いやね、アタシは一回もやったことがないので、というかそもそもほとんど深夜ラジオを聴いてなかった人間なんで想像も出来ないんだけど、いったいどういうきっかけで「ハガキ職人」になるんだろ、と。
特定のラジオ番組を聴いててね、その番組の内容に則した面白いネタを思いつく、というのはあると思うんです。だからそこまではわかる。
でもそこからが想像の範囲外で「ボツになったら」とか「ウケなかったら」みたいには思わないのかな、と。
たぶんそこも乗り越えられる人が投稿を始めるんだろうけど、いや仮にそこを乗り越えられたとしても、アタシなんか投稿をしようと思ったことは一度もない。上岡龍太郎は投稿もせずにただ聴いてるだけのリスナーにたいして「タダ聴きリスナー」と揶揄していましたが、それはわかるんだけどねぇ、でもねぇ、としか思えなかった。
この問題はインターネットの時代になってさらに顕著になった。
アタシはかつて、成功したラジオ番組にはDJとリスナーの間にある種の共犯関係のような意識が芽生えている、と書いたことがあります。
当然、そこには部外者では絶対にわからない、DJとリスナーしか知り得ない<ノリ>が存在している。そしてその<ノリ>がわかっている者だけがヘビーリスナーと認められ、もっと言うなら投稿してもいい、みたいなムードになると。
これって本当、それなりにコメントが付いているブログ(まとめサイト含む)やYouTubeのコメント欄そっくりで、穿ちすぎなのは承知しているんだけど、それでもものすごく「ビギナー排除」の空気を感じるんですよ。
たぶんブロガーだったりユーチューバー側にはそういう意識は一切ないと思う。むしろビギナーであろうがどんどん書き込んで欲しいと思ってるはずなんです。
でもリスナーが増えれば増えるほど、そうした<ノリ>が濃厚になっていってビギナーが入り辛くなる。
結果、アタシのように変な気の回し方をするタイプの人間は「自分のようなビギナーが下手なことを書き込んだら全体の<ノリ>が崩れてしまう」と考えてしまって、上岡龍太郎が言うところのタダ聴きリスナーになってしまう、と。
さらに言えば、自分が発信者に回った場合もコメント返しが非常に難しい。
今では考えられませんが、2005年頃まではYabunira(当時はyabuniramiJAPAN)も過疎サイトではなく、そこそこコメントをいただいていたのです。
しかしその「返し」が本当に骨が折れた。
ポジティブな話であればいくらでも話を広げられるし、逆にアンチというか変な奴なら無視すればいい。こういうのは簡単です。
しかしアタシが書いた駄文とは真逆の意見を<真面目に>ぶつけられた時は本当に困った。
私が間違っておりましたってなったらそのエントリの意味がなくなるし、だからといって頭ごなしに否定したら喧嘩になっちゃう。
だから相手を否定せず、そういう考えもありますよね、という方向に持っていくしかないんだけど、コメントをくれた人を一切傷つけず、そしてコメント欄を読んでくれてる他の読者にも不快感を与えないように、それでいて自分の意見を押し通す、というのはマジ至難の業でした。
そんなこんなを考えたら、どうもね、コメントする気にはならない。それでも、どうしてもって場合はするケースは過去にもあったんだけど、散々考えた末です。文章に悩んで、んでそれを本当にコメント欄に投稿するかまで悩みに悩んで、という感じで、間違っても「気軽に」とは程遠い。
というかもう<ノリ>が出来るのはしょうがないと思うんですよ。でも気がついたら「この人の文章が好き」とか「このユーチューバーさんが好き」とかはあるけど、その読者だったりリスナーのことを嫌いになってる。
以前書いた「THEつぶろ」さんというYouTubeチャンネルのコメント欄とか掲示板に何回か書き込もうと思ったことはあったんだけど、結局止めた。どうも、無理矢理、空気を壊したくないという理由で自分を強引に曲げて<ノリ>を合わせるのは何か違うと。
さらに言えば、これはYouTubeに顕著だけど、リスナーの<ノリ>でチャンネルの方向性が変わってしまうってのもすごく嫌だな、と。
これも以前書いた「おじおじJAPAN」さんなんかも、困難きわまる修理動画でないとリスナーが許さないみたいな空気があって、結果更新頻度が落ちてるんじゃないかと。
ま、「THEつぶろ」さんは「ゆっくり音声」なので別として、「おじおじJAPAN」さんにしろ、アタシが敬愛する「カズチャンネル」のカズさんも、先日来より何度も書いてる「だてレビsideB」さんも、内容云々ではなくユーチューバーさんご本人が好きだから見てるんです。
だからどれだけユルい企画でも低コストの企画でも、んでグタグタの内容でも、そのユーチューバーさんがいっぱい喋ってくれたら満足出来るし、逆にどれだけ凝った企画でもユーチューバーさんのパーソナリティが発揮出来てなければ物足りなさが残る。
アタシとしては極力それを邪魔したくない。となったらコメントなんかを書いてしまって、万が一それがご本人に響いてしまって、方向性が変わってしまったってなったら後悔してもしたりなくなってしまうわけで。
で、ですよ。
今月の18日からYouTubeチャンネルを始めると断言しちゃったんだけど、心のどこかに「コメントなんかなければいいのに」という気持ちがある。
んなもんどう考えてもいっぱいコメントをもらって、登録者数も爆発的に増えた方が良いに決まってるんだけど、んでそんな簡単にコメントなんか付かないのもわかりきってるんだけど、ねぇ。