前回は完全に、イミフなエントリタイトルについてスルーしましたが、要するに「新(旧)」ってのはアタシにとっては<新>なんだけどマシンとしては旧式もいいところ、というか。
そんなわけでアタシが購入したのは旧式も旧式の、2015年発売のSurfacePro4です。うん、古いね。
Surfaceと言えばタブレット。タブレットではない普通のノートPCスタイルのもあるけど、一般にSurface=タブレットでまかり通っていると思う。
しかしね、そもそも、WindowsというOSと、マウスやトラックパッドなどの旧来のポインティングデバイスを用いない「タッチパネル」はね、ずっと言われているようにまったく相性が良くないわけですよ。
てかそれは当たり前でね、UIがまるでタッチパネルを想定して作られてないから、そりゃあ、操作性も何もあったもんじゃないのは当然でして。
マイクロソフトは、たしかWindows8くらいから徐々に「タッチパネルでの操作を考慮にいれた」UIを取り入れだした。
しかしこれが評判が悪かった。というかマイクロソフトはそれこそPocketPCの頃からずっと「タッチパネルの有用性」を模索しているけど、未だにこれといった最適解が見つかってないのが現状です。
いやマイクロソフトに限らず、タッチパネルに特化させたiOSやiPadOSでもマウスなどでの操作が可能になってるけど、これも完全な融合までは行ってないわけで、20年以上かかって、世界の名だたるIT企業数社が血眼で模索して、なおかつこの状況ってのは、これは本当に至難の業なのでしょう。
それでもマイクロソフトは「Windowsタブレット」というジャンルに活路を見い出そうとしていました。
CPUがAtomのものに限ってOSライセンスを格安にしたりして(という噂があったけど事実は知らん)、Windowsタブレットという可能性をいろいろ探っていた時期があったわけで。
この頃、アタシはONDAという謎メーカーから出ていた「V820W」なんていう「WindowsとAndroidのデュアルブート」タブレットを購入している。ま、タブレットったっていわゆる中華タブレットなんだけど、もちろんCPUはAtomでした。
ご承知のようにAtomは遅い。しかしね、アタシが購入した中華タブレットは他の箇所が酷すぎたんですよ。
例えばメモリは2GBしかない。んでストレージはたった32GB。32GBの中にWindowsとAndroidの両方のOSが入ってるんだから、もうソフトウェアもデータも、何も入らないに等しい。というかこれではOSアップデートさえままならない。
一応microSDスロットは用意されてはいたんだけど、とにかくヤバかったのが、メモリも、ストレージも、そしてmicroSDも、異様にアクセスが遅かった。とくにmicroSDのアクセスの遅さは尋常レベルではなく、フルHDの動画がえっちらおっちら再生出来る、という酷さでした。
だからね、Atomの遅さよりも他の箇所が足を引っ張りすぎていて、全体的にモッサリどころか「耐えられない遅さ」になってしまっていたのです。
今思えば、こうした施策はマイクロソフトにとってはマイナスプロモーションになったと思わないでもない。
ただでさえUIがタッチパネルに向かないのに、しかも超モッサリのWindowsタブレットが市場に溢れてる。これで「Windowsとタブレットの相性は最悪」ってイメージになったんじゃないかね。
だからAtomより高性能な、それこそCoreiシリーズのCPUを使ったWindowsタブレットもあまり登場せず、同時期にAndroidタブレットも沈みかけていたので「タブレット=iPad一択」というムードになっていったのです。
にもかかわらず、マイクロソフトはあきらめなかった。何と「マイクロソフトブランド」でWindowsタブレットを展開していくことになるのですが、もちろんこれがSurfaceシリーズです。
Surfaceは通常のノートPCと同程度の性能を固持しており、なおかつタブレットらしいギミックを加えた意欲的なマシンだったと思う。
後述しますが、アタシはSurfaceのキックスタンドは一種の発明だと思う。いやこのキックスタンドこそがSurfaceのアイデンティティーなんじゃないかね。
ただし、ハードウェアの設計に慣れていないマイクロソフトですから、代を重ねても様々な不具合が解消されず、頭をかかえていくことになります。
たぶん「一応の完成形」と言えるレベルになったのはSurfacePro7の頃からのはずで、何と7代目にして<やっと>まともになった、というのは遅すぎる。そしてその間に生まれた悪評はSurfaceシリーズって高いわりにはたいしたことがない、みたいになってしまった、というか。
