クラッチヒッターってなんだ?
FirstUPDATE2025.6.30
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今年に入ってからとくにですが、わりとね、友人とLINEしながら試合を見ることが多くて。

その友人、ウチのYouTubeチャンネルを見ていただいている方ならおわかりかもしれないけど、ま、次郎丸さんなんですけど、も阪神ファンで、やっぱ6番問題ってよく話題に出るんですよ。
アタシはもうメチャクチャ得手勝手な「理想の6番打者像」みたいなのがあって、数字的にはホントにたいしたことがない。でもとにかく相手から見て「気持ち悪い」バッターがいいと。もちろん気持ち悪いってのは見た目の問題じゃないよ。数字もたいしたことないし、ここまでぜんぜんタイミング合ってるように見えないけど、なんか不気味なんだよなぁ、みたいな。そういう打者が6番にいるって強いですよ。

1980年代で言えば、それこそ阪神で言えば佐野仙好とか、あと広島にいた長嶋清幸のようなね、打つ打たないの問題じゃない。クリーンナップが終わって本当ならひと息つくはずなのに、下手したらクリーンナップより気持ち悪い選手が出てきた、というか。
でもやっぱ、これは才能がいる。いや才能じゃねーな。打者としてのタイプで極端になれるなれないが変わるような気がして。

プロ野球には「天性のクラッチヒッター」と呼ばれる打者がいます。
それこそ古くは長嶋茂雄だけど、佐野仙好や長嶋清幸もそう。あとスタメンではなく「代打の切り札」もたいていは持って生まれた勝負強さがある。
阪神でクラッチヒッターと言えば先の佐野仙好もだし、何より現代野球で脅威の打点数を記録した今岡誠がいた。もう少し最近で言えばドメさん、つまり福留孝介もそうだった。
代打の切り札(阪神に限っては代打の<神様>だけど)で言えば真弓明信、八木裕なんかはもう文句なしに勝負強い選手でした。

しかしね、ふと思ったのですよ。
佐野仙好、真弓明信、今岡誠、八木裕、福留孝介・・・これらの選手にひとつだけ共通点を見出した。
それが「見ようではものすごく淡白な打者」という。
佐野仙好はさすがに古いので存じ上げない方も多いでしょうが、まったく同じボール球を3球振って来るような選手だったし、真弓も不調期に入るとものすごく淡白だった。今岡だってど真ん中の球をあっさり見逃して踵を返すような選手だったしPLの後輩のドメも「はいごめんなさい」でベンチに帰ってきてた。
一番わかりやすいのが八木裕で、スタメンで出てた頃は散々淡白な打席を叩かれてたけど、代打になって以降は勝負強さで貢献してきたわけです。

淡白、というのは言い方を変えれば要するに「典型的な読み打ちタイプだった」ということです。
とにかく球種、もしくはコース、もしくは打つ方向を絞りまくる。絞りまくって、読みが完全に外れて、まったくノーチャンスの球が来たら知らん顔して見逃したり気のない空振りをしたりする。
もちろん<読み>が当たったら完璧に打球を捉えるんだけど、アウトのなり方があまりにも淡白なので「懸命にやってない」と目されやすい。

でも実は勝負強い、いわゆるクラッチヒッターってのはこうした、狙いが外れたら「ハイごめんなさいね」出来る打者なんですよ。
これ、逆に言えば、粘りが信条みたいな、とにかくボールに食らいつくようなね、今の阪神で言えば糸原健斗のような打者はクラッチヒッターにはなれないと思うんです。
いやこれは糸原が良い悪いの話じゃない。ただたんに打者のタイプの話です。

打線ってね、やっぱ、極端な「粘り打ち」タイプと極端な「絞り打ち」タイプがひとりずついた方がいい。ついでに言えば控えというか代打も両方いた方がいい。
代打のがわかりやすいけど、イニングの先頭でとにかく塁に出て欲しい場合は左打ちか右打ちかに関係なく、とにかく粘り打ちタイプを代打に出して、チャンスの場面では「絞り打ち」タイプを代打に出すと。
イニングの先頭はとにかく相手にいろんな球種を投げさせた方がいいし、チャンスの時はどうしても相手も使える球種が限られる=狙い球を絞りやすいので絞り打ちの方が結果が出やすい、それだけの話です。

では現今、阪神で「ハイごめんなさい」が出来る打者は誰かと言えばひとりだけいる。
たんに勝負強さだけで言えば「令和の長嶋茂雄」とまで言われる森下翔太や佐藤輝明のが上だけど、チャンスの打線で「ごめんなさい」が出来るのはただひとり、近本光司だけです。
たぶん近本は自分で「極端に狙い球を絞るタイプ」みたいな発言はしたことがないと思う。でも打席を見れば一目瞭然で、あのタイプにしては珍しくクソボールも振れば見逃し三振も多い。逆にファールで粘って粘ってってのはあまりない。たまにファールばっかり打ってる時はあるけど、見るからにタイミングの微調整が出来ないんだろうなぁみたいなファールなんですよ。

だからね、将来的に、近本があまり走れなくなって一番を打つのがしんどくなってきたら是非6番を打たせて欲しい。今はまだ「一番打者として」出塁率の問題もあるしみっともない凡退はしないようにしてるんだろうけど、その枷を外して「勝負どころの打席」だけに命をかけさせたら、たぶん歴代でもトップクラスの「気持ち悪い」6番になれるはずです。

アタシが指標を信用してないのはそういうところなんですよ。だって「気持ち悪い」の指標化なんて出来ると思う?つかアタシは野球というスポーツが好きなのであって数字遊びは別に好きじゃないから。







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