これじゃ野球にならないよ
FirstUPDATE2023.8.19
@Scribble #Scribble2023 #プロ野球2023年 #物申す 阪神タイガース 横浜DeNAベイスターズ 判定 審判 疑惑 京田陽太 熊谷敬宥 佐野仙好 池辺巌 故意 未必の故意 単ページ

えと、本来野球関係のエントリは毎週月曜日なのですが、もう、どうしても今のうちに書いてしまいたいのでね。その代わり来週の月曜日は通常エントリに変更します。つまりテレコにします。

話はもちろん昨日の試合、つまりDeNA対阪神戦の9回表の攻撃のことなんですが。
一死後、佐藤輝明がライト線へのヒットで出塁(実に微妙な当たりで「長打にならなかった」というのが後の伏線になるのですが)、で、サトテルの代走に熊谷が起用されました。
打者は坂本誠志郎の代打糸原。カウントは2ボールノーストライク。で、次の球でファーストランナーの熊谷がスタートを切った。
タイミングとしてはセーフです。「完全に」「文句なしに」というほどではないけど、セーフのタイミングかアウトのタイミングかで言えばセーフのタイミングでした。

キャッチャーの送球はややライト方向に逸れたのですが、それをショートの京田はしゃがみ込むようにキャッチした。
その時点ですでに熊谷はスライディングの態勢に入っていた。京田はやや追いタッチ気味にタッチしようとした。
正直、どのタイミングで完全なタッチが行われたのかは砂煙が上がってわからないのですが、かなり遅れて足にタッチしたように見えました。

問題は京田の捕球姿勢です。
京田はキャッチャーからの送球を「ベースの端、ランナーが滑り込んでくる辺を覆い隠すように」しゃがみ込み、熊谷はセカンドに足を付けることが出来なかったのです。
判定はセーフでしたがDeNAの三浦監督はリクエストを出した。ま、たしかに微妙なタイミングだったし、山場も山場なのでリクエストを出すのは当然です。
もう一度言います。タイミングはセーフ。しかも京田の捕球姿勢のせいで熊谷はセカンドに到達することが出来なかった。
アタシが見ていたTVKではこれでもかとリプレイ映像を流していた。
だからそれを見てアタシは「これはセーフ。まずタイミングがセーフだし、もし熊谷の足がベースに届いてないとするなら走塁妨害になる。アウトになる理由がない」と思っていたのです。

ところがリクエストの結果、判定が覆りアウトになった。阪神は1死二塁のチャンスが2死ランナーなしになってしまったのです。

ま、ざっくりとした経緯はこんな感じですが、アタシもこれまでいろんなリクエストを見てきたし、判定が覆るのも何度も見てきたけど、これはアタシが阪神贔屓とか関係なく、これほどまでに理不尽な判定はちょっと見たことがない。それくらい酷い判定に感じました。
何よりアタシが最高に訝しく思ったのは審判団(というか責任審判の敷田)が「京田の捕球姿勢は(つまりセカンドベースを覆い隠してしまったのは)<故意>ではないから走塁妨害ではない」というところです。
いやいやいや、ちょっと待てよ。<故意>じゃなければ何をやってもいいのか?と。

もうぶっちゃけ言えば、これはルールブックの盲点のひとつです。
というかコリジョン云々関係なく「故意かどうかで」判定が変わるというのは野球のルールの欠点だと言ってもいい。
そもそもですが、裁判でも何でも「故意か否か」という判断はものすごく難しいことなんですよ。だから検察側も弁護側の膨大な時間をかけて「故意か否か」を証明していくことになる。
さらには「未必の故意」なんて言葉まである。ものすごく簡単に言えば「そうしてやろう」までは思ってなかったけど「そうなってもしょうがない」くらいは認識していた、という感じなんですが、あくまでアタシ個人の見解を言えば昨日の京田のプレーは「未必の故意」に感じた。「わざと」ではないけど「だってしょうがないだろ」くらいには思っていたんじゃないかと。実際、2年前にも奇しくも同じ熊谷がランナーの時に京田は似たようなプレーをしているし。

ま、アタシの見解はともかく、裁判でさえ膨大な時間をかけてやる「故意か否か」の判断を「審判団が」「その場で瞬時に」やるってのに無理がある。
これはね、ある意味審判団の肩を持ってるとも言えるんですよ。ただでさえ非難の対象になり得る審判に「故意か否か」の判断まで背負わせるのは、いくらなんでも重すぎる、と。
正直審判には「アウトセーフ」「ストライクボール」「ファールフェア」「妨害か否か」の判断だけしてくれたら十分で、昨日のように故意であろうがなかろうが結果として走塁妨害に類するプレーになったら素直に走塁妨害を認めないと野球にならなくなる。
で、「故意かどうか」の判断は時間をかけてNPBがゆっくり検証すればいいんですよ。

野球ってのは基本的に取り返しのつかないスポーツです。もし阪神が意見書を提出して、あの判定は間違っていたとなっても「9回表1死二塁の状況からやり直す」なんて出来るわけがない。
だからとにかく、審判団には「ルールブックに忠実か」よりも<公平>な判断が求められるんです。
ずいぶん古い話で恐縮ですが、1977年、阪神の佐野仙好左翼手が後方の打球をナイスキャッチの後にレフトフェンスに激突、池辺巌中堅手が事態の重大さをすぐに認識、タイムをかけずに救出に当たったためにファーストランナーがタッチアップで長駆ホームイン、なんてことがありました。
その後ルールが改正されて「緊急時には審判がタイムをかけられる」と改めてられたのですが、今回のプレーが起こったことでルールが改正されることを切に願う。もうそれだけです。

にしても佐野の時も大洋(現・DeNA)だったんだよなぁ・・・。







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