正直、いわゆる「コタツ記事」を取り上げるのはどうかと思うのですが。
もちろんテレビ番組内でのことだから＜やらせ＞の可能性は大いにある。だから真に受けること自体が問題の可能性もあるんだけど、とにかくこれを読んでね、まず思ったのが「こんなの何の意味もないだろ」と。
だってさ、この同意書だって、相手さんの意思が本当に反映されてるかわかんないわけじゃないですか。男性側からしたら「無理矢理書かせる」ことも可能かもしれないし、女性側も「無理矢理書かされた」と言い張ることも出来るわけで、つまり性行為の合意性と同様「無理矢理だったかどうか」が争点になるわけで、結局、何の意味もないよなぁ、と。
アタシはけしてフェミじゃない。男性の方が優秀だとは思ってないけど、だからと言って無条件で女性のが優秀とも思ってないというだけです。
でもね、これ、最終的に損をするのは女性だろ、みたいなことはやっぱり許せなかったりします。
アタシの知り合いで、配偶者のDVからの後遺症で苦しんだ人が何人かいる。だからDV男性が許せないのは当然なのですが、一番許せないのが「証拠がないのを良いことに、まったくそういう事実はなかったのにDV被害を受けていたと訴える女性」です。
これで辛い思いをするのは本当にDV被害にあってる人なんですよ。つまり世間の目が「DV？どうせ誰も見てないのをいいことに、自分の都合の良いことを言ってるんだろ」みたいな風潮になってしまうことだと。
要するに、被害者と言い張る者の意見を無条件に採用するのは絶対違う。そんなの、それこそ法治国家のやることじゃない。
これで言えば、誰が悪いのかと言えば「DVされた、と嘘をつく女性」一択です。嘘をついた理由とか、社会の仕組みとか関係ない。保身のために他人を陥れようとした、もうこの一点だけで時代劇に出てくる悪代官と変わらない。
でもね、人間というのは保身のために嘘をつくのは当たり前だ、他人を陥れるような結果になってもそれはしょうがない、というのがベースとなった社会は作れないですよ。
そうなったらです。女性の性被害をなくすにはどうしたらいいのか、もうこれ、わかんないんですよ。
それこそ完璧になくそうと思うなら、国が然るべき組織を作って、男性側と女性側の両方から徹底的にヒヤリングをして、無事「国が発行する」性行為同意書が作成されたら、そこから初めて性行為をすることが許される、とかにならないと無理ですよ。しかも感情なんて日々変化するもんだから、一回の性行為のたびに同意書が必要になる。当然、結婚してようが一緒です。
でもそんなことにリソースを割ける余裕がどこにある？つか性行為ってそこまでしなきゃ成立しないものなの？つかこれって＜ほぼ＞自由恋愛禁止ってことにならないか？
法律ってのはどうやっても＜ある程度＞は性善説に基づかないと作れません。男性側は性行為の強制はしない、女性側は強制されたと嘘をつかない。もし強制したり嘘をついたら罰せられる。それが限界ギリギリです。
ごく普通に生活をおくっている人たち、恋愛して、その結果性行為に至って、みたいな人を縛り付けるようなことは出来るわけがないし、そんなことをしたらマジで国が終わる。それだけは避けなきゃいけない。
そもそもの話、性行為というのは密室で行われるものなのです。となると当然、どういう＜経緯＞があったのかわかるわけがない。警察の捜査でも裁判でももっとも判断が難しいところで、事実認定するためには山のような証拠を必要とする。
旧刑法の時代じゃないんだから、当事者の話だけを聞いて犯罪か否かは決めてはいけない。だからこそ女性側が泣き寝入りするケースが多いと言われるのですが、泣き寝入りを減らすのと被害者とされる側の意見を一方的に採用では話がまるで違う。
アタシはね、おそらくこういう話が出てくるきっかけとなった中居のケースでも、中居の話なんかまったく信用していない。と同時に被害者とされる女性の話も一切信用していない。これは「嘘をついてる」とかではなく、その場の心理状態やバイアスで、物事の見え方がぜんぜん違って見えると思っているからです。
性犯罪は撲滅すべき、この考えに一切異論はありません。しかしこれまた同時に、決定的な証拠もないのに加害者と被害者を分けることになってもいけない。
もっと言えば、もし加害者とされる側が犯罪を認めたとしても信用してはいけないと思っている。狭山事件だって、Iさんの証言を一旦認めてしまったがためにあんなことになったんだし。
いくら「やったのはオレだ！オレが犯人だ！！」と叫ぼうが、証拠がなければ有罪になるのがおかしい。つか司法ってそういうものでしょ。
何かね、どうも「司法」よりも「私法」が優先されすぎな気がしてしょうがないっつーか、「死刑」よりも「私刑」が当たり前になりすぎているというかね。
こんなの法治国家じゃないよ。つかやっぱ「私刑厳罰論」がもっと出てこないのは、ちょっと、ヤバいような。
