他はともかく、ソコだけはガッカリしたわ
FirstUPDATE2024.1.24
@Scribble #Scribble2024 #世間の話題 #笑い #テレビ #上方芸能 #ネガティブ #老いらく 島田紳助 人間マンダラ モテナイくん クイズ紳助くん なにわ突撃隊 イジメ というのはダミー ホントはあの芸人の話 単ページ

思えば島田紳助がおかしな方向に行き出したと思ったのは「紳助の人間マンダラ」(関西ローカル)だったような気がします。

この「人間マンダラ」と「クイズ!紳助くん」くらいから、あれ?紳助ってそっちに行っちゃうの?みたいなね、つかこのふたつの番組を始めたくらいから紳助の番組を好んで見なくなった。
ま、逆に言えば、それまではわりと「紳助の番組?なら見るか」くらいには思っていたんです。
全部関西ローカルだけど「CLUB紳助」とか「夢々夢中組」とか「紳助の狼が来たーッ!」くらいまでは、どれも面白がって見ていた記憶があります。
ま、「狼が来たーッ!」は時期的には「人間マンダラ」や「クイズ!紳助くん」と変わらないけど、「人間マンダラ」も「クイズ!紳助くん」も最初期はそんな変な感じでもなかったんですけどね。

それが「クイズ!紳助くん」で言えば「なにわ突撃隊」のコーナーが始まったくらいからおかしくなり始めた。
異様な過酷なロケをやらせて、最後は感動に持っていく。そうした構図もそうだし、それで言えばアタシが今まで見たどのバラエティ番組よりもイジメっぽく感じた。しかも最終的に「いい話」で終わらせようとしている構成がもう、正直気持ち悪かったんです。

「人間マンダラ」で言えば「モテナイくん」のコーナーで、これも「サエない若者を笑い者にしよう」というのが見え見えで、散々笑い者にした挙句、同じく最後は「いい話」で締めようとする、という。
後に紳助は「ヘキサゴン」を始めとした番組で「知識の薄さ」(番組では「おバカ」という表現になっていたとはいえ)を笑い者にし、しかし最終的にはやはり「いい話」、つまりは感動に持っていく、という「人間マンダラ」や「クイズ!紳助くん」とまったく同じやり方をしたのですが、まだ「おバカ」は可愛いもので、なにわ突撃隊やモテナイくんの「イジメっぽさ」は正直直視出来るものではなかった。いくら関西ローカルとは言え今なら炎上どころの騒ぎではなかったろうと思う。

さてさて、あえて、本題とはまったく、いやまったくではないんだけど関係のない話を長々書いてきましたが、まァ、これは一種の目眩ましです。
で、目眩まししてまで何が書きたいのかと言えば、やっぱりね、松本人志のことを書いておこうと。誰のためでもなく、後年になって「リアルタイムで自分はこの騒動をどのように眺めていたのか」を残すためだけに。
で、さらに、松本人志の話になる前に、あくまで一般論的なことから。

男ってのはもう、絶対的に、モテたい、という欲望から逃れられないと思ってて、これはもしかしたら女性もかもしれないけど、何しろアタシが男性なんでね、よくわからないので女性にかんしては保留にしておく。
とにかく、男というものは、結婚していても、どんなシチュエーションであっても、何歳になっても「モテたい」のですよ。もちろん「モテ」たその先、つまり実際に女性とそういう関係になるかならないか、いや「そういう関係になろうとする」か「モテさえすればそれで満足。それ以上は望まない」かは人による。でもこればっかりは後期高齢者になっても一緒なんじゃないかと。

ただね、ここが難しいんだけど、男って「モテたがってる」ってのを悟られたくないんですよ。とくに女性から指摘されると顔から火が出るほど恥ずかしい。
前にヒコロヒーがコカドケンタロウに「薄らモテたがってますよね?」とツッコんでたけど、コカドからしたらこんな「心に痛いツッコミ」もなかったんじゃないか。
それほど他人さんから「モテたい」と思われたくない。でも本心はほぼ誰でも「モテたい」と思ってる、という、まことに複雑な心境、いや心境じゃねえな、本能を持ってるというか。

だからこそ「身なりはキチンとしてるしオシャレなんだけど、モテたいと思われない」ふうの人に男は憧れる。
本当はモテたいに決まってる。なのにそれが外から見えづらい。やっぱそれが理想で、とくにオッサンになってモテたいと思われるのは実に恥ずかしいことなので、偽りであるとわかっていながら「女性?どうでもいいよ」という態度をしたがるのです。

アタシはね、松本人志って人はずっと、そういう人だと思っていた。とくに結婚してからは。
これは浮気をしたしないとは関係ない。仮に浮気をしても「女性が寄ってきてしょうがない」って状況であれば、別に浮気をしてようが松本人志のイメージは崩れなかったと思うんです。
しかし、ここまでの報道を信じる限り、松本人志はあきらかに「モテたがってた」としか思えない言動をしていたというふうに思える。これはイメージダウンも甚だしい。

というか松本人志はずっと「自分はモテる」と思っていたとは思う。前にダウンタウンのふたりで喋ってた時に「オレはお笑いをやってなくてもそこそこイケた」というようなことを語っていたけど、もしかしたら松本人志にとってのアイデンティティってモテることだったんじゃないか。
それがオッサンになってきて、若い頃に比べたらモテなくなってきた。ま、これは当たり前なんですよ。好き好んでオッサンを狙う若い女性は、いないとは言わないけど少ない。でもそれが許せなかったのではないか。アイデンティティレベルまで重要なことと捉えていたら「この状況はおかしい!」と思ったのではないか、と。

もう一回言います。女性とそういう関係になったかなってないかはそんなに関係ない。しかし「モテることに必死になってるオッサン」が気持ち悪い、生理的に受け付けない、と思われるのはどうしようもないと思うのですよ。
これもしつこく言うけど、モテたいというのは本能みたいなものなので、アタシはそこを責める気はないんです。ただそれを隠そうとしてないってのは同じオッサンのアタシからしても、ちょっと、いや、かなりカッコ悪いな、とね。

松本人志の<笑い>の作り方として「カッコ悪い」と思われるのは致命的で、松本人志があれだけ後輩芸人からカリスマ扱いされたのは生き方含めて「松本さんはカッコ良い」ってのがあったからだと思う。
芸能活動を休止してまで裁判に挑むというのは松本人志なりの「カッコ良さの提示」だったかもしれないけど、正直、現時点では目論見は外れたとしか言いようがない。何だか「逃げた」みたいなニュアンスが出てしまって余計カッコ悪くなってしまったような気もするし。

芸人に限らず、死ぬまでカッコ良く生きるって難しいなぁとあらためて思う。しつこいけど「モテたいのは本能」であって、でもその本能を如何に上手く隠し通せるか、ちょっとでも失敗したらただの「モテナイくん」になって物笑いのタネになるんだもんなぁ。







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