ソコに近づけるのはなぁ
FirstUPDATE2022.9.3
@Scribble #Scribble2022 #YouTube #テレビ 単ページ ヒカキン 模倣 パイオニア #ドラえもん #映画 #笑い

更新してない間にドラえもんの誕生日になっちゃったけど、のび太の誕生日に公開された(てのも大概な例えだな)ヒカキンの超大作動画を見てね、ま、いろいろ思ったんで、それを書こうと。

その動画がアップされる数日前、ヒカキンは「これからやるいくつかの企画のために総額1億3千万を投入する」と宣言し、で、そのいくつかの企画の中でもおそらくもっもと予算をつぎ込んだと思われるのが冒頭に書いた超大作、つまり「ヒカキンおにごっこ 2022夏」(以下、おにごっこ)です。(現注・当該動画は内容に問題があったため後に公開停止)
撮影スタッフだけで30人以上、さらに制作協力として共同テレビジョンの名前もあり、ヒカキン曰く「今年やった映画を含めて、これが一番カット数が多かった」と編集スタジオの人に言われたらしい。
今やこれだけの規模のバラエティ番組さえ作られない時代に、まさにバブル期レベルの潤沢な予算で作られた動画は完全に「ユーチューバーの作る動画」を逸脱したものでした。

莫大な予算をつぎ込んだことについてヒカキンは「夢を叶えるために」と強調していましたが、正直、アタシは何とも言えない気分になった。
キツい言い方かもしれませんが、「おにごっこ」は昔の(おそらくヒカキンが一番熱心にテレビを見ていた子供時代の)バラエティ番組の模倣です。
いや、そういうのがやりたいという気持ちはわからないでもない。しかし「昔のテレビ番組の模倣」が<夢>だと言われると、いやいや、アンタ、せっかくここまで、日本におけるユーチューバーというもののフォーマットを作って、今でもユーチューバーと言えば一番最初に名前が出てくるような圧倒的存在のヒカキンの夢が「昔のテレビ番組の模倣」って、そりゃないんじゃないの?と。

あの動画で唯一YouTube動画らしかったのは「出演者が全員ユーチューバー」、そして「出演者全員がカメラを持ち動画素材を提供している」ところだけです。
<夢>というからには、テレビでは不可能な、あくまでYouTubeらしい、それでいて莫大な予算をかけるだけの価値がある動画、と思っていたら、蓋を開けたらコレだったからね。


↑でも書いたように、アタシは莫大な予算を使ったYouTube動画には否定的なんだけど、ま、これはお祭り的なものなので目くじらを立てることではないと思う。
にしてもさ、テレビが映画の真似事をして、でも出演者は映画俳優ではなくテレビタレントです、というような番組をやったらどう思うよ?って話でね。
だったら、あくまで編集はヒカキン主導でやることを条件に自らがスポンサーになってテレビの枠を買い取れば良かったと思うんですよ。
そこまでやったのなら、ま、子供の頃に自分が見ていたバラエティのような動画を作りたい、という<夢>が現実になったと言えると思うんだけどね。

そういう超大作を<あえて>他の動画と同じようにYouTubeで流すってのは違うよ。そこに<あえて>はいらない。
アタシはね、ユーチューバーのアイデンティティって「YouTubeにこだわる」とか「テレビに背を向ける」ってことではなくて「メディアなんか何だっていい。自分が本当に面白いことをやれるのならテレビでも映画でもやっていいんだよ」というような、発信するメディアに一切こだわらない、いわば「八百万メディアマン」だと思ってたんだよね。

ユーチューバーがYouTubeにこだわりだしたらおしまいだよ。それじゃ今までのテレビマンや映画マンと一緒じゃん。
ましてや<夢>と言われちゃうと、ねぇ。







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