だからこそ、なんですが、中古のSurfaceは安い。イメージが良くないのでどうしても高い値段は付けづらい。でもそうであったからアタシが気軽に買えたのも事実でね。
前回も書いたように、たしかに不具合はあるんだけど、この性能で2マンってのはやはり破格で、こんなおトク感のある買い物は久しぶりです。
てなわけで、ここからは使用感リポートを。って一週間ほどしか使ってないんだけど。
何しろ今は季節が冬なので、排熱処理の悪さからくる画面揺れは発生してないんだけど、スリープの時にコケる問題は結構頻繁に発生しています。
一度画面に「Surface」という文字が表示されたまま固まってた時があって、だからどうも怖いので、あとバッテリーの保ちの問題もあるので今は電源ボタンに休止状態を充てています。
バッテリーの劣化は、まァこれも織り込み済みだったから別にいいんだけど、まあまあ劣化している。だからカタログ数値の「動画再生で9時間」は到底無理で、通常使用でせいぜい3~4時間ってところでしょうか。
しかしそれ以上に、ポジティブな箇所が本当に素晴らしくてね。
まず画面が本当に綺麗。解像度の恩恵はもちろんあるんだけど、発色を含めてやけに綺麗に見える。
そしてディスプレイの性能とは関係ないけど、12.3インチのタブレットってマジで大画面に見えるんですよ。
そういえば、今から10年前にiPad3を買った時にこんなことを書いた。
iPadを実際に使い始めるまでわからなかったことが、ひとつだけあります。それは画面のデカさです。
(中略)
じゃあ13インチのノートPCはどうなのかって話ですが、これは完全に盲点だったのですが、ノートPCの場合、キーボードってのが手前にあるんですね。厳密にいえばトラックパッドもあるし。となると必然的に目とモニタの間隔はそれなりにあるわけです。
(中略)
iPadのいいところは、目とスクリーンの距離が自由自在なんですよ。iPhoneよりは遠いけどノートPCよりは断然近い。何故ならキーボードがないからね。これは盲点でした。
要するに、タブレットとノートPCの感覚的な画面サイズの違いとして「キーボードやトラックパッドがないので物理的に顔を近づけることが出来るので、実サイズよりも大きく感じる」という話なのですが、iPad3が9.7インチ、SurfacePro4が12.3インチ。この差はとてつもなくデカい。
さらに言えばSurfaceのアイデンティティーとも言えるキックスタンドのおかげで画面の角度調整が自由自在なので、テーブルと椅子の高さを考慮しながら最適な角度で見ることが出来る。これも大きい。
この素晴らしさは実際に購入するまでわからなかったことです。
もうひとつ、購入するまでわからなかったことと言えば、上手く言えないんだけど、何というか「所有する歓び」みたいなのがあるんですよ。
たしかに購入価格は2マンです。世間の評価も低いし、不具合はあるし、バッテリーも劣化してるし、塗装剥げもある。なのに、妙に<ブツ>を見るとニヤニヤしてしまう。
ここ15年くらいで考えても、性能云々関係なく、パソコン、スマホ関係なく<ブツ>を見るだけでニヤニヤしてしまう電脳系ガジェットなんてMacBookAirくらいしかなかったのに。
そうはいってもですよ、MacBookAirは新品だったし当時で言えば最新機種でした。だから、まァ、ニヤニヤしてしまうのは当然なんです。
でも、しつこいけど、アタシが購入したSurfacePro4はたった2マンですよ。たった2マンでニヤつけるほどの所有欲を満たしてくれる、なんてすごすぎる。
もちろん買ったばかりなんでね、今後SurfacePro4は活用していきます。つか「何をどうやってもイマイチ」と噂のWindowsタブレットを使いこなす実験でもあるわけで、上手く構築出来たら、次は最新のSurfaceProを買ってもいい。そう思っています。
というかさ、所詮はWindowsなんでね、初期設定っつーか「自分なりに使いやすい」環境に持っていくのに時間がかかるのよね。こないだやっと母艦(デスクトップPC)とVAIO(ノートPC)の環境が整ったばっかりで「またやんの?」って気持ちもあるけど、時間をかけて、じっくり煮詰めたい。もし「Windows<タブレット>としての環境構築」が出来たら、今度最新のSurfaceProを買ってもそのまま移行出来るんだから。
にしてもさあ、我ながら時間をとられるようなことばかりしてるなぁ。しかも年末のクソ忙しいタイミングで。ま、そういう性分だからしょうがないんだけど。