あ、エントリタイトルは「デジタル一眼」の誤記ではありません。つか間違えたっぽくしただけで。
何故、テレビの視聴率が全体的に落ちたのか、これは本当にいろんな理由があるし、どれが決定打ってわけでもないと思うのですが、その中のひとつに「紙メディアの衰退」は確実に入るんじゃないかと。
これに気づいたのは「よくよく考えるとタウン誌って便利な存在だったなぁ」というのを思い出したからです。
って話がつながってないみたいだけど、ちゃんとつながるのでご安心を。
いつ廃刊(休刊)になったのか調べる気もないんだけど、とにかくアタシの大学生の頃には「ぴあ」なんてタウン誌がありました。
その頃アタシは関西在住だったので「Lマガジン」なんかもあったけど、その手のタウン誌ってね、イベントに行くのに本当に重宝だったんですよ。
例えば落語会。「ぴあ」には何月何日に何処の会場で、出演者は誰と誰で、演目はコレコレ、みたいな情報が掲載されていました。
これが本当に便利で、ザーッと見ていって、ああこれ、行こう、なんて決め方が出来たんですよ。
では今は、です。
たしかに検索すれば、かなり詳細な情報が掲載されている。されているんだけど、それはいちいち、特定の、それこそ会場のサイトや芸能事務所のサイトに飛ばないと見れない。とくに上方落語の場合は常打ち小屋なんかわずかしかなく、本当にいろんな場所で公演が行われる。
そんなのね、「もしかしたら落語会をやるかも」と可能性のある会場のサイトを全部見て回るなんて現実的には不可能なんですよ。
映画だってそうで、意識してなかった作品だけど「コレとコレを2本立てでやるのなら、行ってもいいな」なんて組み合わせは余裕であるわけで。
これがもし「クレージーキャッツがメンバーが出演している映画以外は興味がない」とかだったらまだ対応出来る。これだってそこそこ時間がかかるけど、検索で何とかなるんです。
が、ですよ、アタシのようにわりと広めの興味の幅がある人間には、もう検索なんかでは到底おっつかないのです。
こういう場合こそ「ぴあ」のようなタウン誌があれば死ぬほど便利で、調べるなんて下手したら1分もかからない。「検索を駆使して」とか「可能性のあるサイトを片っ端からブックマークしておいて全部見て回る」とかするよりもはるかに手間も暇もかからないのです。
実はコンピューターって「一覧性の高い」ってのが本当に苦手で、ほれ、それこそExcelとかでも結構苦労しませんか?スクロールさせてやらないと全体を見渡せないとかじゃ話にならないし、さらに印刷なんかもう、どうやっても一列に入らない。無理に一列に入れようと思ったら異様に文字が小さくなったり、一項目の行が増えてやたらと見づらくなるしで、マジであれはうんざりする。
結局ね、一覧性を上げようと思えば、やはり適したレイアウトが必要なんですよ。アタシもDTPのオペレーターをやってたから、しかも短期間とはいえタウン誌の編集にも携わっていたからわかるけど、あれの自動化は本当に難しい。多少でも人間の手を加えないと見にくくてしょうがない感じになる。
そう考えると新聞のテレビ欄やテレビガイド誌なんかは本当に優れたレイアウトなんです。
とくにスマホなんかのモバイル端末なんかはそうだけど、スマホでテレビ欄ってマジ見にくいじゃないですか。つかスマホはコンピューターっつーかパソコンより決定的に一覧性が劣っている。
そりゃ画面が小さい上に縦長スクリーンなんだからしょうがないんだけど、スマホでテレビ欄を見ていって、ああコレ、今日やるのか、じゃあ見ようか、とはなかなかならないんですよ。
これが新聞だと本当に違ってくる。
もう今では新聞を手に取ることさえあんまりないけど、たまに新聞の置いてあるカフェなんかに行って久しぶりにテレビ欄を見てみると、あれ?こんなに見やすいんだ、と感動するレベルです。
しかして今、アタシ同様新聞なんて長らく見ていない、テレビガイド誌もずいぶん買ってない、なんて人が本当に多くなったと思うし、そうなったら極端に「世間で話題になってるわけじゃないけど、自分のアンテナには引っかかる」番組が探しづらい時代になった、というか。
もうそこはインターネットではどうしようもないよ。それよりも冗談抜きにさ、テレビ局が合同で「テレビガイド誌の簡易版」みたいな小冊子を駅とかで無料配布すべきなんじゃないの?それだけでグッとテレビへの関心が高まりそうな気がするんですがね。