えと、エントリタイトルは関西弁ですが、中身はいつも通りの感じで書きます。ま、タイトルだけでも関西弁にした方がニュアンスが出そうだったんでね。
さて、ひと口に<夢>と言っても2種類あって、ひとつは比較的近々の夢。もうひとつは「やがて」というか「いずれ」というニュアンスが込められた夢です。
近々の夢にたいしては、まァ、ビッグマウスとか言われるのも、わからないではないんですよ。本当はそれもおかしいと思うんだけど、理解出来ないこともない、というか。
しかし、将来的な夢にたいしてビッグマウスだの、もう少し謙虚な姿勢でなければ大成しない、なんて言い出すのは、もうマジで言いがかりだと思うわけで。
いやね、アタシだってかつては、人間は謙虚でなければいけない、と思っていた。それが180度変わったのはイギリスでアーティスト活動をした時です。
あ、アーティストっても音楽じゃないよ。文字通りアートを作る人って意味ね。
そういうことを始めた頃は、それこそ「いやいや、そんなたいした作品じゃないんですが」という感じで売り込みをやってたのですが、一度、エージェントをやってる人と売り込み先の担当者の人にこっ酷く怒られたことがあったんです。
「たいした作品じゃない?お前は自分で「たいした作品じゃない」と思えるものを人に売り込んでくるのか?」
ああ、そうか、と本当に思った。
「作った本人が「これは素晴らしい作品だ」と思わないでどうする。まずは自分で自分の作品を認める。そこがクリアされてないと他人は認めようがないじゃないか」
もうね、そこからガラッと意識が変わった。そうだよな、まず自分自身を信じないでどうするんだ。というか自分自身が満足出来るレベルまで到達させなきゃ始まらない、とね。
もちろんね、いくら謙虚大好きな日本人であっても、心の底では<ある程度>の自負はあるはずなんです。でも「謙虚でなければ」という思い込みの強さから他人にアピールする際にはどうしても「見ようによっては弱気に見える」って感じになる、というか。
弱気ってのは自信のなさとも言えるんだけど、これね、言い換えれば、謙虚=リスクヘッジ、とも言えるんですよ。
もしかしたら他人さんを満足させられないかもそれない、という、弱気というか、一種の「心の隙」ですよね、が少しでもあれば、自信満々に「どうだこれは!すごいだろ!」みたいな感じよりもリスクが取れるような気がする「謙虚な態度」をとってしまう。
でもね、これは何度も書いてることだけど「成功したい」のと「失敗したくない」のではぜんぜん心理が違うんです。
極論を言えば「失敗したくないのであれば何もしないに越したことはない」わけで、ましてや<売り込み>なんて「失敗がデフォルト」な場合でさえ「成功する」よりも「失敗しない」を選んでしまう。
実際、イギリスで「日本人は「失敗すること」を気にしすぎる」と言われたことがある。先の売り込みのような話じゃなくて、もっとラフな場だったのですが
「いちいち「ソーリー」と言うな。こっちはアナタが日本人であり、英語が母国語でないことを了承して喋っている。だから言葉が出てこなかったり、言い回しを間違えるのはぜんぜん構わない。だから間違うたびに「ソーリー」と言われたら、ちっとも話が進まない」
だからね、結局、自分のことだけではなしに他人さんの話であっても、ビッグマウスはダメだ、謙虚に、なんて人は「もし成功しなかったら、いや、もし失敗したらどうするんだ」というのが思考の先頭に来やすい人なんでしょう。
いやいや、そもそもの話、失敗するのなんて当然というか大前提なんですよ。それこそプロ野球では毎年、すごい人数がプロの門を叩く。しかしそのうち大成する選手なんて、いや大成どころかそれなりに一軍の試合に出られる選手でさえほんのひと握りで、つまりは「失敗がデフォルト」なんです。
失敗がデフォルトの世界で「失敗しないやり方」なんて、もう根本から間違えてる。失敗なんて当たり前なんだから失うものなんて何もない、ひたすら「成功するためには」と考える選手のが大成しやすいと思うし、こないだの「ええい、ままよ!」というエントリでも書いたけど、植木等の「♪ やってみなけりゃわからない ダァメェでもともとやるだけやってみろ!」という精神がないとどうにもならないような。
というかさ、えと、大門未知子でしたっけ、の「私、失敗しないので」が流行るって良くも悪くも日本だなぁ、と思う。つまり「成功すること」よりも「失敗しないこと」に比重がかかってるから、こういう発想が出てくるし、またそう思ってる人が多いからウケたんだろうな、と。
アタシから言わせれば、それこそ「私、失敗しないので」なんてビッグマウスでもなんでもない。むしろ如何にも日本人らしい<逃げ>の精神が入ってるというか。
だってさ、成功するって言っちゃえば言い訳は出来ないけど、失敗しない、なら「いやあれは、成功とまでは言えないかもしれないけど、断じて失敗ではない!」とか言い張れちゃうじゃん。ねぇ。