まだ正式に決まったわけではないようですが、来シーズンの阪神タイガースのセカンドには今シーズンショートのレギュラーだった中野をコンバートするみたいで。
これは様々な事情が見て取れますが、とにかく「肩の強い選手をショートに置きたい」というのが岡田彰布の構想なのは間違いない。
で、そのショート候補の筆頭となっているのが小幡で、もし小幡がレギュラーに定着したら阪神では久しぶりの高卒生え抜きレギュラーになる。
肩が強く、足が速い。打撃は一軍ではイマイチ結果が出てないけど二軍では「やることがない」というレベルで打てています。
次世代のことを考えて、小幡がショートに入るのが一番いいと考える人は多いのは当然なのです。
ではアタシはどのように考えるか。
将来的なことはともかく、あくまで来シーズン限定と考えるなら、アタシは小幡ショート固定には反対です。
いや反対と言うと語弊がある。たぶん固定は無理だし、わりと早々に頓挫する、と踏んでいるっつーか。
しかし「ファンや岡田監督が<打てない>ことに我慢出来なくなる」という話ではない。
そもそもアタシは、小幡をそこまで打てない選手だとは思っていない。たしかにまだまだだなところがあるとは思うのですが、致命的に打撃の弱い選手ではないと見ています。
だったら何で、という話なんですが、ひと言で言えば「小幡のような選手がワンシーズン保つわけがない」と考えているからなんです。
説明します。アタシも50年ちかく野球を見てきたけど、小幡のような体型の選手がワンシーズン全試合、全うした例をひとつも知らない。
これは単純に<細身>だから、ということではない。
歴代の名ショートでも細身の選手はいくらでもいる。それこそロッテの小坂とか中日の井端なんかもそうだし、阪神で言っても今牛若丸と言われた吉田義男も細いっちゃあ細かった。
しかし彼らは細いのは細いけど腰から下はかなりガッチリしていた。だから同じ細いにしても小幡とはぜんぜん違った体型に見えるのです。
下半身が細い選手は能力が高くてもパフォーマンスが短期間しか持続出来ない。これは大和や上本で散々味わったことです。
大和や上本もね、スタメンで起用されて数試合はものすごくいいんですよ。でもあっという間にスタミナ切れになってプレーに精彩がなくなる。それでも我慢して起用し続けると今度は怪我をする。
大和はまだ外野だったから守備がダメになるってことはなかったけど、上本は本当にボロボロになってましたからね。
さらに問題なのがショートというポジションです。
鳥谷と掛布の対談でも言ってたように、ショートだけは他のポジションに比べて疲労度がハンパないらしく、とにかくあり得ないほど疲れるらしい。
今シーズンまでショートを守っていた中野はアマチュア時代から「スタミナお化け」と言われてるいたそうで、だからこそシーズンを通して破綻なくショートのレギュラーを張れたのです。
では小幡は?正直小幡がスタミナお化けなんて聞いたことない。
いやね、これは考え方の問題だけど、シーズン序盤だけ100のパフォーマンスを出して途中で20とか30に、下手したら怪我で0に落ちる選手なら、マックスで70かもしれないけどシーズン通してずっと70をキープしてくれる選手のが絶対使いやすいはずなんです。
それで言えば小幡は前者のタイプ、木浪は後者です。ま、木浪はマックスで50とか60かもしれないけどさ。
だからアタシはこう思う。
もし中野セカンドコンバートありきならば、小幡と木浪を完全併用するしかない。
でももし、小幡のレギュラー起用ありきならば、今年は中野ショートで、ショートよりは負担の少ないセカンドで小幡を起用する、と。んで「小幡がシーズン通して戦えるスタミナがある」と確認されたら、その次のシーズンからショート小幡、セカンド中野にすればいいんじゃないかと。
そもそもの話、何か異様に小幡の守備をかいかぶっている人が多いけど、アタシはちょっとミスが多すぎると思うんだよね。
二軍の守備率とか酷いもんだし、とにかくイージーミスが多すぎるんですよ。しかも「守備範囲が広い故のミス」ではなく、例えば送球を落としたりとか、どうもまだ安定感がない。
つまり、まだ小幡はやることがある。一がスタミナをつけるってか身体を大きくする、次が守備の安定感。打撃は最後でいいよ。
ま、大和なんかはどうしても太れない体質だったみたいだけど西純矢なんかマジでデカくなったもんね。
小幡もあれを見習って欲しいわ。