ざっくりと「ファン」とか言いますが、いやファンとマニアやオタクは違うみたいな話じゃなくてね、どうも、ファンにもふた通りあるんじゃないかと。
これまたざっくり言えば「カネを落としてくれるファン」と「カネを落とさないファン」ってことになるわけですが、これもね、まったく、絶無レベルで「カネを落とさない」というのは不可能です。
直接的にカネのやりとりがなかったとしてもです。例えば好きな俳優が出演しているドラマを見るだけでも、んでそんな人が多ければ多いほどスポンサーがつきやすい。もちろんスポンサーから払われたカネの一部はその俳優に還元されるわけで、具体的な額を割り出すことは不可能とはいえ、やっぱり「金銭的還元は絶無ではない」ということになるわけで。
もちろんこれはユーチューバーなんかも同様です。
じゃあ逆に「(直接的に)カネを落とす」ファンと言えば、まァ、これはわかりやすい。
アタシは今年の8月末に甲子園球場まで阪神タイガースの試合を観に行きましたが、これがまさしく「直接カネを落とした」典型的な例です。
ではアタシが、日常的に阪神タイガースにカネを落としているかと言うと、少なくとも直接的には落としてはいない。
甲子園での観戦は約10年ぶりだったし、グッズを購入することもない。テレビ越しの観戦と言っても現在神戸に在住しているアタシはほぼサンテレビ、つまり「視聴にカネをかけているわけではない」のです。
しかしね、難しいのは「カネを落としていない=それはファンではない」ということでもないと思うのですよ。
えと、↑のエントリでも書いたのですが、たしかに日本人は「生活必需品以外のものにカネを落とすことを嫌がりすぎる」傾向はあると思うし、とくにエンターテイメントにはその傾向が強い、とも思う。
しかし、直接的ではないにしろ幾ばくかにしろ、カネを落としてはいない、と言い切れない以上、やっぱり、そういう人も「ファンではない」ということにはならないと思うわけで。
いや、もっと言えば「直接カネを落とすファンの下支えをしているのがカネを落とさないファン」とも言えるわけで、となるとエンターテイメントを発信している側もこうしたファンを蔑ろには出来ない。
かと言って「直接カネを落としてくれる」ファンとの差別化も必要で、それこそジャニーズ事務所もしても、おそらくひとり当たりとしてはかなり莫大なカネを落としてくれるティアラと、何となくテレビを見ていて「平野紫耀ってカッコいいじゃん」みたいなライトなファンとを同等に扱うことは出来ないのはわかるんですよ。
さらに言えば、それこそ某不登校中学生ユーチューバーのように「無料で見れる動画さえも見ないけど、ヤフーニュースで(否定的であっても)コメントを書きまくる人」さえ、間接的にはカネを落としてる=蔑ろには出来ないんじゃないかと。
これは大衆的なエンターテイメント特有の二重構造だと思う。おそらく「エンタメにカネを落としたがらない」日本だけでなく世界的なことだと思うし。
しかし、さっきの例で言えば、発信側が力を注がなくてはいけないのはどちらかというと「カネを落としてないファン」の方で、仮にアンチだろうが無関心よりもアンチのがまだ将来的に「カネを落とすようになる可能性が高い」からなんですよ。
となると「今現在、すでにカネを落としてくれているファン」が蔑ろになるわけで、ファン離れ=ネガティブイメージがついてしまう、という。
何が言いたいのか自分でもわからなくなってきましたが、要するに発信者側はカネを落としていないファンとの距離感がきわめて難しいって話です。
この距離感を間違うと、カネを落としてくれているファンを怒らせることになったり、その逆、つまり新規のカネを落としてくれるファンを増やせない、なんてことになってしまう。
でね、それなり長期的に売れたコンテンツや売れたタレントってのは、その距離の取り方が抜群に上手かったってことなんです。
ただ、その「距離の取り方」とやらは千差万別で、こうやればいいみたいな必勝法がない。ないんだけど、結局、そこを徹底的に突き詰めないと、それなりに長期的に売れるってのは無理なんじゃないの?と。
いよいよ何が書きたいのかわからなくなったので終わりますが、そりゃそうだよ。こんなややこしいこと、この程度の長さの文章で書けるわけがないじゃん。ねぇ。