カムカムキャットかバウバウドッグか
FirstUPDATE2023.9.6
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えと、これは誰にでも経験があるんじゃないかね、みたいな・・・いや誰もないか。とにかくそんなような話から。

例えば飲食店に入るとしますわな。んで、自分が入った時点ではぜんぜん客がいなかったのに、自分が入店して以降、ぞろぞろと入ってきて、あっという間に満席になる、なんて経験なら、まァ、誰でもあると思う。
んで、その逆、つまり、自分が入店した時は満席に近い状態だったのに、入店したタイミングで客が一斉に帰り始め、以降、自分が店を出るまで誰も入店してこなかった、というのも、これは誰でもかはわからないけど、経験がある人はいるはずです。

もちろんね、こんなのただの偶然なんですよ。
それこそ昼時前だったら、そりゃそのタイミングで客が入ってくるなんて当たり前だし、13時前とかならみんな店から出て行くよ。だって仕事があるもん。
それでも人間、わりと中途半端な時間、例えば9時から11時の間とか、14時から17時の間に、たまたまその時間しか昼食が取れなかったなんて普通にある話でね、そういう時に、どうも、そういうことを気にしてしまう。関係ないのはわかりきってるんだけど「アタシのせいで客が寄り付かなくなって店の人に悪いな」とかね。
もちろんその反対、つまり「ほれ、アタシが入店したから店が流行りだしたぞ。チャーシューの一枚でもサービスしろよ」と思うこともあるんだけど。

でね、アタシはそうした心理を「カムカムキャットバウバウドッグ現象」と呼んでる。長いね。
カムカムキャットってのは「人を呼び寄せる」道具でバウバウドッグはその反対、なので、長いとは言えこうした心理を表すのに合ってるのは合ってるんですよ。
ただ、どうも、いっこ引っ掛かることがあって。
カムカムキャットとバウバウドッグは「ドラえもん」に登場したひみつ道具なんだけど、今調べたら「バウバウドッグ」なんてひみつ道具はない。んで代わりに「ゴーゴードッグ」というのがある。
おっかしいなぁ。たしか初出は「コロコロコミック」に掲載された「ドラえもんとドラミちゃん」で、これ、長らく単行本に収録されてなくてね、今は「ドラえもんプラス」に収録されてるようだけど、とにかくかなり長い間、再読出来ない状態だったんですよ。

アタシが勝手に「カムカムキャットバウバウドッグ現象」なんて言い出したのは、それこそ「ドラえもんプラス」が発売されるはるか前で、その期間ずっと本気で「ゴーゴードッグ」ではなく「バウバウドッグ」だと思い込んでいた。
というかさ、何しろ初出を確認してないので何とも言えないけど、名称が変わったって可能性はないのか?コロコロコミック掲載時には「バウバウドッグ」だったのが「ドラえもんプラス」に収録されたタイミングで「ゴーゴードッグ」に変更された、みたいな。

正直こだわるようなこっちゃないと言われそうだけど、当時のコロコロコミック掲載のドラえもんはたぶん全部学年誌、もしくはてれびくんからの再掲だったはずなんですよ。
で、本当に曖昧な記憶で申し訳ないのですが、たぶんカムカムキャットが登場した「ドラえもんとドラミちゃん」が初めての新作(つまりコロコロコミックが初出の作品)だったと思う。
「ドラえもんとドラミちゃん」は非常に重要な作品で、正直、何で単行本への収録が見送られたのか理解に苦しむほどです。

・「ドラミちゃん」という枝分かれしたはずのキャラクターを再び「ドラえもん」という作品に再度取り込んだ(つまり「のび太郎」や「ズル木」といった「ドラミちゃん」のオリジナルキャラクターはこの時点で抹消されたと言える)

・後に重要なキーパーソンとなる出木杉英才がこの話で初登場した(ただし、こちらは初出情報があり、初出時は「明智」)

だからね、読み返してなかったにもかかわらず、ずっとこの話を憶えていた。だからこそ、冒頭で書いた現象っつーか心理にあんな名前を付けていたんですよ。
なのにピンポイントで「バウバウドッグ」なんて間違え方をするかな?と思う。いや「カムカム」と対になる言葉としたら「バウバウ」よりも「ゴーゴー」のが<まとも>で、つまりアタシの記憶違いという可能性のがはるかに高いのですが、ドラえもんの他のひみつ道具に「バウバウなんちゃら」ってのもないし、つまり他のひみつ道具と混同した可能性はないわけで、記憶違いが発生した理由がわからないんですよね。

タイトルは「カムカムキャットかバウバウドッグ」かだけど、内容は「バウバウドッグかゴーゴードッグか」になっちゃったな。まァいいわ。







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