公衆電話の行く末
FirstUPDATE2024.1.25
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何か毎回、大きな震災が起きるたびに公衆電話の有用性が見直されているって感じなのですが、現実問題、公衆電話は本当に減った。まさかこれほど減るとは、という感情が拭えないというか。

アタシはね、今から15年前くらいまで、将来的に公衆電話は全部WiFiスポットに変わっていくんだろうな、と何となく思っていた。
しかし現実はただ単純に公衆電話の数が減っただけで、WiFiスポットの機能を有した公衆電話っつーか電話ボックスもたしかにあるんだけど数が少ないし、そもそも「契約しないと使えない」という類いのものなので気軽に利用するとはほど遠い感じになってます。
というか、モバイル回線の速度が上がり、また一部キャリアでは実質使い放題プランも用意されてるわけで、かつてほどWiFiスポットの有用性がないというのもあるわけで。

いやね、利用スタイルを考えても電話ボックス近辺にタムロしたみたいな感じで、当然椅子も何もなく、立った状態で、となると出来ることなんか限られている。せいぜい通話かLINEやTwitterで短文を書くとか、その程度です。
しかし、言うまでもなく、その程度であればたいしてパケットを消費するわけでもないのでWiFiでやる意味が薄い。
こうなると、通話やメッセージのやり取り程度でもWiFiが必要なシチュエーションを考えると「SIMを契約していない外国人」か「災害でモバイル回線が死んでる」くらいしか考えられないんですよ。
こんな特殊な状況のために電話ボックスを維持するのはコスト面で厳しいのは間違いない。

2つ目は「停電しても通話できる」こと。
NTT東日本 菅敏明 公衆電話担当専任課長:「ケーブルがつながっているので微弱ですが電気が送られてきて、(筆者注・公衆電話は)停電でも使えます。ディスプレイや電気はつきませんが、通話はできます」(スマホ使えない…災害時に頼れる公衆電話 街頭から避難所へ見直される役割|FNNプライムオンライン


しかも上記引用のような「モバイル回線どころか電気さえ不通の場合」を考えるなら、むしろ通話のっつーか現状の公衆電話の方が災害に強いとさえ言えてしまうわけで、どうやっても電力が必要なWiFiスポットにするメリットがなくなる。
だからといってソーラー発電式にしたら、それはそれでメンテナンスに費用がかかるのも間違いなく、いろいろなことを考慮しだすと「公衆電話のWiFiスポット化=ワリに合わない」という結論に達してしまうのです。

ま、たぶん、そういうことで電話ボックスの撤去がどんどん進んだんだろうし、その流れは基本的に変わることはないと思う。
それでも、無理矢理に公衆電話というか電話ボックスを有効活用出来ないか、という話になれば、結局は電気が必要になるものしか思い浮かばない。
つかね、これからもっともっと、街中で充電が必要になるケースが増える。スマホの充電とかもだけど、それこそ電気自動車や電動キックボードや電動スクーターなど「手軽に充電出来る場所があれば利用したい」と思ってる人は一定数いるはずです。
というか今後ね、バッテリーの持続時間や寿命は一朝一夕には解決するとは思えないんだけど、充電速度にかんしては目覚ましい進歩を遂げるような気がするわけで、10分もありゃスマホや電動キックボードくらいなら満充電出来る時代がそう遠くない未来に来ると思うんですよ。

さすがに電気自動車は容量的に厳しいし、そもそもクルマが入っていけないような場所に電話ボックスが設置されてるケースも多いので除外するとして、それこそスマホの充電や電動キックボードや電動スクーターの充電くらいであればソーラーパネルである程度賄える可能性が高く、もちろんこれとてメンテナンスの費用もマンパワーも必要とは言え、サブスクでもカネを払う人は一定数いるんじゃないか。
ま、WiFiスポットにかんしては<オマケ>ですね。あくまで<オマケ>としてWiFiスポットがあって、メインは充電、というね。
たしかにこれなら震災時にはあまり役に立たないんだけど、電気の復旧にも順番があるわけで、ならばまずは電話ボックスならぬ充電スポットから、となれば、意味は出てくる。今回の地震はいわば寒冷地に近い場所だけど、充電さえ可能であれば「モバイルバッテリーを充電スポットで充電する」という形を用いれば、USB式の暖房器具なんかが被災地で役に立つわけだから。

もちろんそうなるとNTTだけに負担させるのは不可能で、電力会社と国が共同で進めなければならない。つまりハードルとしては高いのですが、需要としては間違いなくある。
とくに電動キックボードや電動スクーターは「コンセントが届かない」などの理由で購入を諦めている人にたいしては強烈な売りになると思うし、被災地においても移動手段が増えるというのはきわめて大きいことなんじゃないかね。

ただでさえ日本は土地が狭く、ましてや駅前の超一等地なんてカネを払えばという問題ではない。だからこそ電話ボックスくらいの極狭スペースであっても、ただたんに撤去するのではなく有効活用する術を探すってのはメチャクチャ大切なことだと思ったり。







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