生まれてなかったから、何なの?
FirstUPDATE2023.10.11
@Scribble #Scribble2023 #与太話 #レトロ @ファミコン 昭和 国鉄 バイアス 人間そう簡単に進化しない 単ページ

もう何年も前の画像だし、散々コスられてきたのできっと見たことがある人も多いと思うんですがね。


ま、たしかに表情は面白いんだけど、正直質問の意味がわからなくてね。当時から。これの何が変なんだろ、と。
自分が生まれる前の時代のものに興味を持ったり興奮したりするのがそんなおかしなことなのか。別に普通すぎるくらい普通じゃん。
それこそ小学生の時から戦国時代とか幕末に興味を持つなんて当たり前すぎる話でして、ま、アタシはどちらも、今でもまったく興味皆無ですが。

でもアタシが戦国時代や幕末に興味がないのは「まだその時代は生まれてなかったから」なんて馬鹿馬鹿しい理由じゃない。もう純粋に面白がれなかっただけの話です。
というかアタシが興味があるものなんて、大抵「生まれる前のこと」ですからね。戦前然り1960年代のこと然り。
これ、変なの?いやよくノスタルジーなんて言うけど、たしかに「子供の頃に興味があったものに大人になってからも執着する」という人はいるんですよ。だからそれも変じゃないんだけど、同じくらい「生まれる前のことに興味がある」ってのもごくごく普通のことと思うわけで。

ファミコンだってそうで、まったくファミコンの世代でない人がファミコンのコレクターになったり、ファミコンのソフトで遊ぶなんてのも、そんなに変わった趣味ではない。
中にはスノビッシュな理由でお古いものに興味を持つ、というか興味があると吹聴する人間もいるんだろうけど、大半は単純に「たまたま古いものだっただけで自分の感性がそこにあったから」だけの話だと思うんですよ。
先の国鉄少年もおそらくそれだけの話なんだろうし、その気持ちは本当によくわかるんです。

ここからは「生まれてない時代のものに興味を持つのは変だ」と疑問を持つ側の気持ちを考えたい。
たぶんね、一番大きいと思うのは「若い世代は最新のものに一番の興味があるはずだ」というバイアスです。
こうしたバイアスが正しいと言ってるのではありませんよ。ただ、個人的には「古いものに<しか>興味がない」、言い換えるなら「新しいモノには一切興味がない」というのも、ちょっと考えものだとは思っている。
たまたま古いモノのが感性が合う、これはぜんぜんいい。でも<新しい>ってだけで見下したり莫迦にしたりとかって、それってただのスノビッシュな行為なんですよ。
何も「古いことに興味がある人間は新しいことには一切興味を持つな!」ってわけじゃないんだから、その辺のバランスはやっぱ必要なんじゃないかと。

でもね、疑問を持つ側はその反対、つまり「若いんだから新しいモノに<しか>興味がないのは当たり前だろ」みたいな、バイアスの押し付けを感じる。それが不快感の理由じゃないかと。
これね、実は長文を書きかけて、なかなかまとまらないのでエントリしてないんだけど、こうした「すぐに<新しい>か<古い>かで仕分けをしようとする」人間にはほとほと辟易しておりまして、野球の話になっちゃうけど立浪和義の<やり方>にたいしてもすぐに「昭和!」とか言っちゃう、もうそういうのが違和感がすごすぎて気持ち悪いのです。

もう、マジで、昭和より令和のがはるかに素晴らしい時代とか、驕り昂りもいいところだわ。
当たり前だけどアタシは両方生きてきたわけで、もちろん昭和よりも令和のが良いところはいっぱいありますよ。でもその良くなったと思えるほぼすべては「インフラ」だったり「技術的進歩」だったりで、人間そのものなんて別に何も変わってない。人格者が増えたとも減ったとも思わない。
これも繰り返し書いてることですが、人間なんてたかが100年や200年で進化も進歩もするわけがない。というかこんなことアタシ如きが言うことじゃないし、それこそごく普通のアタマがあれば若い人だってわかってることです。
つまり「新しいか古いかで仕分けするなんて何の意味もない」って。

ましてや、マジで「たかが」興味ですよ。興味なんて十人十色で、そりゃマジョリティとマイノリティくらいには分けられるかもしれないけど、どんなことに興味を持とうが否定されることじゃないんです。
それこそ「どこそこのラーメン屋が美味いって行ってみたら普通だった」とか言おうものなら、あそこの味がわからないなんて馬鹿だ、とか言いたがる人間が、時代問わず一定数いる。
だって味覚とか興味とかって全員違うものじゃん、というのが一切理解出来ない。で、自分を正当化するために新しいだの古いだのと言い出す。

馬鹿でも古いでも何でもいいよ。アンタがそう思うなら甘んじて受け入れるわ。はい、ワタシは馬鹿で古くて味覚音痴ですって。
その代わりアンタとは金輪際縁を切らせてもらうわ。それは馬鹿にされたからではなく、そんなバイアスの強い、自分のバイアスを他人に強制するような人間とは付き合いたくないだけだから。