ネクスト文字入力
FirstUPDATE2025.6.12
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昔書いたことがあるんだけど、スマホのスワイプ文字入力はマジで世紀の大発明だと思ってるんですよ。

あれ、開発された経緯がややこしくて、個人の方がAppleのNewton用文字入力ソフトウェアとして開発したものがベースになってるらしい。
そのソフト、最初は特許を取ってたようだけど、更新を怠って失効してしまい、失効からしばらくしてソフトバンクがiPhoneを発売する際=日本語ローカライズをした際にNewton用文字入力ソフトと「ほぼ同じ仕組み」の、今ではiPhoneだけに限らずAndroidでもお馴染みの、あの文字入力が誕生したと。
だから、いくら特許を失効していても<祖>はNewtonのソフトウェア開発者の方で、いわば<中興の祖>がソフトバンクの開発者ってことになるわけで。

これも何度も書いてきたけど、PDAなどのモバイル端末の難点はとにかく文字入力が絶望的にやりづらいことで、Palmのグラフィティは日本語入力には向かず、しかたなしに各メーカーは外付けのミニキーボードを用意したりしていた。
WILLCOMから出ていたシャープW-ZERO3はキーボードがスライド式内蔵でしたが、結局「いくら豆粒サイズのキーでもキーボードがないとWindowsMobileなんて使い物にならなかった」から内蔵させていただけです。

それを変えたのがスワイプ入力なんだけど、じゃあスワイプ入力が物理キーボードに取って代わるほどかと言えばそこまででもない。目の前に物理キーボードがあるのにスワイプ入力は普通選びません。
つまりね、それこそタイプライターの時代、いや19世紀に開発されたQWERTY配列のキーボードに代わる「これといった新しい方式」がいまだにないのです。
新しいどころか<代替>すらない。Dvorak配列や親指シフトも淘汰されたし、仮にこれらの配列が勝者になっていたとしても「物理キーボードである」という一点は変わらないわけで。

さて、ここまでは以前書いたことの総まとめみたいな内容ですが、何でまた、似たようなことを書こうと思ったかです。
どうもね、最近「AIの力で音声文字入力が使い物レベルになってきた!」なんて記事を目にすることが多くなったからで、でも正直、音声文字入力なんて仮にどれだけ認識率が上がろうとも120%物理キーボードの代替にはならない、なんて子供でもわかりそうな話です。

音声文字入力なんて使えるシチュエーションが限られすぎている。静かな部屋でひとりPCで作業する場合だけです。それ以外、電車の中だろうがカフェだろうがオフィスだろうが、はどうやったって無理です。
んなもん、オフィスで全員が声を出して文字入力、なんて考えただけでもゾッとする。そんなうるさい職場とかあり得ん。

そもそも物理キーボードのキータッチ音すら「カチャカチャとうるさい」と思うような人が多い国、というか国民性なんですよ。
カチャカチャ、は気にしない人はぜんぜん気にしないし、所詮は無機質な音なのである程度は慣れることは可能です。
でも<声>はそういうわけにはいかない。というかデスクの両サイドから意味のある言葉が発せられたら、普通は思考が弱まってしまう。もっとはっきり言えば「何を入力しようとしていたのかわからなくなる」はずです。

そのために全員、防音完備の個室にする?馬鹿馬鹿しい。そんな初期投資してたら会社なんて成り立たないわ。
あと「声は出さずに口の動きで判断する」みたいな技術も研究されてるみたいだけど、みんなそんなにはっきり口を開けて喋ってないよ。つか「PCが認識出来るほど口を大きく開けて」とかより物理キーボードの方が百万倍ラクだわ。そもそも「オフィスで全員、口をパクパクさせてる」ってちょっと怖くない?

いやそもそも、5時間物理キーボードで文字を打ち続けるのと、5時間弛まなく喋り続けるんだったら、絶対喋り続ける方が疲れる。「はっきり声に出して喋る」って意外としんどいし、もし喉が涸れてたらどうなのよ。
アタシも先日風邪をひいて動画の収録が出来なかったわけで、でも文章なら風邪だろうがなんだろうが思考さえ動いていればいくらでも書けますからね。

だからもう、音声文字入力は、どれだけ認識率が上がろうが、あくまで「ネクスト文字入力の手段」として考えたら0点です。
しかしこれで「物理キーボードの代替になる条件」も見えてくる。
まず、音声文字入力が引っ掛かった「場所問わず使える」ことが上げられる。ま、物理キーボードの唯一の弱点として「デスク(テーブル)がないと極端にやりづらい」というのがあるので、出来れば「ネクスト文字入力」ではそれは解消させたい。

「場所を問わない」ということは合致するとは言え、脳波を読み取って、というのもダメ。これは誤認識が頻発するからで、人間って思ったよりも集中してないんですよ。これを書いてるアタシも書きながら「今日の晩飯どうしよ」とか考えてしまうわけで、でも必ずしも「文脈から外れる=不必要」とも言えないわけで、これは難しすぎる。
つか脳波を読み取るなんて絶対に嫌がる人が出てくる。何しろ「動きを読まれたくないから曲がる時にウインカーを出さない」なんて言う人間がいるくらいなんですよ。この個人情報ガーと言いたがる人間が多い時代に「脳波をPCに接続する」なんて怖がらない方がおかしい。

ひとつ可能性としてあるのは「ゲームコントローラー型文字入力デバイス」です。要するに両手で鷲掴みするタイプというか。
これもないことはない。先述したPDA用のキーボードもそうだし、ゲーミングUMPCでも採用してる機種もあります。
でもこれは普通の物理キーボード同様QWERTY配列で、それなりのキー数を必要とする。となるとどうしてもひとつひとつのキーが豆粒サイズになってしまうと。
だからもし、新たに開発するならQWERTY配列から離れて、なるべく少ないキー数で、でも物理キーボードクラスの速さで入力可能でなければならない。

ただこれも問題があって、例えばアタシみたいに物理キーボードとマウスの併用をしている人はそれなりにいる。
でも両手鷲掴みならマウスを使うとなったら「一旦そのデバイスをどこかに置く」という工程が必要になり、これはやりづらい。かといってPS5のコントローラーみたいにタッチパッド内蔵とかにしたらと言われるかもしれないけど、タッチパッドよりマウスのが使いやすいと思ってるから、タッチパッドがある機種でもわざわざマウスを用意してるのに、これでは本末転倒です。
ま、ゲームコントローラーくらいなら、Switch2でも採用された「それ自体がマウスになる」ってのも可能かもしれないけど。

ま、言うが易しで、じゃあQWERTY配列に変わる、キー数が少なくて済む方式を考えるってのは至難の業だよ。つかもし出来たとしても、結局はこれも「物理キーボード」ってことになっちゃうんだけどさ。







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