こないだね、まとめサイトで「スマホの次に「みんながみんな当たり前に使うようになるもの」ってなんだ」みたいなスレがあって。
もう正直に言えば、何でこんな頭が固いんだ、と。結局、AIとかVRとかスマートグラスとか「今すでにあるものがさらに発展して」みたいな発想しかしてない。
ま、AIにかんしては、たしかにもうちょっと発展するというかね、みんながみんなに当てはまる気はするんだけど、もうそうなった頃にはほとんどの人は「別段AIを使ってる感覚がなくAIを使うようになる」んだろうな、と。
つまりスマホのように「今自分はスマホを使ってる」みたいな感覚が皆無なまま、果てしなく無意識に使うことになると思うし、どちらかというと「スマホ」のような物体ではなく「インターネット」に近いと思う。
インターネットは「今自分はインターネットを使ってる」類いの意識をされなくなって本格的に普及したわけで、AIも目指すところはそこでしょう。つか「AIを使ってる」と意識されてるうちはまだまだだとね。
じゃあ、スマホのように実体があるっつーか物体があるもので、なおかつスマホの次、となったら、もうね、方向性としてはひとつしかないと思うんですよ。
これはインターネットやVRにも言えるんだけど、実はドローンなんかもう完全にそうでね、要するにどれも「疑似」なんですよね。
変な話、今、最新技術がどこで争っているかと言うと「どれだけリアルな<疑似>体験を提供出来るか」なんです。つかVRやインターネット、あとコンシューマゲームもだけど、どこまで行っても<疑似>でしかない。ゲームなんか仮に体験型のアトラクションであっても所詮は疑似体験です。
つかさ、疑似だからゲームとして成立するわけで、もし疑似ではなくリアルで目の前にドラゴンが現れたら、戦う戦わない、勝つ負ける以前に、ほとんどの人は卒倒するはずだから。
アタシは疑似がダメだと言ってるんじゃない。疑似だから可能なこともいっぱいある。とくにゲームはその極北でしょう。
でも、それこそ「スマホの次」を目指すのであれば、どれだけ疑似から逸脱したリアル体験が可能になるか、そこがポイントになると思う。
こういう場合、たぶんドローンが一番わかりやすいと思うけど、要するに「カメラが空を飛ぶ」のではなく「自分自身が空を飛ぶ」ってことなんじゃないかと。
それってタケコプターじゃん、と言われたらその通り。つかね、ドラえもんのひみつ道具って<疑似>体験とリアルの2種類がはっきり分かれているんです。
リアルで言えばタケコプターやどこでもドア、もちろんタイムマシンなんかモロそうです。
一番微妙なのはもしもボックスだけど、あれも<疑似>世界ではあるものの、アバターではなく自分自身がその世界に行くことが出来るので限りなくリアル寄りです。
当然のことながら今の技術ではタケコプターにしろタイムマシンにしろ開発出来ない。それはわかっています。
でもね、今ある技術をいろいろ組み合わせて、どれだけ疑似を逸脱出来るか、そしてその逸脱が生活を一変出来るほど便利なものであるならば、それが間違いなく「スマホの次」になるはずです。
つか<疑似>で発想が止まってる限りは「スマホの次」なんてないと思うのですよ。疑似で良いならばそれらの技術をスマホが吸収しちゃう。つまり「新たなスマホ」にこそなれど「結局それもスマホ」ってことになるんだから。
個人的にはやはりシティコミューターというか、ちょっと前で言えばセグウェイのような「徒歩の代替手段となる乗り物」には可能性を感じる。
ぶっちゃけセグウェイは大仰すぎたし、取り回しが端から見るだけでも悪そうに見えた。んでこないだ「まだ自転車よりはぜんぜんいい」と称賛した電動キックボードだって大仰すぎる。
速度はマックスで5キロも出ればいい。あくまで徒歩の代替なんだから。でもサイズっつーか重量ですよね、は今の技術ではぜんぜんダメ。乗ってない時は、たとえば階段の上り下りはやはり難しいので、となると片手でヒョイと持ち上げられるくらいにならないと話にならない。
イメージとしてはテレビの回転台ってあるでしょ。あれに乗ってるくらいの感覚。これならおそらく<苦>になるところがない。
もちろん今の技術では絶対不可能です。つか動力はどうなってるんだ、と聞かれても「んなもん知るか。アタシは技術者じゃないし、そんなのわかるわけないだろ」と答えるしかないし、今後そんな動力が実用化されるのかも知らない。
でも、これくらいリアルと密接に結びついてないとダメだと思うし、そうでないとなかなか「みんながみんな」なんてならないですよ。
スマホが「みんながみんな」になったのはパソコンやPDAやケータイの「延長線上であり集大成だった」からで、もうそんなのないでしょ。つかAIもVRも延長線上にはない。だから想像よりも人を選ぶ。
つかさ、もう疑似はいいよ。もちろん疑似は疑似で発展していくんだろうし、それはそれで素晴らしいんだけど、疑似の範疇でマウンティングの取り合いしてもしょうがないよね。
むしろ「あれ?まだ<疑似>で満足してるの?こっちはもう<リアル>に移行してるんだけど」みたいなマウンティングして欲しいわ。
つかさ、最新技術とか「スマホの次」みたいな考えを捨てて<疑似>より<リアル>って考えたら、すでにいくらでもあるんだよね。
どれだけGoogleEarthで世界の隅々まで見て回ろうが、んなもん、わざわざ何時間も飛行機に乗って、実際に現地に行った人に勝てっこないのよ。なんかもう、そういうことだと思うんだけどね。