空気て美味いんか?
FirstUPDATE2023.2.14
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あえて関西弁のタイトルにしたけど、いやね、こんな「空気が美味しい」なんて慣用句にケチをつけようってんじゃなくてね。

当たり前だけど空気に<味>はないわけで、もちろん何も考えずに「田舎に来た=空気が美味しい」と思ってしまう人もいるんだろうけど、これがね<味>ではなく<ニオイ>ならわからんこともないんですよ。
たしかに田舎には田舎のニオイがある。いや都会と田舎といったざっくりした分け方でなくても、関東と関西ならやっぱりニオイが違うし、同じ関東でも東京と湘南ではニオイは違ったりする。それはアタシのような鈍感な人間でも余裕で感じられるレベルですから。
でも、何故か「こっちは空気のニオイが違うな!」とはあんまり言わない。やっぱ<味>、つまり美味しい美味しくないって表現になるんですよね。

さて、繰り返し書いてることですが、アタシはどうしようもないほどの「都会好き、田舎嫌い」の人間です。
今回はどれだけ都会が好きかってことは書きません。それよりも、今まで「あまりにもネガティブすぎる」という理由であえて書かなかった「田舎嫌い」の方にスポットを当てたい。
実は田舎嫌いと言っても、アタシの中で2種類あってね、同じ田舎でも海の側ならば、まァ、ギリギリ我慢出来んこともないんです。もちろん都会のがいいに決まってるんだけど、海という存在がものすごく救いになってくれるんです。

しかし、これが「海なんか逆立ちしても見えない場所にある」田舎だと大幅に話が変わる。
もっとはっきりいえば「山間、もしくは(例え一帯が平地でも)山に囲まれた地域」が本当に苦手なのですよ。
神奈川県に在住していた頃、用事で福島県の親戚の家にクルマでちょくちょく行ってたのですが、高速道路っつーか東北道なんて基本山間を縫うように通ってる。だから延々、アタシな苦手なタイプの田舎を通っていくわけですが、問題は帰りです。
東北道を抜けて埼玉に入った辺りで、景色はどんどん都会になっていくのですが、ま、街の灯、とでもいうのか、を見たら、いつもアタシはこう思っていた。

助かった・・・
生きて帰ってこれた・・・

何を大仰な、と思われるかもしれませんが、マジでこんな感じだったんですよ。
もちろん福島で殺されかけた、とかではない。親戚を含めてみなよくしてくれたし。
なのに、何で、と言われたら、福島にいる間中、ずーっと、得も言われぬ耐え難いレベルの閉塞感に襲われているんです。

もう一度言いますが「空気が美味しい」というのは、ま、ただの慣用句だと思う。でも、間違っても閉塞感をおぼえるような場所に「空気が美味しい」という表現は用いない。
つまり「空気が美味しい」=安心感をおぼえる、ということではないか。だから「田舎=安心」という考えはこうした慣用句を鑑みても、田舎=強度の閉塞感をおぼえるアタシは異端なんだと思う。
何故そうなったのかはわからないし探る気もない。つかそれはどうでもいい。しかし、人混みだったり、排気ガスによる悪臭だったり、そういうのが充満している都会のが、アタシには安心感がある=空気が美味しい場所なのです。

まァね、仕事の関係もあるからそれだけでは決められないのはわかってるけど、それでも大半の人は「出来ることなら空気の美味しいところに住みたい」と思ってるはずです。
でも、しつこいけど、空気が美味しい=田舎、ではない。アタシのような空気が美味しい=都会という異端者もいるってのはわかって欲しい。
アタシは死んでも田舎には住みたくないし、死ぬまで都会に住んでいたい。それは利便性が云々はあまり関係ない。
もう、ただただ、空気が美味しい場所で生活したい、それだけなんです。

少なくともアタシには、人のニオイ、排気ガスのニオイ、早朝の繁華街の悪臭を含めて、全部「いいニオイ」であって、森林の香りとかある意味「嫌なニオイ」なんですよね。







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