今回はちょっと、パソコンの形状みたいな話をしたいと思いましてね。
ざっくり言えば、パソコン、と聞いて思い浮かべる形状は4種類だと思う。もちろん他にもUMPCとかPSPの親玉みたいな携帯ゲーム機型とかあるよって言われたらその通りだけど、まァ4種類に分ければ十分でしょう。
左上から順番にデスクトップ機、ノートPC、一体型PC、タブレットPCですが、もう性能とかそういうのは度外視する。あくまで<形状>の話ですから。
この中で「家で使うことが大前提」なのがデスクトップ機と一体型PCです。ま、これはわかりやすい。これだって、いやオレはデスクトップ機を外に云々って言う人はいるんだろうけど。
じゃああとのふたつ、つまりノートPCとタブレットPCはどうなんだって話です。このふたつが「外で使うことが大前提」なのか、というと違うわけでね、結局、ここが一番難しいところだったんですよ。
ノートPCとタブレットPCは「外で使うこと<が大前提>」ではなく「外で使うこと<も出来る>」ものであり、言い方を変えれば「家でしか使わないけどノートPCやタブレットPCを購入しても何ら問題はない」わけです。
某5ちゃんねるやそのまとめサイトなんかだと「デスクトップ機はパーツの交換が出来るし、故障しても故障したパーツだけ取り替えられる」なんて意見が大勢を占めていますが、自作PCを組んだことがあるアタシからすればキモチはわかるけど、これはマイノリティな意見なんでほとんど無視して差し支えないと思う。
となるとです。ではデスクトップ機や一体型PCを選ぶ意味があるのか、という話になってくる。
まァ正直、一体型PCはいろんな意味で、いわば鬼っ子のような存在なので選択肢から外れる人が多いのはわかるんだけど、デスクトップ機もね、アタシからすれば「止むに止まれぬ事情があるから」選択するもののような気がするんですよ。
その「止むに止まれぬ」ってのが何なのか、それは人によって違うけど、ゲーミングPCや動画編集専用機みたいに高性能グラボを使いたい、もしくはアタシみたいにゲフンゲフンを使いたい、つまり「PCIスロット(PCI-Expressスロット)を利用する」人だけがデスクトップ機にこだわる、と言い切っていいような。
仮に拡張性を求める人でも「USBでイケる」拡張ならば、別にデスクトップ機である必要はないとね。
ここからアタクシ事になります。
先述の通り、アタシはゲフンゲフンを使う=PCIスロットが必要なので、どうしても一台はデスクトップ機が必要な人間です。
でも、何しろゲフンゲフンさえ使えたらいいわけで、性能はかなりどうでもいい。下手したら低性能=低消費電力の方がいいくらいで、つまりこのデスクトップ機はパソコンというよりは一種のビデオデッキみたいな扱いなんですよね。
高性能PCが欲しかったとしてもデスクトップ機ではなくゲーミングノートPCのがいいのかもしれない。さすがに基本的に重いゲーミングノートPCを手軽に持ち運ぶ想定は出来ないけど、いざとなったら持ち出せる、電源他取り回しがラク、となったらゲーミングだろうが何だろうがノートPCのが良い、ということになるわけで。
では重い作業をしない、お手軽なパソコン、という位置付けのマシンをどうするべきか、この答えがなかなか見つからなかったんです。
そもそもアタシはずっと、ノートPCという<形状>に違和感があった。要するに「キーボードが常にモニタの前に引っ付いてる」ことに、です。
もはやパソコンを「文字ベースのコミュニケーションツールを使うために」使用する人は相当少なくなってると思う。そういうのはスマホがあるわけで、そこはスマホで完結させた方が何かとスマートです。
じゃあパソコンでやることは、ざっくりふた通りしかない。
これは以前も書きましたが、仕事であれ遊びであれ、何かを生み出す作業の道具として(以下、①)がひとつ。んでもうひとつがコンテンツを消費するためのマシン(以下、②)です。
