今回は「ルックバックAREやねんこぼれ」でもちょろっと書いた話を書いていこうかと。
かつてゲーリー・グッドリッチという格闘家がいました。
彼はPRIDEにも参戦していましたが、何とも特徴的な選手でして
・ルール関係なく実力を発揮する
・普段は温厚で真面目
・戦績23勝22敗 トップファイターでは無い
・戦績23勝22敗 弱くもない
・PRIDE初参戦の選手と数多く戦う
・初参戦の選手は彼に勝てば次につながる
・彼に負ければ次のPRIDEには呼ばれない
・ついたあだ名が「PRIDEの番人」
ま、ここまで書いたことは友人の受け売りです。つかまるまるコピペさせてもらった。何しろアタシは格闘技に明るくないもんで。
しかし「PRIDEの番人」というあだ名はいい。センスを感じます。
で、です。何で彼がそんな話をし始めたかというと、アタシがね、ノイジーって実は「ちょうどいい選手なんじゃないか」と言い出したからです。
何が「ちょうどいい」か、それはつまり「若手の<壁>」としてちょうどいいレベルの選手だと。
昨年度のノイジーの成績はけして良いとは言えない。いくら外国人受難の時代だからといって早くから残留が確定するほどの成績は挙げられなかった。具体的には
・.240 9本塁打 56打点 OPS .623
さらに併殺打が13もあるのも印象が悪いし、ホームランも優勝が決まった後で打ち出したイメージが強い。
しかし、じゃあレギュラー定着初年度の若手がこの成績を軽く上回れるか、というと本当に絶妙なんですよ。
印象はすこぶる良い森下もね、数字だけを見ればノイジーとほとんど変わらない。つか実は一番大きい「シーズンを完走した」という面ではノイジーの方が貢献度が高いのかもしれません。
ただ今後、外野手、とくに一番守備力が問われないレフトというポジションを考えた時、ノイジーくらいの成績を軽く超す選手でないとレギュラーとして見做すことが出来ないんですよ。
・・・てな話をしていたら、友人が「ゲーリー・グッドリッチがPRIDEの番人ならば、ノイジーはレフトの番人だ」と。
つまりはノイジーって若手にとって、実にちょうど良い<壁>なんですよ。けして高くはないけど低すぎることもない、本当にちょうどの高さの<壁>というか。
今年にかんして、もし、最後までノイジーがレフトを守っているようだと、今いる若手外野手は誰も、そして今後も期待出来ない。
だからこそ今年の春季キャンプはレフト候補である小野寺、前川、野口、井上、福島、んでついでっちゃ悪いけどミエセスのことは注目せざるを得ないんです。
個人的には井上はもう脱落に近い。たしかに変わったっちゃ変わったんだけど、本質的なところは変わった感じがしない。つか井上なんて結果を出し続けるしかない立場なんですよ。たとえ紅白戦や練習試合であっても結果を出すしかないのに、その結果がアレではちょっと、言い方はキツいけど、もうしんどいかな、と。
ポテンシャルだけで言えば、前週もホメた野口が素晴らしいのですが、アタシが危惧するように、やはり体力面でね、レギュラーを張れるまでは来てないな、と。
アタシは何度も言うように、レギュラーとしてやっていくには能力とかポテンシャル以上に「ヘバらない」のと「怪我しない」ことが何より大切だと思ってる。
それこそノイジーは成績こそあんなもんだけど、ヘバらないし怪我もしない。そこがあまりにも大きくノイジーに負けてるわけで、野口にかんしては今年1年は体力作りと、出来ることなら一軍で代打でやれたらいいと思っています。
一番判断が難しいのが前川です。
正直打撃センスだけで言えばズバ抜けている。この春季キャンプではさらに能力アップしており、打球がだいぶ上がるようになったし、どのコースにもバチッとバットを振り抜く姿はもはや一流選手並みです。
しかし前川は何しろ怪我が多い。また唯一空いてるレフトが苦手という問題もある。ようやくレフトの練習も始めたみたいだけど、さすがに森下をレフトに動かしてまでライトを守らせたいというほどでもない。
マジで悩ましいね。いやもし怪我なく完走出来たらいきなり3割打てる打撃をしてるからね。
ミエセスはだいぶ良くなってきたんですよ。紅白戦で茨木から打ったホームランも「一球で仕留めた」という内容を評価したい。
ただしミエセスを使うとなったら「少なくとも守備にかんしては今後一切上がり目がない」というのを覚悟しなきゃいけないし、結局外国人で埋めるのか、という話にもなってくる。
いやね、本当であれば、どう考えても無難なのは小野寺なんですよ。ま、良くも悪くも小野寺は欠点らしい欠点がない。昨年度の打率は出来過ぎだとしても、打撃も守備も走塁も、とりたてて「どこが悪い」ということもない。
ただ、ここまで特徴がないと今後何年にもわたってレギュラーを張る姿が見えない。つかどうにも消去法のようにも思える。
そもそも岡田は小野寺をレギュラーとして使いたくなさそうなんだよなぁ。どうしても小野寺をスーパーサブとして使いたい、というのが透けて見えるし。
実はここにきて、とんでもないダークホースが現れた。それが福島です。
メンバー編成を考えたら福島が今年いきなりレギュラーになるのはあり得ない。ただし「代走兼守備固め」であれば一軍に定着出来る可能性が大いにあります。
それの何が関係あるのか、レフトのレギュラー争いの話だろ、と言われるかもしれませんが、福島の守備力があれば余裕で守備固めがつとまる。つまり「守備に難のある選手を使いやすくなった」のです。
昨年度まで外野の守備固めで出てくるのは島田でしたが、正直、島田の守備力は高いとは言えなかった。足は速いかもしれないけど守備範囲はそこまででもないし、イージーミスも多かった。
だから「島田だったらノイジーのままでいいんじゃね?つかまだ熊谷の方がレフト上手いだろ」と思ってたんです。
ところが福島が守備で使えるとなると話が変わってくる。
福島ってね、全部がガっとしてるというか、鋭くて強いんですよ。それこそあのスライディングもそうだし、打撃も思ったよりもずっと力感を感じた。昨日の練習試合のヒットも「軽打」とか「合わせただけ」ではなく、しっかり振り抜いてバシッと打ったって感じだったもんね。
こうなってくると前川であれ誰であれ、スタメンは福島でないとしても、7回くらいから福島に変えてもぜんぜんイケる。打順が回っても代打必須と言えるほど打てないことはないと思う。
つかね、もし福島の存在がなければ「無難に小野寺でいいじゃん」と思っていたと思う。でもそれが大きく変わってしまったわけで。
ま、どっちにせよ「ノイジーの守備固めで福島」じゃ話にならないけどね。つか番人にいつまでもレフトを死守されてちゃダメだよ。
とにかく前川でも野口でも小野寺でも誰でもいいから昨年度のノイジーの成績を超えてくれ!