アタシもかなり長い間グラフィックデザインなんてことをやってきましたが、実はね、シンプルでカッコ良いデザインってわりと簡単なんですよ。
これはいつか、ちゃんとした形でやりたいと思ってるんだけど、という話から書いていきます。
名取洋之助、という戦前戦後にかけて活躍したカメラマンがいました。この名取洋之助が中心となって1934年に創刊されたのが「NIPPON」というグラフ誌なのですが、この雑誌、もうマジでカッコ良いのですよ。
つかカッコ良いのも当たり前。名取洋之助や土門拳をはじめとする超優秀なカメラマン、山名文夫や亀倉雄策といった戦後のグラフィックデザイン界を引っ張る超優秀なグラフィックデザイナーがスタッフにいたからで、おそらく「令和の今の人が見ても普通にオシャレだと思える」ということにかけては随一だと思う。
ただし、個人的にはですが、この頃のグラフィックデザイナーで言えば今竹七郎や早川源一を推したい。
今竹七郎はメンソレータムのデザインやオーバンド(輪ゴム)のパッケージデザイン、早川源一は何と言っても阪神タイガースの虎のマークです。
しかし彼らはごく普通のポスターなどのデザインも手掛けており、これがね、本当に素晴らしいんです。
まァ詳細は割愛しますが「NIPPON」というグラフ誌はかなり特殊な雑誌なので、いくらでも「シンプル」に「カッコ良く」出来るんです。
しかし今竹七郎や早川源一が手掛けたポスターなどは情報を詰め込んだ上でのデザインで、アタシ的にはこちらの方が難易度が高いように思う。
変な話、シンプルでカッコ良いデザインってまだ簡単なんですよ。もちろんそういうのもセンスが必要なんだけど、そもそもセンスなんて言葉自体がマヤカシなのでね、いやこう書いちゃうと山名文夫や亀倉雄策を卑下してるみたいだけど、アタシは彼らをマジで尊敬してますから。でももっと今竹七郎や早川源一を尊敬してるって話でして。
個人的に一番難しいと思ってるのは「ゴッテリと強いインパクト&迫力があって、それでいて構成が取れてる」というデザインで、派手にはいくらでも出来るんだけど、なかなか構成を取るのが難しい。
しかしアタシはサラリーマン時代に山のようにパチンコ屋のチラシを作らされたことで克服した。どれだけゴッテリ詰め込んでも構成が取れるようになった。
今考えるとこの経験はメチャクチャデカかったと思う。つかもしパチンコ屋のチラシをやってなければ今の自分はないと思えるほどで。
今回の主題はね、要するにYouTubeのサムネイルの話なんですよ。
アタシは動画作成にかんしては素人も素人です。んなもんマトモな編集なんか出来るわけがない。だからソコにかんしてははじめからサジを投げた、というようなことは前に書きました。
でも一応グラフィックデザインはやってたわけで、となったらせめてサムネイル画像だけは本気で作ろう。ソコだけは「プロ感」を出そうと思った。
YouTubeを始めるにあたってアタシは相当YouTubeを、というかユーチューブの動画を研究しました。そして「登録者数が少ないうちはどれだけサムネイル画像が大切なのか」を痛いほど学んだ。
これがね、HIKAKINくらいの知名度であれば自身の顔がアップになった、文字の入ってないサムネイルでもオッケーなんですよ。でも登録者数が少ないうちからそんなサムネイルでは絶対に見てもらえない。
どうもこれは日本だけの傾向みたいだけど、とにかく日本のYouTubeのサムネイル画像は「やりすぎ」レベルでド派手にしてあるし、実際そういうのが再生数を稼ぎやすいらしい。
だったら、もうこれはアタシとしても割り切ろう。オシャレにしようなんて思わずに、とにかくド派手に、インパクト重視で行こう。
要するに「YouTubeのサムネイル画像=パチンコ屋のチラシ」だと思えばいい。ならばわりと自信がある。つか「サムネイル画像だけはどのユーチューバーにも負けない」というふうに出来るのではないか?とね。
ま、所詮はサムネイルなんでね、そんなにデカく表示されるわけではないので、細部にかんしてはシゴトでやるよりかなり粗い。でもそれは本当に最後の仕上げのところを手を抜いてるだけで、全体としてはシゴト並みに本気で作っています。いや下手したらシゴト以上かもしんない。
でもここまでやらないとスタートラインにも立てないんですよ。つか何かひとつだけでも「取り柄」がないと再生数もチャンネル登録者数も伸びるわけがないですからね。
しっかし、このトシになってまたパチンコ屋のチラシみたいなデザインをやるとは思わなかった。ま、やっててわりと楽しいのは事実だけどさ。