タコ殴りには興味がないからこそ
FirstUPDATE2023.3.20
@Scribble #Scribble2023 #プロ野球2023年 #メンタル 単ページ WBC 侍ジャパン 阪神タイガース 森下翔太 井上広大 中野拓夢 赤星憲広 ヌートバー 村上宗隆 スーパースター 気持ちの強さ 動じない心 未熟 タコ殴り

もちろんWBCのことを書こうと思うのですが、先週野球ネタをお休みしたので、その前にいろいろと。

それにしてもマジで森下が止まらないですね。いや正直、ここいらで止まってくれた方が逆に安心出来るんだけど、あれだけボールの見極めが出来てたら「打てなくても悪目立ちしない」んですよ。
つまり、結果よりさらに内容が良いわけで、現状開幕スタメンを外す理由が何もない。というかあれだけの見極めが出来るのであれば、いっそ3番でもいいかも、と思えるレベルっつーか。

一方、先日称賛した井上は二軍に落ちてしまいました。
この辺が難しいんだけど、井上はね、去年までよりあきらかにレベルは上がってるんですよ。打てる時は「そりゃ打てるわな」と見ている人が納得出来る打ち方が出来ている。
つまりは内容が伴ってきたわけですが、だからと言って結果は別でね、レベルが上がった=必ずしも結果に即結びつくわけではないのです。

そういや先日「トラトラタイガース」のYouTubeチャンネルで赤星が面白いことを言ってて。

赤星は今春のキャンプで臨時コーチをつとめ、主に近本、中野、島田、熊谷、植田海といった俊足と言われる選手たちを指導したのですが、実際臨時コーチをやってみて一番驚いたのが「思ってたよりも中野の(走塁)レベルが低かったこと」だと。
一見罵倒みたいだけど、真逆で、あの程度の走塁レベルしかないのにルーキーイヤーに盗塁王を獲得し、昨年は盗塁王こそ逃したけど2年連続で20盗塁以上を記録した。要するに技術が低いのに結果は出している。それが本当にすごい、と。
つまりね、赤星は「これで中野に技術が付いてくれば、とんでもない選手になる」と言ってるのです。

ここでWBCの話に転じますが、ヌートバーと村上を見てるとそれを如実に感じる。
守備走塁はともかく、こと打撃だけで言えば村上のが技術が低いとはとても言えない。ヌートバーはメジャーでも期待の新星ではあるけど「これから」の選手であり、村上はメジャーより一段低いと目されるNPBではあるものの三冠王を獲得した選手です。
しかしヌートバーはずっと結果を残してきている。一方村上は準々決勝では打ったとはいえ結果が出ていない。
アタシはね、これは「気持ちの強さ」の差だと思うんです。

赤星は中野の結果が出ている理由として「気持ちの強さ」を挙げていましたが、ヌートバーからは侍ジャパンの一員として出場するという喜びに溢れている。
そしてヌートバーの喜びの先にあるのは「自分がどうこうじゃない。とにかくチームが勝つために何でもするんだ」という「気持ちの強さ」になって表れている。
しかし村上はというと、もう自分のことだけで手一杯で、チームの勝利云々のよりも自身の活躍度合いの意識の方が強い。ま、比較対象が大谷とかダルビッシュになっちゃうから可哀想ではあるんだけど、あまりにもメンタルが未熟で、それが結果となっている感じなんです。

アタシは何度も「村上は次代のスーパースター」と書いてきたし、今回のWBCを見ても、それだけの素養は十分にあるとまだ思っています。
ただし、本当に村上がスーパースターになるか否かの道程はアタシの想定よりもはるかに遠いものに感じてしまった。
「気持ちの強さ」だけで中野がWBCでも盗塁を決めたり、ヌートバーが走攻守すべてにおいて活躍しているのに比べて、いくらまだ若いとはいえ、ただの負けん気だけではスーパースターになれないというのを村上は自覚するべきです。

たしかにね、準々決勝では打ちましたよ。ま、2本目はほぼエラーだけど、ま、打ったには違いない。
でも村上に求められていることってそういうことじゃないんですよ。
4番を神聖視するつもりはまったくないけど、アタシが4番打者に求めているのは、そしてスーパースターに求めているのは「動じない心」です。
何にたいして動じないか、それは「自身の結果よりもチームの勝利」という<心>です。
村上にはそうならなきゃいけない宿命がある。いつまでも幼稚な、と言ってアレなら、凡庸な、と言い換えてもいいけど、そんな選手で終わってもらっちゃ困るんですよ。

今回のWBCで村上はテクニックもフィジカルも「まだまだ」ということは嫌でもわかったと思うけど、一番「まだまだ」なのはメンタルです。
ま、言ってもまだ若いんだしさ。ダルビッシュだって村上くらいの年齢の時は本当に未熟だったんだからそこまで求めるのは酷だけど、何年かかってもいいから「動じない心」を手に入れて欲しいわけで。

さて、そんなことは置いといて、えらくエラそうに書いてますが、正直、準々決勝まではそんなに熱心には見てないんですよ。
だってさ、負けるわけがないもん。野球ってのは必ずしも実力差と勝敗が結びつかないスポーツって言われてるけど、さすがにこれだけ実力差があればね。
何というか、どうしても「タコ殴り」って興味を惹かないんですよ。というかアタシは「10点差で勝つチームよりも1点差で勝つチームのが強い」と思ってるので、そういう意味では<強さ>を見れていない。ただたんに実力差がそのまま結果になっただけ、みたいな。

もちろん明日からはそうはいかないので、かなり熱を入れて見ると思いますが、うーん、どうも、本当に緊張して見れる試合がたった2試合って。つかもし明日負けたらたった1試合だもんね。
アメリカなんか今日はタコ殴りだったけど、昨日は接戦を制しているし、ここまで本当の意味で接戦のない侍ジャパンはやっぱ不安だわ。
何より中継ぎ以降が、シーズンなら調整登板レベルでしか投げてないのが不安すぎる。

というか、やっぱ、投手と野手の人数バランスがおかしいよなぁ。
あんなに投手はいらないし、逆に野手は足りなすぎる。つか<有事に備えて>中野が外野の練習までしてるみたいだし、うーん。
もうこうなったら明日は応援するだけだけどさ。