何か、遅くなった
FirstUPDATE2017.10.7
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ムーアの法則、という言葉があります。要するに一定の期間で半導体の集積率が2倍になる、みたいな話です。ま、一定期間ってのは1年とか18ヶ月とか2年とか、いろいろ説があるようだけど別に精細に調べるつもりはないからこうしておきますが。

ま、必ずしもそうではないんだろうけど、半導体の集積率が2倍、ということは、すなわち性能が2倍、もしくはサイズや価格が半分になるってことでしょう。
でもね、こんなことを言ったらアレだけど、何だかものすごく、進化が遅くなってる気がしているのですよ。ムーアの法則なんて言われて納得できないくらいには。

メチャクチャ古い話をします。
日本でラジオ放送が始まったのは1925年のことです。ギリギリ大正時代。もちろんテレビはまだありません。
この頃すでに映画は普通に庶民の娯楽となっていましたが、言うまでもなくサイレント、無声映画ってヤツでした。
今から考えると不思議なんだけど「映画=絵は出るけど音が出ない」「ラジオ=絵は出ないけど音は出る」というものだったんですね。
絵と音、両方をいっぺんに楽しめるようになったのは1930年代に入ってからです。この頃からポツポツとですがトーキー映画が作られ出している。

ではテレビは、というと、本放送は1953年なのですが、まァこの時代のことがお好きな方ならおわかりでしょうが、1920年代から研究が盛んになり、1940年に行われる予定だった幻の東京オリンピックはテレビジョンでの中継を予定していました。つまり1940年にテレビの本放送をやるつもりだったのです。
(現注・この話はココに超詳しく書いたのでオミットします)

映画=映像だけ、ラジオ=音だけ、と言った期間はたった5、6年です。それ以降は映画=映像+音になった。さらにそれから10年も経たないうちに、今度は映像+音を電波で飛ばせるまでになった。
この進化スピードはすごい。ムーアの法則どころの騒ぎではありません。
さすがにここからは進化の速度は緩んでいきます。
日本でカラーテレビの放送が始まったのが1960年。実験放送から数えると20年後ですが、それでも実際の本放送開始からは7年しか経ってないと考えれば、まだ進化スピードはたいしたものです。

ところがここからが極端に遅くなる。
アナログ→デジタルの進化は順当なのですが、地上波デジタル放送が始まったのは2003年。カラーテレビ放送が始まってから何と43年も経ってからです。
もちろんその間もクリアビジョンなるものが登場したり、音声多重化、文字多重放送、あとは衛星放送も始まっては、いる。でもいずれもマイナーチェンジの域でしかなく、少なくとも1925~1940年の進化に比べれば、あまりにも鈍化しています。

何だかテレビの話を長々書きすぎたので駆け足でまいりますが、パソコンやスマホの進化も、一時だけ急激に性能が伸びたりはしたけど、どうも遅い。まだまだムーアの法則は成立しているとは言いますし、たしかに横に置いて比べたら劇的に速く便利にはなってるんだけど、それこそ二十一世紀に入ったばかりの頃に比べて劇的に変わった「感じ」がするかといえば、しない。

つまらない話を書きます。前に「2000年にiMac DVを買った」みたいなことを書きました。
一応iMac DVのスペックを書くなら350MHzのCPUにRAMは64MB。今見たら笑っちゃうような数字が並んでるんだけど、「BUGDOM」っていう3Dのゲームが標準で付いててね。当時のアタシはこんな程度でもビックリしたんですよ。ゲーム専用機でもないのにちゃんとポリゴンのゲームが出来るってことに。

たしかにね、「BUGDOM」なんて最低限も最低限のことしかやってなかったと思いますよ。プレイステーション(も持ってた。もちろん初代ね)のゲームと比べてさえショボいといえばショボい。
だけれども、それこそポリゴンゲーム初期の「バーチャファイター」と「BUGDOM」、「BUGDOM」とPS4の、・・・最近のゲームは知らないから名前は出せないけど、一番グラフィックが優れたゲーム、どっちが「はっきり目で見える進化を感じるか」となったら、似たり寄ったりだと思うんですよ。方やたった6年、方や18年も時間が経ってるのに。3倍も時間がかかってこの程度の進化かよ、と。

1940年までのテレビの進化スピードを考えれば、とっくにホログラムテレビが出来てなきゃおかしいし、PC-8001→X68000(この間8年)とか、ファミコン→プレイステーション(この間11年)の進化を考えれば、初代プレステ発売から23年も経った2017年なら、PS VRの100倍1000倍のことくらい余裕で出来ないと計算が合わないような。

そりゃ、黎明期は進化が速く、また商売上や政治的な都合から進化が遅れることがあるのはわかるけど、いくらなんでも感覚的に鈍化しすぎなんですよねぇ。
何かね、こんなふうだから、あと何年かで大半の仕事はAIに取って変わられる、なんて言われても、まったくピンとこない。量子コンピュータが、と言われても、民生機まで降りてくるのとかそれって何十年後の話だよ、としか思えなくて。

ホントにそんな未来なんてあるの?どうせアタシが死んだ後の話でしょ?さすがに関係なさすぎるよ。東京大阪間にリニアモーターカーが走ることよりもっと関係がない気がしてしょうがないわけで。







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