何かこれ、わりとずっと思ってたことでして、ずっとったってかれこれ40年ちかくだからメチャクチャ長くね、何でもっと上手くやれなかったんだろって。
話はファミコンのことです。
「スーパーマリオブラザーズ」以降、何だか、よくわかってない場合はとりあえず横スクロールアクションゲームにしとけ、みたいな風潮が強くなっていったのはリアルタイムを生きた方ならみな感じていたことでしょう。
ぶっちゃけスーマリ以前は横スクロールゲームなんてファミコンではほとんどなかったし、ハードウェアスクロールを活用したゲーム自体が少ない。黎明期の作品でパッと思い付くのは「デビルワールド」くらいで、「ゼビウス」以降はシューティングに限ってはスクロールが使われていたけど「シューティングではないアクション」となると使用例がそこまでないのです。
それが一転して横スクロール全盛になったわけで、しかもほぼ左から右への一方通行で、かと言ってベルトスクロール(強制スクロール)でもない。まったくもってスーマリに準拠したような横スクロールアクションの洪水になった。
もうそれはね、後の時代からなら何とでも言えるけど、風潮に逆らうってのは大変なことですからね。ましてや新規参入が多く、しかもそれまでゲームとは一切関係のない企業まで参入してきてね、ゲームなんてっつーかファミコンなんて社会現象になったスーマリのイメージくらいしかないようなオエライサンガタなら「ゲームを出せば売れるそうじゃないか。ならウチも参入するか。手持ちのIPを使ったスーパーマリオナンチャラみたいなのを出せばバカ売れするだろ」みたいな。ま、想像だけど。
ただね、当たり前なんだけど、既存IPでも横スクロールアクションに向くタイプと向かないタイプがあるわけで、向かないIPを横スクロールアクションにしたら目を覆いたくなるほどの惨事になるってのは言うまでもありません。
しかし、このIPならメチャクチャ横スクロールアクションに向くんじゃないかと思われるようなものもあって、実際いくつかはゲーム化されてるのですが、どれもね、上手くいったとは言い難い出来になってるんですよね。
アタシは上記YouTubeで「道中記」というものに触れているのですが、道中記モノと横スクロールアクションは非常に親和性が高い。
個人的に、とくに上手くやれば絶対面白くなっただろうなと思うのは「水戸黄門」と「東海道中膝栗毛」です。
どちらも時代劇の世界の話だけど、だからこそアクションを入れ込みやすい。カタナによる斬り合いも手裏剣なんて飛び道具も、忍者屋敷や城内のような建物内のギミックも入れやすく、非常に作りやすいと思っていたわけで。
実際、どちらもゲーム化はされている。
水戸黄門は「天下のご意見番 水戸黄門」(サン電子/開発はトーセ)、東海道中膝栗毛は「御存知弥次喜多珍道中」(ハル研究所)ですが、正直どちらも芳しい評判がない。
とくに「御存知弥次喜多珍道中」は何故か横スクロールアクションではなくアドベンチャーゲームとして制作されており、しかももっともゲーム向き、いやもっと言うなら他メディアへ置き換える際にいくらでも膨らませることが出来る赤坂並木の景がない。
まァね、江戸→京ということを考えれば右→左の横スクロール(つまりスーマリと逆向き)にしないとちょっと変だけど、それでもやりようはあったようなぁ。
その辺、水戸黄門はちゃんと横スクロールアクションにはなってるんだけど、スーマリ的なものではなく、いわゆる「がんばれゴエモン」方式だし、しかも中途半端にアドベンチャー要素やRPG要素が入ってるというね。
これもね、小難しいこと一切抜きにして、助さん格さんで特性を付けてさ、切り替えながら進む方式にして、ラスボスとの戦いである程度ダメージを与えたら印籠が出てきて、とかいくらでも出来そうじゃん。
もちろん「助っ人」的に弥七とか飛猿とかお銀とか出せるし、あと微妙なお邪魔キャラでうっかり八兵衛も使えそうだしさ。
マジでタイムリープ出来れば史実を変えたいわ。
水戸黄門をゲーム化する?東海道中膝栗毛をゲーム化する?だったら純粋スーマリ方式っしょ!みたいに。これなら企画も通りやすそうだしさ。