こないだのエントリで「紅白にはやっぱりジャニーズはいる」と書いたのですが、さすがに補足がいるだろうな、と。
これね、あんまり深くは書けないのですが、アタシの知り合いの人で、いわゆる知的障害のある人がいます。
その人は女性なのですが、大の嵐ファンで先日もあった時、嬉しそうに嵐のブロマイドをいっぱい見せられ・・・いや、見せてくれた。
彼女は嵐だけでなく、他にも好きなジャニーズタレントがいろいろいるらしく、そのブロマイドの中にはHey!Say!JUMPや関ジャニ∞なんかもあったりしました。
ま、知的障害と言ってもいろいろあって、その人はだいたい小学1年生レベルらしい。
つまり、子供と同じように、純真無垢な気持ちで、男性として見てどうとかではなく、おそらくは嵐などのジャニーズグループを純粋なエンターテイメントグループとして見ていると思うんです。(実際、彼女は恋愛感情のようなものが一切わからないらしい)
でもね、そういう人が、今の芸能界で誰に興味を向けるか、となったら、ジャニーズってのはものすごく理解しやすいな、と。
それこそ昨年末の紅白を見てつくづく思ったんだけど、たしかにいろんなね、ピンではなくグループが出ていたけど、どのグループも基本的には真面目な顔で歌っている。ま、真面目っていったらアレか。しかめっ面というか、険しい表情というか。余計ダメか。
ところがジャニーズは違う。とくに紅白の出場者で顕著だったのはSnowManで、単純に「楽しそうに歌っている」んですよ。
先日、最近の邦画が辛気臭い理由として「登場人物が揃ってシケたツラばかり」と書いたのですが、実は音楽も似たような傾向がある。
もちろん演技に比べたら許されるパフォーマンスのタイプは広いとは思うんだけど、何か、エンターテイメントの原点というか、もっとね、楽しそうに歌う人たちがいてもいいんじゃないかって。
というか乃木坂46とかK-POPとか、あと紅白は出てなかったけどエグザイルとか、「見た感じからして楽しげに歌う」グループってないんですよ。
その点ジャニーズは違う。去年の紅白に限ればキンプリとKinKiKidsは「しかめっ面」系だったけど、後はなにわ男子もSixTONESも関ジャニも「楽しげ」系でしたから。
思えばアタシが敬愛するクレージーキャッツだってドリフターズだってエノケンだって、みんな「楽しげ」に歌っていた。
植木等が紅白に出た時や、あとマツケンサンバの時とか、何か紅白で異様に盛り上がったのって全部歌手を含めたムードが「楽しげ」な時に限るんですよ。ところが今の時代、「楽しげ」なのがジャニーズしかいない。(ま、氷川きよしは楽しげと言ってもいいけど)
先に挙げたような知的障害の人にとっては、深いメッセージ性も、真剣な歌唱も刺さらない。それよりも理屈もなにもない、単純に楽しげなものを好む、となったら選択肢としてジャニーズしかないんです。
演者からして、歌い手からして、楽しげに振る舞う。こんなのエンターテイメントのいろはの<い>、つまり「基礎」なのに、基礎のところの層が異様に薄いって、やっぱ、何かおかしいよ。
とくに紅白なんていうショウ番組は、出場者の大半が楽しげ系で、たまにしかめっ面系が入る、みたいな構成でないと保たない。ところが人材がいないからそんな構成に出来ないし、それでもショウとしての体裁を保とうとなったら、それは忖度とかではなくジャニーズを重用するしかないんです。
これはもう、歌唱力云々以前の問題だからね。
もし紅白でジャニーズ枠を減らしたいと思うなら、ちゃんと「楽しげ」系で、その上で歌唱力の高いグループを作らないとダメだわ。