お年寄りを大切にしよう、という教えは当然
FirstUPDATE2023.1.18
@Scribble #Scribble2023 #物申す 単ページ お年寄り 共通体験 老害 当たり前

何だかヤバい方向の話と思われそうなのですが、というか、テメエもやっぱジジイだな、そんな敬われたいのか、と思われるかもしれませんが、そういう話ではありません。

というか、たぶん、そんなことを言い出すのはきまって年寄りだ、だいたい年寄りなんて今の時代についていけないどころか、若者の足を引っ張ることしか考えてない、なんて言い出すヤツもいる。もちろんネットだけでなく、リアルでも、あからさまにそういう態度も見せるのを見てきましたからね。

いやね、そもそもの話、何でそんな、世代間で敵対視し合うのか、これがさっぱりわからない。
アタシなんか、正直、同世代と喋るのが一番つまらない。はっきり言えば「同世代ならではの共通体験」なんか会話のネタとしてぜんぜん面白くないもん。
むしろ、もっと年長だったり、もしくはもっと若い人と喋った方が圧倒的に面白いんですよ。
理由はさっき書いたことの逆。自分とは違う時代を生き、多少なりとも違う価値観を持ってるからで、そういう話を聞いてるだけでも本当に楽しいのです。

それってテメエがジジイになったからだろうって?まさかまさか。
アタシは極度の人見知りでした。そんな人見知りな人間というのは同世代と話す時に「無用なコンプレックス」を抱きがちで、もちろん、ただの雑談如きで競り合うつもりはないんだけど、無意識に勝った負けたと思いがちだったんです。
しかし、同世代以外の人とならこの手のコンプレックスを覚えることがない。わりと自分を出して喋れる。つまりリラックスした感じになりやすいので、面白い面白くない以前にラクなんですよね。

ま、アタシク事はさておき。
何で「お年寄りを大切にしよう」という<教え>があるかというと、これを批判する人は根本のところが欠けている。つまり

若者は基本的に年寄りを嫌う、もしくは馬鹿にしがちなもんだ

という。つまりは「お年寄りを大切にしないのが当たり前」だからこんな言葉があるんです。ま、「巨人軍は紳士たれ」と同じ、というか。(オコエもさぁ・・・)
たぶんこれは、何百年も前から同じだと思う。要するに、年寄りを異様に軽視する、というのはきわめて「普通の考え」なんですよ。
何でこんなことになるのか、これもわりと簡単で、若い時分って「自分がトシをとる、なんてことを考える瞬間すらない」んです。つまり、年寄りと自分はまったく、何の共通点もない、たまたま同じヒューマンっていう種族なだけで、どれだけ嫌おうが馬鹿にしようが関係ない、と思いがち、というか。

しかし、やっぱり、世の中には賢い人はいる。
それは「自分もやがてトシを取る、年寄りになる」と気づく人です。
もう一回言います。気づかないんですよ普通は。アタシだって気づいてなかった。まさか自分がこんなジジイになるなんて思いもしなかった。もちろん年を経る毎にトシを取るのはアタマでは理解してても、何の現実味もないから想像すらしなかった。それは「気づいてない」のと同じです。
でもアタマの良い人は「これではマズい。年寄り迫害の流れになったら、やがて自分も迫害される立場になる」と。

じゃあどうするか。それは子供のうちから壊れたテープレコーダーのように「お年寄りを大切にしよう」と繰り返し教え込むことです。
そこまでやったとしても、やっぱり、若者と言われる年齢になったら年寄りを馬鹿にしだす。それでも、少なくとも繰り返し教え込まないよりは若干は緩和されるのではないか。
あと、祖父や祖母が孫をすごく可愛がる、というのも、重要かもしれない。共感性が高い人間なら「祖父や祖母に近い年齢の人たちを十把一絡げきして老害扱いする」ことにたいして、少しはチクッとした気持ちになるはずだからね。

「お年寄りを大切にしよう」

これは老人を優遇しろ、みたいなことを言ってるんじゃない。そんなに遠くない未来の自分を守るための言葉です。
もし、老人を優遇しろ、としか思えないとしたら、それは本当にヤバいよ。つかまだ若者と言われる年齢だったらいいけど、40を超えてこんなことを言ってたら、アナタが嫌い馬鹿にするお年寄りよりも頭カッチカチってことだから。







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