耐久ふられ気分でロケンロール
FirstUPDATE2024.1.27
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今回のネタ、マジたいしたことない話なんだけど、たいしたことない話のわりには説明がメンドい。というかこの時点で異様に長いエントリになるのは確定なのですが、まァいいでショ。

さてアタシはこれまで何度も、AutomagicてなAndroidアプリを使って独自の音楽再生プレイヤーを作ってる、というような話を書いてきました。
そもそも何でこんなもんを作ろうと思ったかですが、この話をするのは久しぶりなのでちゃんと書いておきます。
Androidって何故か「完全曲中(曲間)レジューム」対応の音楽プレイヤーアプリがひとつもないんですよ。
曲中レジューム、というのは、例えばとある楽曲の1分14秒あたりを再生している最中に停止して、その後再び再生を始めたらちゃんと1分14秒あたりから再生を再開してくれる、という機能です。

Androidユーザーなら「んなもん、ほとんどの音楽プレイヤーアプリで対応してるだろ」と思われるかもしれませんが、これが実に不完全なんですよ。
たしかに「同じプレイリスト」を再生してる限りは曲中レジュームは効く。しかし、Aというプレイリストの3曲目の1分14秒付近を再生中にBというプレイリストに切り替えて、再びAというプレイリストに戻った場合、曲中レジュームはリセットされている。中には「3曲目」というのさえ憶えていない、というアプリもあり、1曲目の0秒から再生される、というね。

正直何故この程度の機能がないかフシギで、これがiOSのアプリの場合、それこそ音楽プレイヤーがメインではないGoodReaderなどのファイラーがメインのアプリでさえ「完全」な曲中レジュームに対応していた。もちろん音楽プレイヤーに特化したアプリなら対応してて当たり前という感じで。
いやね、正直、ひとつの音楽の長さが3分とか5分であれば曲中レジュームではなく曲頭レジューム(つまり常に曲頭から、0秒から再生を開始する)でも十分なんです。しかしアタシはラジオ音源やテレビ番組から音声を抜き出した長尺ファイルを聴くことが結構あって、これらの長尺ファイルの場合、曲中レジュームがなければ話にならないわけで。

もうこうなったら自分で作るしかない。
そうは言ってもアタシのプログラミングの能力ではAndroidアプリをイチから作るってのは不可能なんだけど、幸いAutomagicてな一種の簡易プログラム作成アプリはMP3ファイルの再生に対応しているので、上手くやれば曲中レジュームに対応した音声プレイヤーが作れるのではないか?と。
そうは言ってもAutomagicの仕様上、現在MP3ファイルのどの位置を再生しているのかの取得が、不可能ではないけど非常にめんどくさく、どうしてもバギーになりやすい。
そこで、かなりイレギュラーなやり方ですが、音楽ファイルなどの短尺なものは曲頭レジュームに、ラジオ音源などの長尺なものは曲中レジュームに、という仕様にしたわけです。

音楽ファイルにかんしては曲頭レジュームは、それはそれでメリットもあって、楽曲というか<歌>はなるべく曲頭から始まった方が聴いててスッキリする。つか曲の終わりの方から再生されても何となくモヤモヤするっていうかね。
ま、とにかくこんな感じで「一旦完成」ってことにして使ってた。とくにドライブの時にこの自作音楽プレイヤーを大々的に活用することになるわけで、昨年12月、アタシはクルマで神戸東京間を往復しましたが、実際、曲頭レジュームで十分だった。いや少なくとも神戸から東京までの、いわば往路にかんしては、というべきか。

ここで話がゴロッと変わります。
で、どんな楽曲をこの自作プレイヤーで聴いてるか、もちろんジャンルとして好きなスウィングジャズやダブ、カリプソなんかもそうだし、クレージーキャッツやドリフターズやエノケンの楽曲をっつーかプレイリストを聴くこともある。
しかしね、それ以外にもヘンテコなプレイリストもあって、その中のひとつに「Memory」なんてのもある。
これ、スーベニア、つまり思い出ともちょっと違ってて、年代別に「如何にもその時代らしい」楽曲を集めてプレイリストにしているのです。

