最初に言っておきますが野球ネタです。でもマジで「伊藤まさしくんはやっぱ普通じゃない」なんてタイトルの漫画ありそうじゃね?
えと、伊藤まさしくんってのは阪神タイガースの投手である「伊藤将司」のことです。
今年のファン感謝デーでもだし、それ以前も、同僚である阪神の選手の伊藤将司評は「とにかく人の話を聞かない」というね。
この場合の「人の話を聞かない」とは「頑固すぎて他人の意見を一切取り入れない」という意味ではない。もう言葉通り、単純に「相手の話をまるで聞いていない」のです。
世の中にはこういう人は結構います。
これ、記憶力が悪いと混同されがちだけど、そもそも最初の段階で話を聞いてないんだから、つまり憶えてるも忘れてるも、ただの一度も脳内に相手の言葉が入ってない、という。ま、たしかに「人の話を聞いてなければ記憶力も悪い」なんて人もいるんだけど。
伊藤将司はまだプロに入って2年しか経ってない。チームという組織からすれば新参者です。なのに、もう、伊藤将司は人の話を聞かない、というのが浸透している。
阪神にドラフトで指名されるまでの、いわばアマチュア時代ですよね、もうその頃から無数に「お前、ちゃんと話を聞け!」と言われたはずなのに、まだそう言われるってのは、もう改善の余地もないんでしょう。
これだけ見れば困った人なんだけど、どうもそうは思えなくて。
伊藤将司はいわゆるほうれい線が深いタイプなので、野球帽を被ってると妙に老けて見えるんだけど、私服に着替えると年相応の青年で、メチャクチャではないとはいえイケメンです。
というかイケメンかどうかは好みがあると思うけど、私見では間違いなくモテるタイプです。私服もオシャレだし、何より声が恐ろしく良い。まさにイケメンヴォイスってヤツですから。
こういうね、一見、普通っつーか「どこにでもいるタイプ」の中にこそモノホンの奇人がいる、というのがアタシの考えです。
伊藤将司の奇人エピソードとして一番有名なのは「グローブにギャグを刺繍している」ってことでしょうか。
野球選手、とくに投手は自分を鼓舞させたり落ち着かせたりするためにグローブに刺繍を入れるってのは常套で、そこそこ古参の阪神ファンだったら下柳剛の「前後際断」あたりは有名ですよね。
ま、多少のブレはあるとは言え、ほぼ全選手はこうした格言めいたことを刺繍しているのですが、伊藤将司の場合、何と「パンティーテックス」と刺繍してある。
パンティーテックス、とは吉本新喜劇の島田珠代のギャグです。つまりコテコテの大阪ギャグと言ってもいい。
伊藤将司は千葉で生まれた後、野球の名門校である横浜高校に進学。以降も国際武道大、JR東日本、という経歴で、阪神に入団するまではほぼ関西とは縁がなかった。
なのに阪神入団後は関西ローカルの番組を好んで見ており、中でも一番のお気に入りギャグの「パンティーテックス」をあまつさえグローブに刺繍してしまった。
いやね、百歩譲って、ギャグを見ることで自分を落ち着かせられる、つまり自分らしさを取り戻すことが出来るってのならわかるんですよ。
ところが・・・
「グローブにギャグが刺繍されてたら気になりませんか?」
と聞かれた伊藤将司、その答えがふるってた。
「いや試合中にグローブとか見ないですし」
・・・いやたしかに手にはめてたら見えない位置なんだけど、だったら何で刺繍したんだ。
かなり前に「リア充」と並んで「キョロ充」なんて言葉がネット界隈で流行りましたが、まァね、人間というものはキョロ充までは行かなくても多少でも他人の目が気になる。
ところが世の中には「他人の目なんて一切、何も気に留めない」なんていう奇人もいる。それが伊藤将司ではないか、と。
これは「投手・伊藤将司」としても奇人ぶりが発揮されていて、伊藤将司ってね、ランナーはよく出すんですよ。でも点はあんまり取られない。
だからといって「粘りのピッチングでピンチをしのいで」って感じでもない。何というか、もうピンチかどうかなんか何の関係もなく、ずーっと同じ感じで投げてるんです。
これはいわゆる「メンタルが強い」とは違う。人と極端に羞恥心を感じる事象が違う「奇人」の言動で、だから普通の人が「え?何で何で?」なんて場面で奇人は羞恥心を感じたりするんです。
伊藤将司は完全にこれに該当すると思うのですが、だとしたら、です。
正直言って、伊藤将司が日本代表の候補にすら挙がってないのは合点がいかない。最終的に選ばれるかどうかはともかく、成績的にも候補にくらいなってないとおかしい。
間違いなく、伊藤将司ならば、WBCの大舞台でも「練習試合かなんか?」くらいの感じで淡々と投げられるはずです。
もし「いやちょっと、球威が」みたいな理由なら選考者が何もわかっていない。
いやマジで、阪神から代表入りする投手を、となったら、アタシなら青柳でも湯浅でもなく、モーマンタイで伊藤将司を推すのですがね。