仮に今が1970年代前半なら、ねぇ
FirstUPDATE2024.6.15
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一度ね、身体が元気なうちに日本一周したいな、とはずっと思ってたんですよ。でもここ最近、もういいわ、と。理由はエントリタイトルの通りでして。

もし仮にですよ、令和の今、21世紀の今、日本一周をする意味があるのか、そんなことをやって本当に楽しいのかとなると、たぶん「普段とあんまり変わらない感じになるんだろうなぁ」としか思えなくなってね。
おそらく移動中はスマホを触ってるだろうし、宿でもパソコンで作業する羽目になる。店に入ろうにもチェーン店ばかりで、お、地場スーパーがあんじゃん!と入ったら置いてあるのはトップバリュブランド、つまり、何のことはない、名前こそ違うもののただのイオン系列の店だったと。

そもそもアタシはいわゆる観光地には興味がないのです。つか「日本一周したい」と思う動機も「この街の人たちはどんな生活をしているのだろう」ってのを疑似体験したいんですよ。
でも今の時代、日本国内であれば、電気も通ってないようなよほどの僻地でなければ、結局は「寝起きする場所が変わるだけ」になりかねない。
せめてそんな時くらいスマホは触んなよ、というのもわかるのですが、えとデジタルデトックスですか、は別に旅に出なくても出来ることだからね。つまりそれは旅とはあんまり関係ないだろ、と。

川は低きに流れるのですよ。実際不便を味わうためにキャンプに行っても、結局は便利なキャンプグッズを用意してしまう。
いくらデジタルデトックスだなんだといっても、絶対に旅先で電源を確保するには、とかやっちゃうに決まってる。つか仮に極力スマホは触らないと決めたとしてもモバイルバッテリーを家に置いていく勇気はない。「もしもの時のために」とか考える。
便利なモノがあるのに、便利な施設があるのに、あえてそれは利用しないって実際にやろうと思うとメチャクチャ難しい。だって目の前にコンビニがあっても使っちゃいけない、とかなったら、もう旅のストレスがマックスになるはずですよ。

つまりね、ある、から利用したくなるわけで、ハナから「ない」時代であればストレスなんか感じない。となるともっと純粋に旅を楽しめたんだろうなぁと。
エントリタイトルで「1970年代前半」としたのは、この時代であればスマホはおろかコンビニもファミレスもファストフードも「ほぼない」からです。
さすがにこの時代ならスーパーくらいならあるけど、全国チェーンのスーパーはほぼない。つまり強制的に「行く先々にしか売ってないものを食べるしかない」のです。
もちろんその代わり個人商店っつーか食堂なんかいっぱいあるし、その土地ならではの、土地の人が食べるようなものも食べることが出来る。

移動もさ、硬い4人がけの対面座席に揺られてね、変な容器に入ったお茶でも飲みながら列車に揺られるってんなら鉄オタではないアタシでも旅情を掻き立てられる。
間違っても快適とはほど遠いわけですよ。でも「予算的にこれしかない」となればいくら苦痛でも我慢するしかないし、いろいろあきらめもつく。腰が痛くなるのもしょうがない、そんなもんだよ、と達観も出来る。
ふぅ、とタバコに火をつける。そうか、この時代だから座席で普通にタバコが吸えるのか。正直不快なキツいことも多いけど、こうやって煙を燻らせながらってんなら、これはこれで悪くないんじゃね?

旅館なんかクーラーなんかついてないだろうし、下手したら蚊帳を吊ってるかもしれない。よしんばクーラーがあっても当時のだからうるさいったらありゃしない機種でしょう。
でもさ、それもいいんだよ。旅に出ちゃえば仕事なんかできっこないわけで、どころかケータイもないんだから仕事の電話がかかってくることもない。
つまりこの頃の「旅に出る」というのは仕事を含めた日常生活とは完全に切り離された世界に行くってことなんですよ。今は海外に行ってでさえも日常生活と切り離せないのに、当時は国内でいくらでも実現出来た。

それならば、なんです。それならばたっぷり時間をかけて日本一周とやらをやってみたい。
でもさあ、今の時代に完全に日常生活から離れようと思うならどうすりゃいいんだ。入院でもすりゃいいのかね。それはそれで外部からの連絡もありそうだし、だったら無人島にでも行く?いやいやそこまで不便になりたいわけじゃなくてただたんに日常生活から離れたいだけでサバイバルまで要求されるってのはなぁ。

あ、こんなこと書いてるけど、別に失踪したいとかじゃないからね。ただただ、ほんの1日2日だけでも日常生活から離れたいと思ってるだけだから。







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