ルールを守ってりゃ
FirstUPDATE2025.1.13
@Scribble #Scribble2025 #プロ野球2025年 #違和感 #メンタル #エンターテイメント 上沢直之 ダルビッシュ有 上原浩治 興行 ルール 刑法 松本人志 中居正広 渡辺恒雄 球団 松井秀喜 敬遠 新庄剛志 次の世代 単ページ

えと、本当は大晦日用のエントリにも書いたことなんですがね、更新するのを忘れてたんで今回あらたに書き直してみようと。

上沢直之の福岡ソフトバンクホークス入りには様々な、というか反感感情が非常に大きく、ま、喧々諤々になってるんですが、これにたいしてメジャーリーグ経験者であるダルビッシュ有と上原浩治が苦言を呈している。曰く「ルールの範囲内でやってるんだから何の問題もない」と。
正直、ダルビッシュや上原の意見を聞いて心底ガッカリした。いやいや、それはもう、論点っつーか大前提が違うよ、と。

その大前提というのは、日本のプロ野球にしろMLBにしろ、スポーツであると同時に「興行」でもあるわけです。それもとてつもない金額が動く世界有数の興行です。
そうした興行で、多くの人が反感をおぼえる行動をした、という事実は重い。何故なら興行である限りファンの声を無視出来るわけもなく、となるとどうなると思いますか?
そう、もう単純に「ルールの厳格化」もしくは今回のことで言えば「ポスティングシステムの廃止」にもなりかねないのです。つまり「上沢本人は何もないけど次の世代の人ががんじがらめになる」っつーか。これは例の田澤ルールもそうだったでしょ。

とにかく、今回の上沢の身の振り方は、ルールの抜け穴を利用した、自分だけがトクすればそれでいい<と思わせる>行動をしてしまった。
そうなんですよ。上沢は「自分のことを最大限に考えて行動した」わけです。それはわかる。わかるんだけど、自分のために行動すれば、何をやっても許されるわけではない。そんなことを言い出せば自分のために人を殺したり物を盗んだりすることも許さなきゃいけなくなる。

と書けば「それはルール違反だからだろ」と言われるかもしれませんが、行動原理において「自分のために」でも「他人のために」であっても、よしんば「会社のために」だとしても、そんなことは1ミリも関係ないんです。
実際問題、上沢は何の罪も犯していないので処罰を受けていない。それはルールの範囲内ではあるからで、でも「ルールの範囲内かもしれないけど反感を買うことをしてしまった」から叩かれる。これも当たり前です。

つまりね、ルールを守ってるかどうかで変わるのは「処罰を受ける」か否かだけなのです。
考えてみれば松本人志も中居正広も、少なくとも日本の刑法は犯していないので刑事罰は受けていない。でも「刑事罰を受けていない=叩かれるのはおかしい」という話自体がおかしい。
何度も書いてきたように、アタシは私刑にたいしてもっと厳格化するべきだと考えているし、今のようなネットリンチが正しいとはまったく思っていません。しかし、あくまで個人の感情として「不愉快」というのを「おかしい」というのは間違ってる。

選手の権利を守る、というのと、選手が何でもかんでも、自分のやりたいようにやるのとはまるで話が違う。というかナベツネの「たかが選手が」は言い過ぎだけど、だからと言って「たかが経営者が」とも思っていない。
さらに言えば球団は選手を守らなくてはいけない。もちろんあきらかに選手に非がある場合は別だけど、そうでなければたとえ球団が批難を受けようとも選手を守らなきゃいけないのです。
自分たちはカネに転ぶのに、球団は何があっても選手を守れって、どんなダブスタだよ。

これは以前書いたことと重複するのですが、ルール内ではあるけど、やるべきではなかったことは過去にいろいろありました。
例えば松井秀喜の5打席連続敬遠です。アタシが一番問題視しているのは「たかが一試合勝つために、いったい何人の野球人生をダメにしたんだ」ということで、あの件がトラウマになって野球を辞めてしまった選手がいっぱいいたのです。
それをね、叩く方がおかしい、と言っても何にもならない。そりゃあ、叩くヤツは何をやっても叩きますよ。でも不愉快に感じた人が多ければ多いほど、もう<抑え>が効かなくなる。

でも松井の敬遠騒動の時、松井の後を打った5番打者や相手高校の投手を気遣う発言はほとんどなかった。本当はそこを一番ケアしなきゃいけなかったのに、みんな正論を言いたがって「高校生の人生など知ったこっちゃない」って感じでした。
もし、松井を全打席敬遠したら、そういうこともあり得る。目の前の一試合を勝つためにそんなことになっても本当に良いのか、全国的に喧々諤々になっても自分は本当に選手を庇い切れるのか、選手たちの人生を全部背負い込むことが出来るのか、そういうことをね、あの監督が考えていたとは思えないんです。何かせいぜい「監督である自分だけが叩かれて終わり」と甘く考えてたんじゃないかと。

今回の上沢の件にたいして新庄剛志が苦言を呈していましたが、新庄ってね、メチャクチャやってることは大胆なようで、ものすごく計算高いのですよ。
というか土下座騒動の時に本当に懲りたんだお思う。ただの思い付きでやったらエラい目に合う。裏でいろいろ動いてから一見「大胆<っぽい>」行動をやんなきゃな、みたいな。
だから新庄の行動ってよくよく見てみると「メチャクチャ根回しが効いてる」ことばかりなんですよ。<大胆>と<思い付き>は違う、というのを徹底させたからこそ新庄は愛されになったと思う。

しかし上沢は安易な行動で「日本ハムに帰ってくる!」ことを大いに期待させた。これも全部「計算ずく」と言い張るのなら何も言うことはないけど、ま、こんな損するだけのことをするのはあり得ない。
新庄の育て方を間違えた、というのは(たぶん「育て方」という表現が叩かれると思ったら案の定だった)、これ、要するに「何で日本ハムに戻ってこないんだ」ってより「何であんな思い付きでやっちゃうんだ」ってことだと思うんですよ。つまり「もっと賢いやり方があったろ」と。

FAは選手の権利です。んでポスティングで海外移籍して、日本に戻ってくるとしてもどこの球団を選ぶかも選手の権利です。
権利だから何をやってもいい、何が悪い、と開き直るのって、結局損をするのは自分なんですよ。んで何より一番損をするのは「次の世代」です。
だってそれが<興行>だから。つか興行である限り、選手>>>経営側になるなんて思ったら大間違いだよ。







Copyright © 2003 yabunira. All rights reserved.