名前の「読み」問題
FirstUPDATE2025.1.25
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1月23日、東京は池の端にある「古書ほうろう」で行われた「地獄祭り前夜祭」に行ってきたのですがね。

これは「前夜祭」とある通り、1月24~26日にかけて行われている「エノケンMIX」というイベントの文字通り前夜祭なのですが、残念なことに予定が立て込んでいてアタシは「エノケンMIX」には行くことは出来ませんでした。
しかし、何とか23日の夜は都合がついたので、ギリギリ、前日に予約して行ってきたと。

そもそも「エノケンMIX」とは、ですが「エノケン生誕120年」とチラシでも謳っているようにエノケンこと榎本健一絡みのイベントです。
で、アタシが行けなかった本番では浅草オペラの再演や、山田参助とG・C・Rサロンオーケストラによるジャズ演奏などが行われている、らしい。何しろ行ってないのでよくわからないんだけど。
とにかく本番で行われた「浅草オペラの再演」の演目が佐々紅華作の「地獄祭り」だったので、予備知識の学習、という名目でこうした前夜祭が行われたと。
ま、アタシは予習も何も本番に行かないから関係ないんだけど、それでもね、どんな形でも参加することに意義があるわけで。

って当然、仮に本番を見れなくてもね、何しろ前夜祭の講師はアタシも懇意にさせていただいている毛利眞人氏です。
もうアタシは毛利氏に全幅の信頼を置いているので、面白いっつーか、少なくともアタシの琴線に触れまくる話をされるのは間違いない。となったら本番を見れようが見れなかろうが行くしかないわけで。
いや、このタイミングでお尋ねしたいこともあったし、毛利氏に渡すものもあったのでちょうどいいかな、というのもあったんだけどね。

しかしここで、このイベントで聴いた貴重な話を、というか、あまりにも専門的な浅草オペラの話を書き連ねてもしょうがないので、話の方向をちょっとズラします。
話の途中、梅園龍子という人の話が出た。この人は戦前ムーランの花で、って、だからそこはいいんだよ。専門的になりすぎるから。とにかく「エノケンの猿飛佐助」でヒロインを演じた人です。
アタシはこの人の「読み」をずっと「うめぞの・たつこ」だと思っていた。そして実際、やはり、たぶん「たつこ」で合ってる。
だったら何の問題もないんだけど、どうもムーラン時代、彼女への掛け声が「りゅうちゃん」だったらしいのです。

正直、え!?となった。でもインターミッションの時に毛利氏に尋ねると、やはり「たつこ」で合ってるという。でも観客からの掛け声(毛利氏の言う通り、きわめて初期の<ヲタ芸>の例)は「りゅうちゃん」だったと。
エノケン一座のコンポーザーだった栗原重一は長年「くりはら・じゅういち」と信じられていたけど、近年になって「s.kurihara」というサインが発見されて現在では「くりはら・しげかず」読みでほぼ確定と言われているし、エノケンの師匠である柳田貞一は一般には「やなぎだ」だけど、ソフトバンクホークスの柳田悠岐のように「やなぎ<た>」の可能性もゼロではない。
あとエノケン一座の北村武夫も「きたむら・たけお」ではなく劇中での呼ばれ方から「たけふさ」ではないかと言われてるし。

これね、こうやって文章っつーか文字として書くのであれば何の問題もないんですよ。つか書籍であっても全人名にルビが振ってあるのなんて見たことないし。
でも「発声」が伴うとそうもいかない。
アタシだってそうで、こうやって駄文を書いてるうちは「うめぞの・たつこ」だろうが「うめぞの・りゅうこ」であろうが「梅園龍子」と表記するだけなので何の問題も発生しない。
でもYouTubeをはじめたとなるとそうもいかないわけで。

何しろこれは人名です。つまり国語的に正しいかではない。どんな珍奇な読みであろうが親がつけた<読み>が正しいのです。
もちろんね、モノホンの研究者である毛利氏ですらわからないことをYouTubeの視聴者がツッコんでくる確率は低いですよ。
アタシはね、まったく世に知られていない、毛利氏以上の研究者がいたり、もしくは梅園龍子さんだったり栗原重一さんの身内から「それ間違ってるよ」と言われたら、いつでも謝る準備はあります。
でも「太夫ぶった才蔵」に絡まれる可能性もあるわけで、それはそれで面倒くさいなぁと。

名前の読み方って実例がひとつとかでは話にならないんですよ。
たしかにね、エノケンが師匠を「やなぎだ」呼びしてる映像は現存してるのですが、これが絶対的証拠かと言われると違う。エノケンがある種のスラング的に「やなぎだ」と言ってた可能性も、また「本気で「やなぎだ」だと信じていたけど戸籍上は違う」可能性もあるんです。
でもひとつの実例で言い張る人間はいつの時代にもいるからね。

さらに芸能人の場合、微妙に本名と異なるケースもあって本当にややこしい。
クレージーキャッツの犬塚弘は芸名も本名も「犬塚弘」なんだけど、芸名は「いぬづか・ひろし」であり、本名は「いぬづか・ひろむ」なんですよね。つまり読みだけが違う。
こうなるともう、戦前の芸能人のように<素>の喋りが極端に残ってない場合は正解を探り当てることがそもそも不可能なんじゃないかという気もしてくるわけで。

ま、んなこと気にしてちゃ何も喋れなくなるんでね、つかもし、本当に梅園龍子さんや栗原重一さんの親族から指摘されたらむしろ小躍りするわ。







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