2005年M1グランプリを見てかく思う
FirstUPDATE2006.1.4
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「忍者ハットリくん」の映画、つまんなかったな。原作のイメージを完全に消して見てもつまんなかった。流れが全然なくて、全部がブツ切り。こんなんよりも「タリラリラーン」のベタドラマの方が100倍ぐらいおもしろかったのが情けない。

あけましておめでとうございます。藪似です。2006年になって急に書くペースを戻すわけじゃないですが、まぁぼちぼちと更新していこうと思っています。
さて、TBS系で放送された「史上空前!!笑いの祭典ザ・ドリームマッチ06」に関してはまた後日書くとして、関西に住んでいますと、年末年始はあきれんばかり漫才をあびてしまいます。別に見なきゃいいのですが、漫才の不思議なところは、立て続けに10本とか20本とか見せられてもたいして飽きないというか、もたれないのですね。ダラダラ<ながら見>をしてもいいし、集中してみても「時間の無駄」とまでは感じない。まぁそういう視聴スタイルを選ばないことも漫才番組の魅力といえるでしょう。

ずいぶん時間がたってしまいましたが、M1グランプリですね。順当に実力のあるコンビが決勝にでてきたという感じですが、去年がんばった南海キャンディーズの最下位も、アタシ的にいえば順当だと思います。
といっても南海キャンディーズを低くみているわけではなく、ああいう見せ物要素の強い、邪道漫才が評価されるのは逆によくないわけでして、「すごい売れるけど、賞はとれない」ってのが正しいあり方だと思うんです。まぁ結構賞をとっちゃってるけどね。

決勝の予選を見る限り、麒麟とブラックマヨネーズが抜けてる気がしました。笑い飯はどうもマンネリを感じずにはおれず、ネタもイマイチだったんで、決勝にあがってきたこと自体が不思議でした。なんかあの形が完成ってのもどうなんだろ。
麒麟はずっと「まぁまぁおもしろい」って感じの人たちだったんだけど、ここにきて急激におもしろくなった気がします。これはM1じゃなくて正月特番かなんかだったけど、ひさしぶりに漫才を見て爆笑してしまいました。テレフォンショッピングという、まぁいやありがちな題材のネタなんだけど、川島の心地いいテンポにすっかり乗せられてしまったって感じです。年末年始合わせて他にも数本ネタを見たけど、どれもおもしろかった。今日はひさしぶりに「夜道をつけられる」っていうネタを見たけど、昔やってた時よりもおもしろくなったような気がしました。

さて、当然ブラックマヨネーズにも触れないわけにはいきません。
この人たちは身なりと口調のガラが悪いうえに、身体的特徴をあげつらう部分があったりして、一見邪道っぽいんですが、ネタをよく聞いてみると、非常に正統派というか、今時こんな古いスタイルで大丈夫なの?とすら思ってしまうぐらいの正統派です。(スタイルだけでいえば、オール阪神・巨人よりもよっぽど正統派です)
ただ今年に入ってから、その正統派に円熟味がでてきたというか、なんとなく昔のWヤングっぽい感じすらでてきたように感じてました。

しかしですね、昔ここに書いたように、どうも正統派の漫才コンビはマスコミ的には売れないというか、昔期待していた矢野・兵頭とかティーアップなんか、すごい正統派でおもしろいのに、イマイチ前面にでることができなかった。さいきん大木こだま・ひびきがテレビによくでるようになりましたが、あれも邪道的な部分ででているだけだし。
こういうコンビは南海キャンディーズや安田大サーカスと反対で「賞はとれるけど、売れない」というのが定説というかね。定説はオーバーか。
そうこう考えるとブラックマヨネーズはこの中に入ってしまう可能性もあったと思うのです。

いやいや、よく考えると、よく考えなくても、M1って賞取りレースなんですよ。でも他の賞とは注目度は全然違うし、審査員の考え方も偏ってるように思える(他の賞も別の意味で偏ってますが)。その中でブラックマヨネーズが優勝できたってのは、かなり大きな意味があると思うのです。
今風のスタイルじゃなくても、ネタをしっかり作り込んで、しっかりやれば大きな注目が集められる。そう人々に気付かせたブラックマヨネーズはホントにすごい。最後のネタなんか、ちょっと感動しましたもん。ブツブツ・ハゲネタを一切封印して本ネタだけで勝負して、あれだけ客と審査員の心をガッチリつかんでしまった彼らには本当に頭が下がります。

スタイルも大事だけど、やっぱりネタの練り込み度の方が大事なわけで、大晦日の特番でやってた、マスコミ的には売れまくってるキ○グコ○グのネタなんて、ブラックマヨネーズに比べれば子供の手遊びレベルですよ。ということも如実にわからせてくれたブラックマヨネーズに心から乾杯!

