誤解があるといけないので最初に念を押しておきますが、何度も書いてる「THEつぶろ」さんのYouTubeチャンネルは本当に面白い、というのを大前提として話を進めさせていただきます。
THEつぶろさんのチャンネルで取り扱ってるのは主にオカルトネタなのですが、オカルトったって「こんな話がありますよ。怖いですねぇ~」で終わらせてないのがこのチャンネルの素晴らしいところで、ちゃんと「実際問題どうなのか」をかなりキチンと調べておられる。だからオカルトに興味のないアタシでも存分に楽しめるわけで。
ただね、何だか、THEつぶろのチャンネルを見ていくほどに、やっぱオカルトってつまんねぇな、と思い始めたのも事実でして。
と言っても「謎は謎のままの方がいい。変に解明されたら面白くなくなる」とか、そういう話じゃないんですよ。
とくに心霊スポット系の話になんですがね、もう、その<噂>ってのがビックリするほどパターンが同じなのです。
一家心中
一家惨殺
解体業者に災いが起きて建物が解体出来ない
もう、こんなのばっか。つかあまりにも<噂>の幅が狭すぎる。「一家心中って言っておけば真実味が出るだろ」とでも思っているのか?と。
しかもその噂がほぼデタラメ。ま、そういうのをちゃんと解明するのがTHEつぶろさんの面白さなんだけど、よくもまあ、こんなワンパターンな噂に踊らされて、というかよくこんなんで怖がれる人間がいるな、と。
「怖い」とか「ゾクッとする」というのは、やっぱりそこに何らかの真実味を感じてないとそういう感情は芽生えないと思うのですよ。
この辺はオカルトやホラー特有のもので、たとえば<笑い>であれば「ルーティーンに則っているからこその<笑い>」があるんだけど、恐怖心は「聞いたこともない話」のが絶対に感情を揺さぶられやすい。つまりフィクションかノンフィクションかはどうでも良くて、作り話なら作り話で常に新しい<手>というか時代に即したアップトゥデイトが求められているんじゃないか、とずっと思っていたんです。
なのに実際は、新しいどころかワンパターン極まれりの、手垢がつきまくったネタが蔓延っている。
もう時代は二十一世紀なんですよ?令和なんですよ?インターネットなんてメディアが当たり前にある時代ですよ?
当然のことながら検索すればいくらでも怖い話だの心霊スポットが出てくるわけで、なのに、どう考えても近年作られたネタでさえ、あいも変わらず、一家心中や一家惨殺に頼ってるってどういうことだよ。
そもそも一家心中や一家惨殺ってぜんぜんリアリティがないのよ。正確には「リアリティがありそうで、まったくない」というか。
何故ならそういうことがあれば報道されてないわけがない。とくに何もわからないに近い第一報だと忖度のしようもないので、ほぼ確実に何らかの報道はされる。
そして今の時代、それらの報道を探し出すのはそれほど大変なことではない。ましてや心霊スポットのようにはっきりと場所が特定されているのであれば、かなり容易です。
そしてもうひとつの「解体業者に災いが云々」もね、「権利関係があまりにも複雑すぎて廃墟化した建物が取り壊し出来ない」なんてニュースがいったいどれだけ出ているかって話で、さすがに国も地方自治体もマズいと思い始めたのか、廃墟化した建物を取り壊せる施策が実施され始めている。そりゃあ、あちこちに廃墟建築がある地域なんてイメージが悪すぎるからね。
そういうニュースさえ知っていれば、廃墟建築を見て「あ、権利でモメてるんだな」と思うのが普通で「解体業者に災いが」とか考えるわけがないし、実際、THEつぶろさんが調査されても解体出来ない理由はほぼほぼ権利問題です。
フィクションってのはやっぱり時代についていけてない人間が作るとメチャクチャになるんだな、と思った。
一家心中や一家惨殺なんて報道されない、事件化されない<闇>があるとか、土地の権利関係の難しさとか、そういうのを知らないで作るからリアリティのカケラもない、つまんないオカルトが出来上がるんだな、と。
いやね、フィクションなんだから<リアル>は必要ないんだけど<リアリティ>は絶対に必要なんですよ。
↑の動画でも喋ったけど、リアリティがないならないで構わないんだけど、でもそれはファンタジーってことになるんです。
<ファンタジー>な<オカルト>って何じゃそりゃ。いやまだ「ふしぎの国のアリス」とかならファンタジーでありオカルトチックな要素があるし、ちゃんと悪夢感があるけど、ファンタジーな心霊スポットってマジわけわからないよ。んなもんに誰がゾクッとするんだって話で。
マジでさ、もうちょい、ワンパターンから脱却しようや。つかさすがに一家心中や一家惨殺に頼りすぎだよ。そろそろそれは禁じ手くらいに考えないとダメなんじゃないの?ねぇ。