問題は②の方で、②の時はキーボードなんて必要ない。むしろない方がフレキシブルな持ち方が出来るわけですが、そこで「コンテンツを消費する専用機」として「キーボードがない、でも画面サイズはノートPCに相当する」=タブレットが一般的になってきたわけです。
もちろんその代表はiPadなのですが、iPadなどのメインはどこまで行ってもコンテンツ消費、つまり②の方であり、①の使い方が出来ないわけではないけど、サブセット的なことしか出来ない仕組みになっている。
というかね、OSとして考えると①と②の両方が完璧にコナせるOSという時点で無理があるんです。
それこそ②の操作性を考えると①として使いづらくなる。①をメインならその逆、というふうに、二兎を追うものは状態になる。だからこそAppleは頑なにmacOSとiPadOSを統合しない。
しかしマイクロソフトは、あくまで①の使い方を想定しながらも「これからは②にも目配せしなきゃダメだ」みたいな感じで「タブレットふうの操作性」を取り入れだしたわけですが、ご承知のようにすこぶる評判が悪い。①の使い方をするなら「タブレットふうの操作性」なんて邪魔なだけで、じゃあタブレットとして普通に使えるのかというと、それこそiPadの足元にも及ばない。
つまりね、何が言いたいのかというと、たしかにノートPCを利用する時、必ずしもキーボードが必要なわけじゃない、時には邪魔っ気にさえ感じることがあるとはいえ、人に勧めるのであれば、とくにこだわり(前述の通り、どうしてもPCIスロットが必要とか、インテリアを兼ねて一体型PCがいいとか)がない場合は、とりあえず「デスクトップ機と一体型PCとタブレットPCは候補から外せ」と言わざるを得ない。で、結果的に残るのが、難点がないわけではないけどノートPCになると。
昨年末、アタシが購入したのはSurfacePro4、つまりタブレットPCです。
でもここまで読んでもらえるばわかるように、もし「Windowsタブレットってどうなんですか?」と聞かれたら「止めておいた方がいい」と。「利点がないわけではないけど、何をやるにしても中途半端だよ」と答えると思う。
ところが、ことアタシに限って言うならば、もしかしたらこれは、ずっと探し求めてきたものなのかもしれない、と思い始めた。これってのは「パソコンでありながらタブレットという<形状>」ということです。
しつこく書いてるように、Windowsでは②の対応が中途半端すぎるわけで、ここが万人には勧められない理由なのですが、アタシはね、②として使うにしろ、もう完全に絞っているんです。
②、つまりコンテンツ消費のための「プレーヤー」としては、もう「動画再生」と「自炊したPDF閲覧」のふたつだけ。それ以外は一切、は言い過ぎだけど、このふたつに付随する最低限のエクスプローラの操作しか使わない。
もちろんプレーヤーとして使う時はタッチパネルを使うんだけど、これ以外に何かやりたい時はSurface+キーボード+マウスというノートPCのスタイルでやってる。つまりiPadでやれそうなゲームであったりコミュニケーションツール(SNSなど)はもちろん、タブレットスタイルの時はブラウザすら使う気がありません。
ここまで徹底的に割り切れるかどうか、なんですよ。
で、たんに割り切るだけじゃなしに①と②の利用時間が限りなく同じくらい、というのも重要です。
②は例えば仕事用Macで作業しながらSurfaceはBGV代わりっつーか動画の垂れ流し用に使うとか、あと寝る前にささっと動画を見たり自炊したPDFを閲覧するとか、そうやって使っていけば①と②の比重がほぼ同じになるのです。
これは誰にでも当てはまることじゃないし、もう、まるでWindowsタブレットという存在がアタシのために作られたのではないか、とさえ思い始めているわけで、これだ、こういうのを求めてたんだ!と思えるものにたどり着いてしまったというか。
エラく長くなっちゃったけど、これくらい書かないと説明出来ないし、ま、自分用忘備録として書いたって意味合いが濃いんだけどさを