集が如何に大切かはココで書いたので割愛するけど、実は「運」もメチャクチャ大事で、面白くなった企画には軒並み「運」というか「引き」というか、絶対計算済みじゃなかったろ、みたいなことが入ってるんですよ。

「香港大観光旅行」は先程も書いたようにパブリシティ企画、雑誌で言えば提灯記事なので、どうやっても「らしさ」は出せない。
でもラスト間際に奇跡的な「運」が転がり込んで、ま、小ネタっちゃあ小ネタなんだけど、そう、あのTシャツネタです。

つかね、Tシャツネタって「現実ではサムいけど、フィクションなら異様に効果を発揮する」ものだと思ってて。
今でもアキバとかに行けば「自称・オモシロTシャツ」が普通に売ってますが、まァ、面白いのを見たことがない。もちろんネタはアップトゥデートはされてるんだけど、昔も今も、苦笑すら出てこないのはどういうことだ。
ひとりくらい、メチャクチャ<笑い>のセンスが良い人がスタッフにいても良さそうじゃん。もう20年くらい前からあるんだから。でも「ただのひとりも入ってこない」のはすごい。んで、相変わらずネットでネタを拾ってるけど拾い方のセンスもないっつー。

だから単純に「現実では、しかしフィクションでは」という話でもないと思う。
とにかく「聖☆おにいさん」のTシャツネタは発明レベルで、とにかく「ブッダが密かにプリントゴッコでネタTシャツを作ってる」って設定からして面白い。シッダールタに何させるだ。つかオモシロTシャツ業者もシッダールタを雇え。
ま、それはともかく、実際問題、ネタTシャツのネタって難しいのかもな。だったら何だってずっとネタTシャツが続いてるのか、それは結局売れてるからなんでしょう。
ホントはそこが一番わからないんだけど。

世の中には「狙ってない」ネタTシャツもあって、そう、海外で売ってる「何故か日本語が入ってる」ヤツです。
「香港大観光旅行」での「ドリ・カム ドリームカスタム」なんか、狙ってない(おそらくただ「文字の形の面白さ」だけ)からこその面白さがある。
しかも「ドリカム」ならぬ「ドリ・カム」を大泉洋が音曲漫才だと言い張り、横山ホットブラザーズの<節>で「♪ ドリィ厶カスタァム~」と歌うのでいよいよ可笑しい。
つまり「ネタTシャツ」を引き寄せたのは「運」なんだけど、大泉洋が上手く「足した」ので「まァ、香港回はドリ・カムネタが入ってるからいいか」くらいにはなったとね。

基本的には「狙った」ネタTシャツはサムい、「狙ってない」ネタTシャツは「中には当たりがある」くらいだと思うのですが(間違っても「狙ってないネタTシャツ=面白い」ではない)、「これ、狙ったのか狙ってないのか微妙だな」と思えるものがあります。
時は遡ります。あれは2011年、ということはアタシが初めてイギリスに行った年です。
ぶっちゃけ、ロンドンで一番衝撃を受けたのはビッグベンでもロンドンアイでも、食べ物のマズさでもない。ダントツで「極度乾燥(しなさい)」でした。


えと、この何年か後くらいから「イギリスにとんでもないブランドがある」と話題になりましたが、たぶん2011年当時だとほぼ日本で知られてなかったと思う。
「Superdry」だから「極度乾燥」ってのは百歩譲ってわかるにしろ、わざわざ「()←括弧」付きで(しなさい)とあるのがわからない。いやまだ「しましょう」とか「します」ならともかく、何で命令形なんだ、と。
ただこれね、もう当時から思ってたんだけど、それこそ香港なんかで売ってるものとはちょっと違うような気がしてて。

もう日本人からしたらさっぱりわからないけど、何故か「日本語=クール」というイメージはたしかにあり、しかもこれ、「漢字」だからじゃないんですよ。日本語がクールなのは「漢字+ひらがな+カタカナ」だからだと言われたことがある。
だかね、ロンドンの語学学校に通っていた頃、よくクラスメイトに「オレの名前を日本語で書いてくれよ!」と言われた。もちろん当て字にするしかないわけですが、漢字だけの当て字にすると「ノー!漢字以外にも日本の文字があるだろ。あれも使ってくれ」と言われる。

何かね、その時と同じ<ノリ>を極度乾燥(しなさい)にも感じるんですよ。
無理矢理日本人に書かせて「いやぁ、何か足らないなぁ」なんて言われながらね、「極度乾燥だけじゃアレだからもうちょっと付け足してよ。出来れば4文字くらい」とか言われて、でも日本人としてのせめてもの抵抗で「()」付きで(しなさい)と書いたものがそのまま採用された、みたいな。
ま、実際は「Superdry」を自動翻訳ソフトにかけたら「極度乾燥(しなさい)」と表示された、という面白くも何ともない理由だけどさ。

ただね、アタシの妄想も現実も、やっぱ、ほんのちょっとは「狙って」るんですよ。もちろん日本人じゃないので完璧にコトを理解して狙ったわけではないとはいえ、たんに「日本語はクール」ってだけじゃなくて「これ、たぶん日本人が見たらヘンテコなんだろうなぁ」くらいはわかってたんじゃないか。
つまり微妙に狙ってる分だけ、やっぱり<笑い>としては薄くなってる。ただしジョークグッズや土産物屋で売られる安物ではなく、大々的にブランド展開し、それなりに高額で「本気度」がある分、日本人にとって衝撃がすごいものになったと。

令和の今、たとえばココとかでドリームカスタムのTシャツが購入出来たりするけど、こういうのってブッダのプリントゴッコように「完全ハンドメイド」か「ブランド化」かどっちかだよな。
つかどうでしょうスタッフも変なグッズばっかり出さないでドリームカスタムの高級ブランドを立ち上げれば面白かったのに。

「ドリ・カム」って書いてるTシャツが5マン、バッグが50マン、とかって面白いじゃん。ま、売れないけどさ。