まァたまに朝ドラの企画って思い付くんですよね。ってのも良い感じに縛りがあるのがいいというかなんというか。
まず、やはり朝ドラである限り、女性主人公の方が望ましい。で、もうひとつ「幸福な人生を全うした」人の方が話を完結させやすいと思うわけで。
アタシが笠置シズ子をモデルにした「ブギウギ」にたいして、イマイチ気持ち的にもノレなかったのは、笠置シズ子の晩年ってけして恵まれていたとは言えないと思っているからで、そういうのを事実ベースで描くのは残酷だし、だからといって綺麗事で済ませるのも違う、と。
そうなるとね、とくに浮き沈みの激しい芸能人をモデルにするのはしんどい。
もしですが、例の「疑惑の銃弾」さえなければタアキイ(水の江瀧子)はイケたと思うんですよ。でもさ、あの事件をドラマで描かないのはウソになるし、じゃあ「朝ドラの枠内で」どうやってやるのよ?となったら方法がない。
さらに「マー姉ちゃん」として実際に朝ドラ化された長谷川町子だって、今だったら無理ですよ。だってあれは「姉妹愛」があればこその話だし、あれだけ姉妹間で拗れるとやりようがない。
そうなったら、そうしたスキャンダラスなことが「表沙汰になってない」、ま、いわば「プロジェクトX」で取り上げられるような一般には無名の人の方がいいってことになってしまうわけで。
それはもう、今後はどんどんそうなると思うんだけど、それでも掘り起こしようで、まだ著名人でもいると思うわけでね。
◇ 皐月晴れ(仮題)
2023年末に逝去された中村メイコをモデルにした、なんてすごくいいんですよ。
通常の朝ドラは「主人公の子供時代」はあっさり終わる。下手したら一週で終わったりしますが、中村メイコをモデルにするとなると「主人公の子供時代」の話をたっぷりやれるのですよ。
父親の中村正常も著名人だし、子役時代のエピソードは山盛りだし、上手くやれば全エピソードの半分くらい子役時代でやれる。
登場人物も実ににぎやかで、デビュー作で中村メイコの才能を見抜いたエノケンもだし、テレヴィジョンの父である高柳健次郎も登場させられる。
当然娘も著名人なので、朝ドラお約束の「バトンタッチの物語」もやれる。つか「アナログテレビ全史」がやれるんですよ。
こんな朝ドラにうってつけのモデルはそうそういない。つか出来ることならご存命の時にやって欲しかったと思うわけで。
◇ こぶし道(仮題)
もう、これは脚本が宮藤官九郎という条件で。つかクドカンがやらないなら朝ドラでやる必要がないと思う。
一応の主人公のモデルは城之内早苗。って早すぎると思われるかもしれないけど、むしろこのタイミングでやらないでいつやるんだって話で。
要するにね、クドカンが「あまちゃん」の中でアメ横女学園でやった「アイドルグループの裏側」をね、たっぷりやって欲しいと。
当然、モデルとなるのは「夕やけニャンニャン」ですよ。ということは、とんねるずをモデルにしたキャラも出てくるわけで、と書けば「何故、今なのか」がわかるはずです。
今であれば「若き日のとんねるずを誰が演じるのか!?」と話題になるのは必至だし、どこまで再現するんだってことになってきますからね。
城之内早苗は幼少から民謡を慣れ親しんだってのも設定として面白いし、演歌歌手としてデビューを目指していたのに何故かアイドルグループの一員になって、とか、グループが解散して演歌歌手としての実力の足りなさを痛感したり、実に朝ドラっぽい。
劇中歌もね、「あじさい橋」そのままじゃなくて<似た感じ>のオリジナルで。出来れば「あまちゃん」同様、大友良英とのタッグでやって欲しい。ついでに「おニャン子風」とか「とんねるず風」の挿入歌もいっぱい作って欲しいなぁ。
ね?どっちも何だかイケそうに思えません?
中村メイコはわりと思い付く人はいそうだけど、城之内早苗は結構意外な線だけど「あまちゃん」ラインの「現代劇朝ドラ」として成立すると思う。一応子供時代からやって令和ちかくまでやれば「現代劇だけど一代記」っぽくもなるし。
どうですかNHKさん。この企画、格安でお譲りしますよ!