「価値観が昭和」って何か問題でも?
FirstUPDATE2024.7.24
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えと、アタシは1968年生まれ、昭和で言うと43年なので、ハタチの時に昭和が終わって平成が始まったということになりますか。

つまり、昭和時代を約20年、平成時代を約30年生きた計算になりますが、やはり成人するまでの人格に与える影響は大きいでね、平成のが10年長いのを換算したら「昭和と平成のハイブリッド」ということになるような。
昭和と平成のハイブリッド人間の価値観の「普通」がどのようなものかはわからないし、別に普通がどうとかどうだっていい。さらに言えば「昭和人間」と一括りにされようが「平成人間」と言われようがマジでどっちだっていいって感じです。

さて、最近YouTube動画のために黒澤明について改めて調べ直してるのですが、黒澤明ってもう、完全な「大正の価値観」の人なんですよ。
デビュー作である「姿三四郎」からして、あの原作を使ってやりたかったのは「師弟関係」だし、「赤ひげ」も、そして遺作となった「まあだだよ」まで、師弟関係にかんしては並々ならぬ想いを感じるのは容易です。
よく「大正時代は自由な空気が横溢していた」と言われますが、実際には明治期や昭和初期の方が自由な空気が濃厚で、大正と言えばいわゆる家父長制が本格化したのがこの頃で、いわば「年功序列」がより増強された、と言ってもいいと思う。

つまりね、厳しい上下関係を求める人にたいして「価値観が昭和」とか言われますが、違いますよ。むしろ「価値観が大正」なんですよ。
酒やタバコだってそうで、まさか昭和に入ってから酒やタバコが嗜まれるようになったわけでもあるまいに。
ま、これはただの屁理屈ですが、じゃあね、いったい、それの何が悪いんだ?って話がしたい。つか「時代に合わせて己の価値観をアップデートすることって、そんなにエラいことなのか?」ってことでして。

その前にアタシ自身のことを書きます。
これは何度も書いてますように、アタシはずっと「変わってる」と言われてきた人間です。言い方を変えれば「マイノリティとして生きてきた」わけです。
つまりね、アタシの価値観なんて、生まれてこの方「時代とマッチした」ことなど一度もないんですよ。

これがどれだけ辛いことか。アタシ的に「普通」にやったら周りから「普通にやれ」と言われる。結果、友人たちから「アイツはいつも肝心なところはノーテンキで、どうでもいいことばかり悩んでる」と見られるようになった。
でもこれこそ価値観の違いで、友人たち(=マジョリティ)にとっては「肝心なこと」がアタシには「どうでもいいこと」であり、マジョリティに「どうでもいいこと」がアタシにとっては「肝心なこと」という価値観なだけなんですよ。

だからね、いつしか、オモテムキってのを覚えた。
要するに、いくら頑張っても価値観なんて変えられない。そんなことを努力しようとしたら精神的に病む。そんなことをするくらいなら「表向きの自分」を作ろう。別に本性でもなんでもないけど、ビジネスの場であっても酒席であっても「如何にもな振る舞い」をしようと心に決めた。
当然、そこに「自分らしさ」なんか皆無です。だから最初は難しかったけど、そのうち慣れた。
慣れてくるとわりと何でも平気になる。つか所詮は演じてるだけなので、どんなキャラにもなることが出来るっつーか。

アタシはインドアというか陰キャです。もっと言うなら極度の人嫌いです。そんな人間はYouTubeなんか出来るわけがない。
でもね、これも所詮はひとつのキャラなんですよ。あれは「やぶにらという男が喋ってる」だけで自分自身ではない。そもそも普段の一人称は「アタシ」じゃないし。
そう思えばね、陰キャだろうが人嫌いだろうが
、YouTubeであっても人前であってもぜんぜん喋ったり出来るようになるんです。
そこにもし「自分らしさ」なんてくだらないモノが出てきた途端に崩壊する。つか「自分らしさ」なんて部屋にひとりでいる時だけで十分じゃないかと。

話が逸れてるような感じですが大丈夫です。
つまりね、価値観なんて変えられないし、価値観をアップデートしろ!なんて声高に叫ぶなんて愚の骨頂なんですよ。
価値観なんて変える必要はどこにもない。つか変えられるわけがない。そんな無駄な努力をする必要なんてありませんよ。
そうじゃなくて、価値観がアップデートしたと見せかける「かりそめのキャラ」を作ればいいんですよ。
どうせ「価値観をアップデートしろ!」なんて輩はみな浅いから、かりそめキャラかどうかなんて見抜けるわけがない。そりゃあたしかに「自分らしさ」はないけど、別にどうでもいいじゃん。他人さんの前で自分らしさなんて。

んで、肚の内で嗤ってればいいんですよ。コイツらまんまと騙されてるな、と。







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