再びユーチューバーのことを書こうと思うのですが、まァ、ニュースサイトに出てくる頻度が異様に高いんでね。
あのさ、例の不登校中学生ユーチューバーなんですが、もう、上手く言えないんだけど、あれって<商売>としてどうなのよ?という話でして。
モラルがとかそういうのは本当にどうでもいいんです。ただ商売ってのはある程度継続していかないと本当の儲けにはならないのでね。
ってもちろんそうではない<やり方>もあるんだけど、かと言ってあの親子は「最初から売り抜けるつもり」ってのもあまり感じられないっつーか、マジでいきあたりばったりに見えてしまうというか。
ここで突然、野球の話に転換します。
プロ野球のチームに監督がいるのは当たり前ですが、ごく少数の例外を除いて、少なくともここ50年ちかくに限ればヘッドコーチという役職を置くのが当然になっています。
監督とヘッドコーチ。もちろん<上>なのは監督で、ヘッドコーチはあくまで監督の<下>につく、という形を取る。
言い方を変えれば監督とヘッドコーチの役割が同じではいけない。もっと言うなら役割だけでなくムードも可能な限り違っていた方がいいのです。
監督が厳しさを全面に押し出すならヘッドコーチはソフトムードに、監督がソフトムードならヘッドコーチは鬼コーチ、というような感じで、違えば違うほど、選手はやりやすい。
もちろん、裏では意志の統一がはかられているのが大前提で、監督とヘッドコーチの方向性はどんなムードだろうが同じ方向を向いてなきゃいけない。
つまりは各々が「ハードムード」と「ソフトムード」の振り分けを<役割>としてコナす、というか。
てな話を前提として、あの親子ね、そりゃあ、話題作りなのはわかるんだけど、どっちもムードが同じなんですよ。
主役であるはずの不登校中学生の方が破天荒っつーか常識知らずの役回りなのは当然として、何故か父親の方までまったく同じ役回りをやってる。本当なら父親は漫才で言えばツッコミっつーかあくまで常識人キャラを演じなきゃいけないのに、どちらもアグレッシブキャラになってるわけで。(しつこいけどアグレッシブ=ネガティブ表現だから。ま、日本語にすれば<喧嘩腰>みたいな感じ)
つまりバランス感覚がまるで感じられない。
あくまで役回りとして演じているのであれば、不登校中学生の方はもっともっとメチャクチャな言動でもいいと思うし、その代わり父親の方は平身低頭かつウイットに富んだ<返し>をするべきなんです。
それをやってない時点で、ああ、計算でやってるわけではなく、思いつきっつーか<商売>として先を見越してやってるわけでもないんだろうな、と思う。
昨日書いたターキビ暴露チャンネルの元ネタの人もそうだけど、インパクト重視のやり方って商売としての寿命が短いんです。それでは、なかなか安定した商売にならない。
だからどこかで軌道修正をはかる。インパクト重視で上手くいったという成功体験にとらわれず、徐々にでいいから「愛され路線」へ転換していく。これが、ま、いわば<王道>のやり方です。
芸能人だろうがユーチューバーであろうが、軌道修正をやらないと遠からず、消える。残念ながらそれは歴史が証明しています。
ま、消えようが生き残ろうが、別にいいんだけどね。そんな従前のやり方ではなく「新しい」やり方にこだわるんであれば。ま、義務教育をちゃんと受けさせないのと一緒で、それこそ社会実験のモルモットになるだけだから。