何だか「スナックバス江」みたいなタイトルだけど、もちろんぜんぜん関係ない。あるわきゃない。
とにかくです。いよいよ今週から春季キャンプも始まるわけですが、その前にどうしても、2023年に感じたことを全部終わらせたいと思いまして。
実際、昨年の日本シリーズはオリックスファンからしたら実にモヤモヤする結果になったと思います。
3連覇したんだから、とか、山下舜平大がいなかったし頓宮もラオウも万全でなかったから、というのは所詮自分を慰めるだけの言葉でしかなく、ずっと宿敵というか目の上のたんこぶというか、ぶっちゃければ「ウザい」阪神に負けた、というのは、これはね、やっぱり相当なショックがあったと思うのですよ。
ただね、アタシが阪神贔屓とか関係なく、この日本シリーズで一番良かったと思うのは「7戦までもつれ込んだ」ことだと思う。
7戦まで行く、それは6戦までの段階でどちらから見ても3勝3敗のタイだったからで、要するにそれほど力が均衡している、そして内容もがっぷり四つだったから7戦までもつれ込むことが出来たんです。
正直2023年のシーズンはオリックスは楽勝の展開で、わりと早々に「優勝間違いなし」になっていた。これは阪神もなのですが、だからこそね、お互い、これ、同一リーグのチームとはレベチで強いぞ、と感じたんじゃないかと。
実際アタシは感じたもん。何だオリックスは、マジ強すぎる。こんなのリーグ戦の時に感じたことのない苦しさだよ、とね。
いやね、どこのファンだろうが罵倒がベースとなった心ないファンはいますが、そういう人を除いてね、つまり心あるオリックスファンはみな「おいおい、阪神強いじゃねーか」と感じたはずなんですよ。
こうやってお互いの実力を認め合うことが何より重要なんです。
正直言えば阪神ファンにとってオリックスはライバルでもなんでもなかった。たぶん「こっちはオリックスなんてまったく意識してないのに、ファンが妙に絡んできてウザい」って人が多かったように思う。
しかし、少なくともアタシはそうではなくなった。いやアタシの場合、ココで書いたように「元阪急ブレーブスファンだった」というのがあるのでちょっと他の阪神ファンとは違うってのはあるんだけど、それでも日本シリーズを見ていくほどに「オリックスって本当にいいチームだなぁ!」と痛感させられたわけで。
もうアタシなんか宇田川のファンになったもん。いやはや、本当にすごい投手だわ。とくにね、7戦の、正直敗戦濃厚の展開での登板はシビれた。
4戦目までは「一切寄せ付けない」レベルの圧倒的なピッチングで、なのに3連投となった5戦目で手痛い逆転打を打たれてしまった。からの7戦目です。
「このままでは終われない。最後は自分の120%の投球をするんだ」と言わんばかりの気迫ね、ああいう魂のプレーが出来る選手を好きにならないわけがないですよ。
もうひとりは紅林かな。
いや、いい選手だねぇ!何か伸び悩んでいるとか言われてたからね、シリーズが始まるまでは正直ナメてたんですよ。
でも、とんでもない。あれは7戦だったかな。これまた敗戦濃厚な場面で、ファールフライをキャッチした後ですぐに、というかメチャクチャ素早く返球したでしょ。ああいう「基本なんだけど疎かにしがち」なことをここまでちゃんとやれるんだ、と。あれ、ほとんどのプレーヤーは若干ユルんじゃうと思うんだけど、紅林は違った。
ああいうプレーがやれるって、紅林はスーパースターになれる素質がありますよ。
さて、ここからが本題と言ってもいい。
ご存知のように、阪神が優勝、そして日本一になり、関西のテレビ局ではこれでもかと特番が組まれました。
オリックスが優勝しても日本一になってもロクに特番をやってくれなかったのに!と憤る気持ちはわかるのですが、これね、阪神が「勝った」からなんです。っても嫌味なことじゃなくて、何しろ優勝は18年ぶり、日本一は38年ぶりです。
じゃあ「勝てなかった」時は、つまり優勝出来なかった16年間はどうかと言えば、もう、何でこれほど、と思えるほど叩かれる。とくに1990年代の暗黒時代においては「叩かれる」を通り越して「物笑いのタネ」にすら、なっていた。それこそ「珍プレー好プレー」のような番組でね、もちろん全国ネットですよ。ヤクルトの選手が持ち上げられる一方阪神の選手はオチ扱いだった。もうミジメという言葉しか浮かばないような扱いだったのです。
オリックスもとくに21世紀に入ってから苦難が続きましたが、こういう扱いをされてるのを見たことがない。少なくとも全国ネットの番組で晒し者になったり物笑いのタネになったことなどまったくないはずです。
つまりね、何が言いたいのかと言うと、人気チームは人気チームで本当に大変なんだ、ということです。
いやマジでわかります?応援しているチームや応援している選手が晒し者だったり物笑いのタネになった時のファンの心境が。マジで涙が出るほど悔しいんですよ。
これ、オリックスファンに耐えられるのかな、と思う。つかこれに耐えられるのは阪神ファンくらいじゃないか。巨人ファンも素養はあるけど何しろ巨人は暗黒時代を味わったことがないので、つまり経験がないのでやはり耐えられないんじゃないか。
何でこのようなエントリを書こうと思ったと言えば上記記事を読んだからで、阪神というチームは、もう、ずーっと「謂れのない批判」に晒されてきた。並以上には厳しいキャンプをしているのに「ゆるキャン」と叩かれた、なんて本当に序の口で、でも何でそういう声が<一時的>に止んだかと言えば優勝したから、それだけです。
逆に言えば、優勝出来なくなったら「またぞろ」この手の批判が増えることを意味する。
つかね、阪神贔屓のアタシから言わせれば「普段、これだけ叩かれたり物笑いのタネにされてるんだから、滅多にない優勝した時くらいは盛大に称賛してくれよ」って気持ちなんです。
これはどんな興行でもそうですが、優勝したら称賛してくれ、でも散々な成績だったとしても一切批判するな、とか絶対不可能なんですよ。
要するにです。
阪神タイガースは「弱ければこれでもかと叩かれ莫迦にもされるけど、勝てば盛大に称賛されるチーム」
オリックスは「勝ってもたいして称賛されないけど、弱くても叩かれることも莫迦にされることもほとんどないチーム」
ということになる。これはある種の特性だからどっちの方が良いのかって話じゃない。
そういえばオリックスの中島監督が「まあ関西にいるので、(筆者注・阪神の)素晴らしい情報がいっぱいありますから。80点くらいと評価している選手が、150点くらいの選手なんで」なんて言ってましたが、これはダメだよ。オリックスファンが言うならともかく、チームの将が絶対に口にしてはいけない言葉です。
たしかに80点の選手が150点の選手のようにメディアで報道されてるのは事実だけど、ちょっと悪ければ80点の選手を平気で5点とか10点の選手かのように扱うのも関西のメディアなんだから。
つかさ、5点や10点はもちろん80点の選手を150点評価をされても首脳陣も困るでしょうが。そこへ行くと80点の選手をちゃんと80点と評価されるオリックスの環境を中島監督はありがたいと思わなきゃ。ねぇ。