もちろん「当時よく聴いていた」というのも入ってるんだけど、その逆、たしかにこの当時はいろんなところから、テレビや有線なんかでよく流れてたけど、能動的に聴いたことは一度もないし、その後懐メロ系の番組なんかでも振り返られることがあまりない、なんて曲も入っている。
ココでも書いたことなんだけど、大ヒットした楽曲ってのは意外と懐かしいという感情が沸かない。以降も何らかのタイミングで聴くチャンスがあるからです。
しかし大ヒットとは言えない中ヒットとか、あと売上枚数的には十分大ヒットと言えるんだけど、インパクトの強い大ヒットの影に隠れてあまり鑑みられることがない「第二弾」系の曲とかの方が懐かしかったりするわけで。

その「ちょうど良い、頃加減」を探るのが楽しい。
そうした「頃加減」に優れた楽曲の中に「ふられ気分でRock'n'roll」というのがある。これ、一応は大ヒットと言っても過言ではないんだけど、アーティストであるトムキャット自体がいわゆる一発屋で、ヒット度合い、そしてヴォーカルのインパクトの強さのわりにあまり顧みられることがなく、十分に「時代を映す鏡」の役割を果たしているのです。

で、ここで話が戻ります。
12月の中頃、クルマで神戸東京間を往復したという話はすでに書きましたが、クルマを所有してないのでもちろん「レンタカーで」ってことになる。
このレンタカーね、神戸から東京の<往路>ではわりと調子が良かったんだけど、東京から神戸の<復路>で途端に調子が悪くなった。
あ、アタシは東京在住なんで<往路>と<復路>が逆では?と思われるかもしれませんが、いろんな事情で「まず公共交通機関を使って神戸まで行って、クルマで往復した後、再び公共交通機関で東京まで戻ってきた」ので間違いではありません。
とにかく、このレンタカーね、<復路>になってシガーソケットからの電源供給が非常に不安定になってしまった。

アタシは「電源供給かつBluetooth接続が開始された時点でプレイリスト再生」、逆に「電源供給が停止されてBluetooth接続が解除されたらプレイリストが停止される」というフローをAutomagicで書いてたのですが、電源供給が不安定では頻繁に接続が切れる、つまり音楽再生が切れるのです。
音楽再生が途切れる、ということは、先述の通り「音楽などの短尺のものは曲頭レジューム」なので、途切れるたびに曲頭から再び始まる。ま、つまり「何度も同じ楽曲が途中で終わってまたアタマから再生される」というふうになってしまったと。

んでたまたま、極端に調子が悪かった時に流れていたのが「ふられ気分でRock'n'roll」で、もういったい、何回聴かされるのか、と。
これも先述の通り、アタシはこの曲が「好きだったから」という理由でプレイリストに入れてたわけではない。むしろ当時から「何じゃこりゃ」と思ってた。それでも入れたのは「あまりにもこの当時すぎる」からです。
つまりね、一曲どころかワンコーラスも聴ければ十分なんですよ。何なら「♪ だけどロケンロォ、されどロケンロ~」ってサビだけでも記憶を喚起するって役割は十二分に果たしているわけで、フルコーラスで何度も何度も聴きたいわけがない。

なのに、繰り返される。無限に繰り返される。
そのうちだんだん、逆に面白くなってきてね、妙に楽しい気分になってきたのです。
YouTubeに「耐久◯◯」みたいな、同じ映像や同じ音楽が無限(ではないけど1時間とか)繰り返される動画がありますが、何とも言えないハイな気分になってくる。
これ、何て言うのかね。いわば「リピートハイ」とか「ループハイ」とでも言うのか、何とも言えないトリップ感覚におそわれる。
テクノではこの手のリピートを利用した映像があって、そういや電気グルーヴのMVかなんかで「ただピエール瀧が歩いてるだけの映像」がリピートされ続けるってのがあって笑った記憶がある。

いやぁ、テクノだったらいいよ。でも誰が「ふられ気分でRock'n'roll」でトリップしたいのさ。でもちゃんと「ふられ気分でRock'n'roll」でもトリップ出来るんだよ。マジで。
いや運転しながらトリップすんなよって話ですが。







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