40年後の「40年前の大百科」
FirstUPDATE2025.3.19
#Scribble #Scribble2025 #レトロ #本 #雑誌 #1980年代 #1970年代 #2020年代 #ノリ #やぶにらこぼれ #Yabuniraチャンネル 1970年大百科 文章 わかりづらさ スーパーのチラシ 動画アリ 単ページ

もちろん自炊済みなんて正確にはPDFファイルなんですが、とにかく手元に「1970年大百科」なんて書籍というかムック本というかがあります。

タイトルで何となく察しがつくかもしれませんが、これはいわゆる「レトロ本」で、つまり1970年前後の事象を網羅的に振り返る、という類いの内容なのですが、重要なのはこの本が発行されたのは1985年なんですよ。
ってわかります?たしかにこの頃は第一次レトロブームだったからこの手の書籍が発行されるのは変ではないんだけど、たかだか「15年ほど前」を「レトロ」と称して振り返ってるんですよ。

んで、今、この駄文を書いてるのが2025年。それから40年も経ってる。
いやぁ、これはイビツだなぁと。つまり「懐かしいでしょ?」ってことに針を振って編集したものは<たった>15年前で、それを40年後のアタシが見るっていうのが。
たしかに昭和は平成令和よりは圧倒的に激動の時代なので、15年違えばだいぶ違うのですよ。でもさすがに15年と40年では<分>が悪い。

1970年と1985年

1985年と2025年

これで「前者の方が移ろいが激しい。<レトロ>なんて言葉で振り返るのに適している」というのは無理がある。
つかね、まだ1970年、そして当然1985年も生まれている人間からしたら「1970年と1985年じゃだいぶ違うよね」と思うけど、平成以降生まれの人からしたら間違いなく「ぜんぜん変わんない」というふうに見えると思うんですよ。もしアタシが「ほら!ココとかココとかまったく違うっしょ!」と力説しても、何を重箱の隅をつついてるんだこのオッサン、としか思われないはずです。

つまり、です。何が言いたいのかと言うと、この「1970年大百科」という書籍、実は「1985年大百科」の要素を含んでいるんですよ。
もちろん取り上げているのは1970年前後のことなんだけど、もう端々に1980年代半ばの<臭み>が漂っている。つかたぶん、もしまったく同じ編集方針で、同じ事象の内容を取り扱ったとしても、今編集したらっつーか今のライターに書かせたら絶対こんな内容にはならない。どれだけ1980年代風文章に真似させて書かせても、そこはかとない令和臭が滲み出てくるに決まってる。

何でこの度、アタシがこんなことを書こうと思ったかと言えば、どれだけ取り上げる題材が過去のものだったとしても、書いた文章には必ず「書かれた時代」が反映されている。
それは固有名詞の問題じゃない。それこそ「インターネット」みたいな、少なくともその時代になかったようなワードを慎重に排除しても、結局は読む人が読めば「ああ、これは令和になってから書かれたものだな」とわかるはずなんです。

ウチのサイトで言ってもそうなんですよ。
Scribbleという形で2003年に書かれた文章から現在まで読めるようにしてるのですが、当時書いたまんま置いてる文章と、後年になって手を加えた文章はすぐにわかる。やっぱ、2003~2006年くらいに書いたものって、ワードの新しい古い、文章の稚拙さとかそんなの抜きにしても、何か「これは最近書いたものじゃないな」とわかる<何か>が潜んでいるわけで。

話を戻しますが、アタシは専門家ではないので、何で<わかる>のか、それはわからない。たぶん微妙なテンポとか<ノリ>の問題なんだろうなぁとは思うけど確証はない。
ただ確実に言えることは、これはこれで面白い、ということです。
1985年と言えば前回阪神タイガースが日本一になった年ですよ。そりゃあ、古いっちゃ古いんです。でも「古いから楽しめない」ということではない。もちろん「古いから<そこ>楽しめる」って感じでもないんだけど、何と言うか、もう、これはこれでアリ、というのが一番近い。

つかさ、もうつくづく思うけど、やっぱアタシは近過去が一番楽しいわ。
っても近過去の事象が楽しいってよりも、差異が本当に微細で、微細だからこそ掘っていくのが楽しいというか。わかりづらいから答えを探るのが面白いというか。
これが、それこそ江戸時代以前になると、違いすぎて、つまりは「わかりやすすぎて」面白くない。
1970年と1985年だって、ファッションとかそういう「わかりやすい」違いは面白くないんですよ。でもほとんど語られない、でも「あ、それはまったく違うな」みたいなことが面白かったりするわけで。


これなんか、本当に、絶妙なんですよ。つか昔のチラシってマジ面白い。何か「それ、あんまり掘られてないよな」みたいなことばっかりなんですよ。
つか「レトロ」ってそういうことじゃないの?と思う。表面だけ真似しても真似し切れないもの、大仰に言えば「ロストテクノロジーが入ってるもの」こそレトロだと思うわけで。