いきなり引用から始めますが
チャーハンでその店の味がすべてわかる、みたいなことをいってたのは周富徳だったか。しかし横浜の中華街や神戸の南京町にある、本格的っぽい店で何度かチャーハンを食べたことがありますが、これが見事にたいしたことない。他の料理はウマくてもチャーハンだけは普通、みたいなパターンが多くてね。(中略)さて、そこまでチャーハンが好きなら自分でつくってみたくなるのが人情なんだけど、この話は長くなりそうなんで、また別の機会にでも(2011年4月9日更新「チャーハン好き」)
実に(現注・2018年から遡って)7年前のエントリですが、今さら続きを書こうと思いましてね。ま、こーゆーことをするのがここの特色ということで。
上記の引用でもある通り、アタシはチャーハンにかんしてはうるさい。うるさいから自分でもチャレンジする。しかしマジで、このチャーハンってヤツは本当に最適解がない料理なんですよ。
もう幾度試行錯誤を重ねたか。それこそ調味料からご飯の炒め方まで。火力だってどうすればいいのか散々悩んだし。
しかしここにきて初心に帰って、マイナスを潰していこうって発想になってね。つか「失敗したチャーハン」というのはどういうものなのか、なんですが。
・ご飯がダマになる
・水気が多すぎてベチャベチャ
・油が少なすぎてパサパサ
・油が多すぎてドロドロ
ま、だいたいこんなところでしょうか。
よく「しっとりチャーハンとパラパラチャーハン、どっちが好きか」みたいな話になるんだけど、これは両立出来ると思うんですよ。表面はパラパラで米粒はしっとり、みたいな感じで。
ま、両立が良いのかどうかはともかく、どっちを作るとなっても上記に挙げたような「失敗チャーハン」にならないようにしなきゃいけないですから。
ここでよく言われるチャーハンを作るコツも挙げておきます。
・温かい(もしくは炊きたて)のご飯を避けて、なるべく冷やご飯を使用する
・炒める前のご飯に生卵を投入して、あらかじめ卵かけご飯のような状態にしてそれを炒める
・炒める前のご飯にマヨネーズを投入して、しっかりかき混ぜてそれを炒める
こんなところです。で、これ、どれもそれなりに効果はある。でも逆に言えば欠点も多くて「それなり」でしかないのも事実でして。
まず「冷やご飯使用」ですが、たしかにこれなら水気でベチャベチャになる心配はないのですが、とにかくダマになりやすい。フライパンでガチャガチャすべてのダマを潰すのは無理すぎで、全部潰している間にご飯が焦げてしまいます。
「卵かけご飯化」は生卵を投入した時点で適度な水分があり、炒める前の時点で混ぜるのでダマにはなりにくい。そして意外にもベチャベチャにならないっていう利点があります。すでに米粒が卵でコーティングされているから。
けど、どうも、チャーハンって感じがしないのです。味は味付け次第なんだけど、チャーハンに似た何かを食ってる気分になるっつーか。
最後のも意外と良いのです。マヨネーズを使うったって火を通すことによって酸味は飛びます。やってみればわかりますがまったく酸っぱくはありません。
マヨネーズには卵と油が含まれているので、上手くやればこの中では一番ちゃんとしたのが作れるはずです。
ただしこれは逆に意外かもしれないけど、どうもダマが出来やすいし、油の調整が難しくてパサパサもしくはドロドロになる可能性が結構あるんです。
ま、テクニックに自信があればマヨネーズのやり方が成功しやすいと思うけど、テクニックなしのこだわり派という一番難儀なアタシみたいな人間が「ほぼ失敗しないチャーハン調理法」を伝授しましょう。まァ何とも大きく出たものよ。
それは「ご飯を洗う」ってやり方です。これは最近わりとやってる人が多いみたいだけど、ぜんぜん上手く作れない、かえってベチャベチャになったとか、ダマが盛大に出来た、みたいな意見も多いようです。
しかしコツというよりは手順レベルの話なんだけど、とにかくここさえ押さえておけばまず失敗しません。
それは「とにかくご飯をしっかり洗う、んでとにかくしっかり水を切る」ことです。
ザルは絶対に必要です。これだけは用意してください。そのザルにご飯を移し入れる。炊きたてでも冷やご飯でもどっちでもいいです。
あとは米を研ぐ要領で、しっかりご飯を洗う。肝心なのはご飯から手を離した時にご飯粒が手にくっついてる、もしくは手がヌルヌルする、それは洗いが足らない証拠です。とくに炊きたての場合は粘りがあるので、しつこいくらいその粘りを落としましょう。
あとはザルに入れたまま放置。最低30分。しっかり余計な水分を切ります。
次にボウルかなんかに移し変えた後、サラダ油を小さじ2杯程度投入して、しっかり混ぜる。
これだけ。もうこれだけです。あとはいつものように、というかお好みで具を炒めたりお好きな味付きにしちゃってください。
この方法なら
・絶対にダマにならないし、ベチャベチャにもならない
・油の量を完全に調整出来るので、パサパサにもドロドロにもならない
と良いことづくめなのですが、それでもアタシよりさらに不器用な人、そんな人はこの世にいないと思うけど、自信がないのであれば「ご飯、卵、具材を別々に炒める」方法がオススメです。
最後はもう火を消したままでフライパンに全部ブチ込んで軽く混ぜる。具材に汁気があるのであればあらかじめ切っておけば完璧です。
今回紹介したのは「ブキッチョであろうが絶対に失敗しないチャーハンの作り方」ですが、味付けは好みがあるだろうからあえて書きませんでした。
ただ、これがあればより美味くなるっつーか、実はチャーハンに限らない万能の調味料なんだけど、もし何らかの形で「マイルドチリペッパー(パウダー)」が入手出来るなら軽く入れてください。
名前からもわかる通り、チリペッパーたって「マイルド」だからね。大量に入れない限り辛くはなりません。だからちょうど良いアクセントになってくれるのです。
これ本当に便利で、和洋中何でもイケる。イタリアンっつーかパスタに合うのは言わずもがなです。
けどこれ、たぶん日本で売ってないんだよね。アタシも一時期必死で探したけど、マジでどこにも売ってないんだわ。
だからロンドンに行った時に大量購入してくる。前回行った時も「あんた、何しにいったんだ」って言われるくらい帰りのスーツケースの中はスパイ類でいっぱいだったし。
・・・え?チャーハン?ああ、そんな話だったな。う、うん、チャーハンは美味いよなぁ!ん?そういうことじゃない?