えと、まずは今週の阪神タイガースですが、たしかに2勝2敗1分は<普通>なんだけど、本当によく戦ったと思いますよ。相手投手含めて考えるとね。
とくに土曜日の試合です。
先発は大きく出遅れていた大竹。しかしさすがというか、2年連続二桁勝利は伊達じゃない。さらに言えばカープキラーぶりも伊達じゃない、というところを見せつけてくれました。
あれさ、もう広島ファンからしたらかなりのトラウマ物ですよ。とくにあのスローボールね。あれってそれこそ昔広島にいたフェルナンデスのナックルボールみたいなもので、その試合を抑えられるだけならまだしも、次の試合も引き摺るというか、打者の感覚が狂ってしまうような感じがあるんじゃないか。
だからこそなのですが、日曜日の試合で、土曜日にスタメンから外れた秋山を使わなかったのがよくわからない。
そりゃあ、阪神の先発は左の伊原ですよ。でも秋山クラスの選手に左対左とか関係あるか?たしかに中村奨成も頑張ってはいたけど、やっぱ、一番が中村奨成と秋山では阪神バッテリーのプレッシャーのかかり方がぜんぜん違ったと思うんですよ。
実際問題、金曜日の試合で秋山はライトスタンドにブチ込んでるわけで、何しろ甲子園のライトスタンドですからね、相当振れてないと入らないですよ。つまりそれだけ振れてる秋山を外したってのは、ねぇ。
話を戻します。
いやホント、大竹のピッチングはお見事のひと言に尽きる。怪我で出遅れ、正直二軍でもそこまで圧倒的なピッチングが出来てなかったし、唯一の一軍での中日戦も「良くも悪くもない」って感じだったけど、今回はきっちり仕上げてきたな、と。
あそこまで見事に「手玉にとる」感のあるピッチングも久々で、変な話、素人にもわかるレベルの手玉にとる感でした。
例えばヤクルトの石川も手玉にとるのが信条だけど、もうひとつわかりづらい。でも大竹の場合、あのスローボールを駆使することで誰にでもわかるレベルになってる。
もうね、さすがですよ。つか大竹を舐めすぎ。出始めた当初は「慣れられたら終わり」とか言われてたけど、そんなレベルの低いピッチャーじゃないよ。
広島にしか通用しないとか言われてるけど、むろんそんなことはない。中日戦はたぶん大竹自体の調子が良くなかっただけで、わりとどこでも通用する。でないと2年連続二桁は勝てませんから。
もうひとりは木浪です。
何度も言うように、特定の選手ひとりに向けてとんでもないヘイトを吐く莫迦はいるんだけど、この2年間の梅野に変わって今年は木浪がその対象になりかけていた。ってまだしつこすぎる梅野アンチもいるけどさ。
木浪にかんして言えば「エラーの連鎖」という悪癖はあるんだけど、アンチがガナリ立てるほど実は守備範囲は狭くない。平均よりやや狭い程度で、エラーの連鎖さえなければ内野が土の甲子園ということを考えればむしろ「よくやってる」レベルです。いやそれでもエラーの連鎖癖は援護出来んけど。
守備範囲も過小評価なら打撃も過小評価で、非常に残念なことに、高寺の方が木浪よりも上、なんて間違っても言えない。いやね、そりゃあ、高寺の9回2死からの同点ホームランはよくやりましたよ。それは本当に認めているし、よくやったと思う。守備も上手くはないけどハッスルプレーを何度かしてたしキビキビして気持ち良かったのも事実です。
でもプロ野球選手って一試合だけじゃダメなんですよ。そんなことを言えば木浪だって満塁ホームランを打ったりすることもあるけど、プロ野球選手はシーズン通して出場して、どれだけトータルで高い仕事が出来るかです。
そう考えるなら、高寺はもちろん、どうしても離脱してしまう小幡の方が木浪よりも良いとは言えない。
突然計算していた人材がいなくなる、それによって、仮に不可抗力であってもいなくなった人材の信用が落ちてしまうのは一回でもマネジメント側に立てばよくわかる。
だからアタシは徹頭徹尾、いわゆるスペを評価しない。昔で言えば上本とかマルテとか、ああいう途中で急に消える選手は「いたら使わなきゃいけない」分、ものすごくチーム構成の邪魔になると思っていた。
正直、小幡もそれになりかけている。去年だって一度小幡はレギュラーを掴みかけていたのに怪我で離脱した。
どれだけ潜在能力が高くても計算出来ない、であれば能力自体は「そこそこ」かもしれないけど、絶対に離脱しない木浪よりも上ということはない。あくまで現時点ではね。
そうは言っても、小幡の離脱中に「やっぱり木浪もやるなぁ」と言うのを見せつけなきゃいけなかった。でないと小幡が帰ってきたら再び小幡が離脱するまで出番がなくなってしまう。
でも木浪は打った。金曜日の一時は1点差となるタイムリーもだし、土曜日の先制タイムリーもお見事だった。得点にはつながらなかったけど、日曜日の、先頭打者での3ベースも良かった。
守備の日曜日の試合でファンブルしてしまったけど、良いプレーもあったし、やっぱり出たらそこそこはやるんだな、とちゃんと思わせてくれたのです。
ぶっちゃけ、土曜日の先制タイムリーはちょっと泣けた。だってさ、木浪が不動のレギュラーのシーズンに日本一になってるんですよ。もしそんなレベルの低いショートなら日本一になんかなれるわけがない。
変な話、その辺は糸原とは違う。
糸原はね、守備範囲の狭さ云々よりも、糸原がセカンドに入ったらあきらかにゲッツーがとれなくなるんですよ。
とにかくセカンドベースカバーが遅い。素人目でもわかるくらい遅い。やっぱ二遊間はどれだけゲッツーがとれるかがお値打ちなわけで、その点で糸原のセカンドは本当にダメダメだった。
でも木浪はちゃんとゲッツーがとれるもん。これはゲッツーと思ったら確実にゲッツーになる。それだけで糸原とは違う。
それにしても、大竹と木浪の、ここに来ての逆襲は嬉しい。だって「出来る」選手だから。これからも莫迦な、ネガティブ面しか見れないようなヘイトスピーカーの鼻をどんどんあかして欲しいな、と思うわけで。