先日友人、ま、動画でも出てもらってる次郎丸さんですが、と話してて、自分がやってて一番充実した気持ちになるYouTubeチャンネルというか、動画のカテゴリは何だろ？みたいな話になったんですよ。
そうです。たんに「儲かる」でもなく「楽しい」だけでもない。充実した、です。つまりプライベートまで影響を及ぼす、でもネガティブ影響はほぼなくポジティブ影響のみ、そんなカテゴリがあるのかと。
要するに完全に趣味と実益を兼ねたってことになるんだけど、アタシもいろいろ考えたけど、これが意外とない。
たとえばガジェット系なら「案件」動画制作と引き換えに商品提供をしてもらえたりはするんだけど、本当に欲しい商品は結局自腹になるし、たいして欲しくない製品で部屋が埋め尽くされていく。つまりよほどの、はっきり言えば狂的レベルのガジェットオタでなければあんまり旨味がないなってことになる。
「楽しい」を前提とするならどうしても「そうしたジャンルを愛して止まない」みたいな気持ちが必要だし、というか人間、好きなことについてはいくらでも楽しく喋ったり出来るけど、いくら儲かるとしても楽しくないことを楽しそうに喋るのはしんどい。もうこうなるとただの仕事にしかならない。
つまり「儲かる」と「楽しい」の両立は難しいのです。もう奇跡的に両立が可能なジャンルならいいけど、たとえ同じジャンルでも自分が面白いと思うことと考えが完全に一致して、なおかつ再生回数が回るって、これはよほどの才能が必要です。
それでも「儲かる」と「楽しい」が両立出来そうなジャンルはある。先ほど挙げたガジェット紹介系もそうだし、アタシが好きな事件系だってそれは可能です。
しかしこのふたつを例にとっても「プライベートとガッチリ結びついてる感」はまるでない。どちらも趣味の範疇を超えることはない。小銭稼ぎのおかげでプライベートが潤うことはあるにしても、かなり間接的な影響です。
アタシが言うのはそういうことじゃない。もっと言うならプライベートの楽しみそのものが動画になり、なおかつ多くの人々の関心を惹きやすい、そんなジャンルはないのか、という話でして。
たったひとつだけ該当するジャンルがあるとするなら、それは鉄道系です。
鉄オタと言ってもかなり枝分かれしているのは事実です。ただとくに一番難しいのが乗り鉄系だった。
当たり前だけど先立つものが必要だし、それを用立てるためにはキチンと働かなきゃいけない。しかし乗り鉄として本気でやりたいなら高い頻度で長期休暇が必要だし、年に何度も長期休暇が取れる仕事なんかそうそうない。
キャンプ系なんかだとせいぜい1日2日の話なので休日を利用するだけでも可能だけど、時間がどうしてもかかる乗り鉄はそれも難しかった。
ところが、もし、YouTubeの収益で生活費や旅費がまかなえたら、そもそも正業に就く必要もない。乗れば乗るほど動画の素材が積み上がっていくわけで、ホテルで編集してアップとかしてりゃどんどん新規動画が上げられる。
極端に言えば、一年中乗り鉄旅を続けられる。つか逆に言えば居住地にいる期間は無収入になってしまうので、なるべく列車に乗ってた方がいい。
あくまで「YouTubeの収益で生活費や旅費がまかなえる」という大前提は必要ですが、これこそまさに「やってて一番充実した気持ちになる」ジャンルなんじゃないかと。
冒頭の話に戻りますが、友人と喋ってて、あ、そうか、乗り鉄系か、と思いついたんだけど、同時に絶望的な気持ちになった。何故ならアタシには絶対にやれないジャンルだから。つかもっとはっきり言えば鉄道について一切、何の興味もないから。
もうめちゃくちゃ変な話をしますが、もしね、こういう時代が来るとわかっていたら、もっと早い段階で、強引にでも、何とか自分の趣味趣向を捻じ曲げて、鉄道にかんして興味を持とうとしたはずです。だってこんな楽しい人生ないじゃん。
アタシは「鉄道」にかんしての興味はほぼゼロなんだけど「旅」は大好きなんですよ。それもまったく来たことがない場所に来たらゾクゾクする。しつこく「都会好きの田舎嫌い」と書いてますが、だからこそ都会（というか東京）に住んで、短時間（海外とかなら短＜時間＞ではなく短＜期間＞だけど）限定でいろんな街に行きたい。それが一番人生が潤う生き方だってのはわかっている。わかってはいる。
でもね、さすがに、現実問題、難しいですよ。乗り鉄系ユーチューバーとして儲かってたとしても、やっぱいろいろ難しい。
だからどうやっても乗り鉄系ならぬ旅系ユーチューバーにもなれない。こういうのってフルタイム（すべての動画が旅系）でないとダメで、パートタイム（たまに旅系動画が挟まる）では話にならない。だからウチのチャンネルで、旅動画をやりたい意思はあるけど、んでやるかやらないかで言えば当然やれるんだけど、間違っても再生回数が回ることを期待しちゃいけない。ウチは映画以外はダメですから。
だとしてもです。
もし鉄道全般に知識があれば、というか「鉄道系」というラインを守れるのであれば、普段は安楽椅子型の鉄道動画で、たまに乗り鉄動画が挟まるみたいなんだったらイケた。
でも映画レビュー系で旅動画と関連付けるのは難しいですよ。一応ロケ地巡りみたいなのは出来るんだけど、正直ロケ地巡り動画で面白いのに出くわしたためしがないんで。つかあれって調べるのが死ぬほど大変なわりに面白くならない。当時の光景と今の光景を見比べて、どうです？変わりましたよね、とか言われても「だから？」って気分にしかならないもん。
マジでロケ地巡り動画ってどこに需要があるんだろ。ロケ地巡りが可能で、なおかつ光景が変わってる＝昔の邦画に限定されるわけで、昔の邦画が好きで、＜街＞が好きというか街の歴史的なものが好きな、まさしくこれ以上ないほどターゲットになりそうなアタシが見ても面白くないってよっぽどだよ。
しかもタチが悪いのが、すんげぇちゃんと調べて作ってる動画でも面白くならないんだからね。
いやそもそも映画ってジャンルが広がりそうで広がらないんだよ。だから映画一本で行くのは良くないとは思ってはいるんだけど。
鉄オタにならなかった自分への後悔
FirstUPDATE2025.9.4
