表情and口調コントローラー
FirstUPDATE2024.8.21
#Scribble #Scribble2024 #AI #ゲーム #1980年代 #スマホ #妄想 @8bitマイコン ポートピア連続殺人事件 グラフィック 停滞 将棋 ロードランナー コンストラクション機能 表情 口調 言葉探し デゼニランド ホントはひみつ道具の話をするつもりだったのに 単ページ

こないだの水戸黄門を何でスーマリ型横スクロールで作らなかったんだって話の続きじゃないけど、あのゲーム、というかあのゲームジャンル、何でこういうギミックがなかったんだ?みたいな話を。

そういやアレってどうなったんだ、と思ってね、アレってのは「SQUARE ENIX AI Tech Preview:THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE」のことなんですが、要するにこのプロジェクト、アドベンチャーゲームの名作「ポートピア連続殺人事件」をね、今の技術で作り直したらどうなるかの実験みたいなもので。
「んなもん、ファミコンと比べたら圧倒的にキレイなグラフィックに出来るだろ」と思われる人もいるかもしれないけど、いやアタシもつい、そっちの方に話を進めがちだけど「ゲームの進化=グラフィックの進化」ってなるのって、つまりゲームが進化してない、停滞してる証拠なんじゃない?と。

何つーか、もうそろそろ、ゲームもグラフィックの美しさ云々から脱却しないとマズいですよ。そこから脱却しないと本当の文化になれないんじゃない?とね。
例えば映画なんか、映像の美しさが言及される作品とかほとんどないでしょ。ま、たしかに、とくにCG関係においては「ショボい」という表現が用いられることはあるけど、映像の美しさ云々が一番先にくる作品なんてたいてい「内容が面白くない」ものばかりだしさ。
つかさ、ファミコンが登場してから40年以上ですよ。で、何が変わったかと言われて「グラフィック」って、それはさすがに、ねぇ。

当たり前だけど、ゲーム(ビデオゲーム限定だけど)という娯楽ってグラフィックとかサウンドとか直接、目で耳でわかるようなことだけじゃなくてね、それ以外で一番わかりやすいのが容量とか、あとCPUの進化とかいろいろあるわけです。
それはハードウェア的な話だけど、それこそ思考ルーチンなどは単純にCPUの性能が上がったからだけではなく、プログラミング構造自体も飛躍的に進歩しており、ファミコン以前の将棋など「あまりにも思考ルーチンがダメすぎるので」詰将棋問題集になってたくらいです。
以降も、ファミコンの頃までの将棋のCPUは弱すぎて小学生でも余裕で勝てたのが、今ではプロ棋士を負かすことも珍しくなくなった。
これも立派な「ゲームの進化」です。

最近ではAIをゲームに活用出来ないかということも進んでいるようで、先に書いた「SQUARE ENIX AI Tech Preview:THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE」もその一環です。
これはAIを用いて自然な形での会話が出来ないか、という取り組みですが、ま、完全にAIにやらせるには著作権とか不穏当なワードを排除するのが難しく、ちょっと中途半端な感じになっているみたいですね。
いやね、それでもアタシは「黎明期のパソコンゲームをAIによって進化させる」というのは悪くない方法論だと思う。原典に近ければ近いほど「何をAIにやらせたらゲームの面白さにつながるのか」を図りやすいと思うから。

例えばですが、昔のパズルゲームにはコンストラクション機能なんてのが搭載されたゲームがかなりありました。
要するにエディット画面でオリジナルステージが作れるよってことでして「倉庫番」とか「ロードランナー」が有名ですよね。「ロードランナー」にかんしてはファミコン版でさえコンストラクション機能が用意されてました。
これをね、AIがやってくれたら面白いんじゃないかって話で、ロードランナーで言えば「アクション要素3、パズル要素7くらいの、中級者向きのステージを作って」なんて要望したら勝手にステージを作ってくれる。「絶対クリア出来る」というのは当然として、本当に絶妙な難易度のステージを自動生成出来たら面白い。

つかさ、もしこんな機能が付いたロードランナーが発売されたとしてね、仮にグラフィックはApple II版レベルであっても「当時では絶対に作れないロードランナー」なんですよ。
AIなんて言われたらどうしても会話にフォーカスされるけど、それこそRPGのダンジョンマップやワールドマップとか、さらに進んで「それなりに個性の強いNPC(ノンプレイヤーキャラクター)の自動生成」まで出来たら、同じタイトルのRPG、だいたい同じストーリーなんだけど、キャラクターからマップまで何から何までプレイヤーによって変わる、なんて、いわゆる攻略サイトがぜんぜん役に立たないようなのが出来るような。
アタシは最近のゲームに疎いからもうあるかもしれないけどさ。

いや、そういうのはどうでもいい。どうでもいいことを長々書きすぎだけど、やっとここから本題に入ります。
当時、当時ってのはアタシがパソコンならぬ「マイコン」に熱を上げていた1980年代半ばのことね、に「もし自分がゲームを作るのであれば」という夢想は結構した。
ま、ゲームを作るってのはプログラミングだけの話じゃなくて、まァこの頃まではプログラミングからグラフィックからサウンドから、全部ひとりであるのが当たり前だったわけで、当然作業量が膨大すぎて、アタシの根気では到底ゲームを作ることは出来ませんでした。

それでもアドベンチャーならアドベンチャー、アクションならアクション、RPGならRPG、と各ジャンル毎にゲームの構想はずっとしてて、アドベンチャーなら絶対に入れたい要素があったんです。
当時のアドベンチャーゲームは、ま、一種の「言葉探しゲーム」になっており、もっとも有名なのが「デゼニランド」における「ATTACH」でしょう。
こんな単語がFラン高校生に出てくるはずもなく、また当時は「難しければ難しいほど良いゲーム」というとんでもない風潮もあったわけで(これはこれで理由はあるんだけど割愛)、何か、アドベンチャーを作るとしても、んで難易度を上げるにしても言葉探しだけは嫌だなぁと。
でね、アタシが考えていたのがこんな感じです。


全体の画像は「デゼニランド」から拝借しましたが、問題は右下です。謎に「Yabuniraくん」がいると思いますが、これがプレイヤー自身の顔、ということになる。
何でこんなのを常に表示させたかったか、それは「同じ会話をするにしても、言い方や表情で相手のリアクションは絶対に変わる」ってのがあったんです。
基本的には柔和な表情で、優しい口調で喋りかけた方がいいんだけど、時に怒気を含んだ言い方の方が次に進めたり、不愉快なイベントを入れて、そのイベントからしばらくはあまり柔和な表情が出来ない、なんてのをあったら面白いなと。

たぶんこれだけで、それこそ言葉探しなんて要素を入れなくても、わりとシンプルなシナリオでも<それなり>の難易度が生まれる。
しかもこれならば別にAIが必要ないのはもちろん、当時のマイコンの性能でもぜんぜん実現出来る程度のことですから。
今ならさ、スマホのインカメラで実際の表情を読み取ったり、音声から口調を判定するなんていくらでも出来そうじゃん。

ま、ゲーム上だけとは言え、表情と口調を上手くコントロールしてって、もうそれだけで単純なのが奥深くなるんだからさ、そういうのがゲームの進化なんじゃないかねぇ。