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はい、令和からオハコンバンワですが、12年後、つまり2017年になって再びこの年のM1を振り返るエントリを書いてます。
別エントリにする意味もないので、↑の本文と重複するところは割愛しつつ、ここに掲載します。ではどうぞ!

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Amazonプライムビデオに2005年分のM-1グランプリがあるのを見つけてね。で、見たわけです。もう完全にこのエントリを書くためだけに。何しろ漫才番組すら長い間見てないですから。んで久しぶりに見た漫才が2005年の、とはトチ狂いすぎてますな。

そんなことはどうでもいい。
この回の決勝戦に進出した(つまり番組でネタをやった)のはこの9組。括弧内はネタの感想。

・ブラックマヨネーズ(優勝。詳しくは後述)
・笑い飯(やっぱギャグの串刺しは好きになれん)
・麒麟(喧嘩ネタはいらない。川島は淡々としてた方が面白い)
・品川庄司(後半はまずまずだったけど前半がダメ)
・チュートリアル(徳井の狂気に未完成感がある)
・タイムマシーン3号(デブネタ推しはねぇ。営業ならいいんだろうけど)
・アジアン(まだいろいろと中途半端。今後も漫才は続けて欲しい)
・南海キャンディーズ(点数は低かったけど、意外に良かった)
・千鳥(敗者復活。ネタの発想はいいんだけど、落とし方が幼稚)

月日が経って改めて見直すと、麒麟とチュートリアルはやけに未完成な感じがする。
とくにチュートリアルは翌年(2006年)に優勝するわけですが、これは見返したわけじゃないけど、この時の方が「完成されたチュートリアル」みたいな感じだったような気がします。

そういう意味で凄いのはブラマヨで、もうこの時点で完成されている。今は小杉の体型も変わったし、いろいろ「ゆったり」したっぽい感じにはなったけど(とか書いてるけど、この2年ほどブラマヨの漫才を見てない。ま、最後に見た時に比べて、ですね)、2005年の時点ですでにブラマヨ流の客の引き込み方が完成しているんです。
正直他のコンビは、4分は長いな、と思う人らもいた。というかブラマヨだけですよ、あれ?もう終わり?もう4分経った?って感じだったのは。つまり完全にアタシもブラマヨのペースに引きずり込まれていたってことです。

そしてあらためて感心したのが吉田の声の良さ。今までそんなふうに思ったことがなかったんだけど、美声を売りにしている麒麟川島よりずっと声がいい。通りやすくて聴き疲れがせず、しかも実は色気がある声です。アタシがブラマヨの漫才に引き込まれるのは、ネタや掛け合いの面白さよりも、もしかしたら吉田の声にやられているのかもしれないな、と。

これね、M-1みたいな形で比べるととくにわかるのですよ。
やっぱ、笑い飯の哲夫みたいなハイトーンは聴けば聴くほど、こっちが疲れてくる。麒麟田村はどっちかといえば低い声なのに、ハイトーンでツッコんだりする。
でも吉田もだけど、小杉もあれだけ声を荒げてツッコんでるのに、ハイトーンにならないんですね。
こと漫才にかんしてはブラマヨは破格です。チュートリアルも麒麟も笑い飯も、そしてフットボールアワーもサンドウィッチマンも、ネタだっり呼吸だったりが完璧で初めて完璧な漫才になるのにたいし、ブラマヨは吉田の声と小杉の声だけあれば、それだけで完璧な漫才になる。つまりネタも呼吸も「上積み」でしかないんだから。

なんか笑いのことを久しぶりにちゃんと書いたから疲れた。笑いなんか分析するもんじゃないね。どういったらいいのかわからないけど、どうも、ダサい行為だわ。

「<笑い>の分析=ダサい行為」ってのは、これでもまだオブラートに包んだ言い方で、<笑い>について書くと嫌な記憶が甦って辛いんですよ。
というような話はココで書いてます。




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